混戦を切り抜けたのは2人のみとなった。鎌田英嗣(営4=獨協)が総合5位、中野耀司(営3=横浜創英)が6位で全日本選手権に駒を進めた。一方でショートプログラム(SP)1位通過の梶田健登(政経4=明大中野)と同10位の佐上凌主将(商4=武蔵野)…

混戦を切り抜けたのは2人のみとなった。鎌田英嗣(営4=獨協)が総合5位、中野耀司(営3=横浜創英)が6位で全日本選手権に駒を進めた。一方でショートプログラム(SP)1位通過の梶田健登(政経4=明大中野)と同10位の佐上凌主将(商4=武蔵野)が全日本の切符をつかむことができなかった。

◆10・25~28 東日本選手権(テクノルアイスパーク八戸)

▼シニア男子(FS)
2位 鎌田 英嗣 117.63
6位 中野 耀司 112.13
9位 鎌田 詩温 103.15
10位 佐上 凌 101.96
12位 山藤 一悟 96.86
13位 梶田 健登 96.55
▼シニア男子(総合)
5位 鎌田 英嗣 169.44
6位 中野 耀司 166.74
9位 梶田 健登 159.6
10位 佐上 凌 155.01
11位 山藤 一悟 150.56
12位 鎌田 詩温 150.28

まさかの結果となった。SPを1位で終え、波に乗っていた梶田。冒頭のダブルアクセルをきれいに決めるも、続くトリプルルッツの着地後に「すっぽ抜けた」(梶田)と思わぬ形で転倒。そこから焦りが生じ、転倒や両足着地など精彩を欠き大幅な減点となった。スピンでも溝にはまりバランスを崩すなど満足のいく演技とはならなかった。終わってみればフリースケーティング(FS)では13位と大きく落ち込み、総合順位は9位に。「悔しくて悔しくてしょうがない」(梶田)。全日本選手権出場圏内となる8位にあと一歩届かなかった。

佐上も大学最後の全日本に及ばなかった。コンビネーションジャンプはうまく決まったものの、三つの3回転のジャンプで減点。「全力を尽くした。悔いはない」(佐上)と言い切ったが演技後には悔し涙が溢れた。勝利の女神は2人の4年生には微笑まなかった。

 

敗者の思いを胸に全日本に挑む者もいる。鎌田英はケガの影響で満足に練習が積めない中、FSでは2位の好成績を収め、一気に総合5位に食い込んだ。総合6位の中野は「落ち着いてできた。ただ弱気になったところもある」(中野)と収穫と課題をもって振り返った。2人は12月、それぞれの思いを胸に全日本の舞台・大阪で美しく舞う。

 

[中野拓土]

試合後のコメント

佐上

――全日本を逃しました。

「もちろん悔しいですけど、もう終わってしまったので。残りは東インカレと都民大会は出られる試合として確定しているので、その2試合で自分のことができるように引き続き、同じように練習していきたいと思います」

――今後の意気込みをお願いします。

「もう自分の選手生活も短いですけど、最後まで気持ちを切らさず、自分が全力を出したと思えるように終わりたいと思います」

梶田

――今日の滑りを振り返っていかがですか。

「結果は正直、僕の人間的な弱さとかが巡り巡って今日出たのかなと思います。東京ブロック終わってからずっとFSばっかりやってきてむしろFSの方が自信あるというくらいだったですけれど、こうやって準備をしてきても、こういう結果になってしまうっていうのが、スケートに限らずこれから社会人になるけれど、起こってしまうのかなと考えています」

――あと一歩で全日本でしたが。

「もちろん行きたいですよ。悔しくて悔しくてしょうがないです。どうにも挽回できなかったので悔しいですけど、これで良かったのかなという感じはあります。スケートを通して人間としての課題と向き合うことができそうという感じですね」

鎌田英

――今日の演技を振り返っていかがですか。

「今までの競技人生の中で一番辛い状況でした。昨年度は風邪ひいたりしたけれども、ジャンプなどができる状態ではあって、今年度はそもそもジャンプの確率が低くてとても苦しく、SPであれだけ2回も転んでしまったので、正直心が折れそうでした。全日本行けなくてしょうがない、いけなかったら、どう頑張るかという変な覚悟ができてしまっていたので、ちょっと辛かったです」

――4年生2人が全日本を逃す結果となりました。

「残念というか、少し複雑な気持ちですけど、勝負は勝負なので、残念ですけれども仕方ないところもあります。けれども彼らは腐らずに残りの試合に向けて頑張ってほしいと思います」