イギリス・ロンドンで開催されている「ウィンブルドン」(6月27日~7月10日)の第10日。  世界ナンバーワンのセレナ・ウイリアムズ(アメリカ)がウィンブルドン決勝へ力強く進み、22度目のグランドスラム最多優勝記録へ向け、あと…

 イギリス・ロンドンで開催されている「ウィンブルドン」(6月27日~7月10日)の第10日。  世界ナンバーワンのセレナ・ウイリアムズ(アメリカ)がウィンブルドン決勝へ力強く進み、22度目のグランドスラム最多優勝記録へ向け、あと一勝と迫った。  女子シングルス準決勝を最初から最後まで完全に支配したセレナは、エレナ・ベスニナ(ロシア)を6-2 6-0、48分で圧倒した。それは準決勝というより、トレーニング・セッションのようにさえ感じられるもので、おそらく単なる練習よりも強度の高いものだっただろう。

 「決して簡単ではないのよ」と、セレナはセンターコートの出口で行うBBCのショートインタビューで言っていたが、それは間違いなく簡単に見えた。  時速198kmを記録し、11本のエースを生み出したセレナのサービスの調子はかなりよかったと言っていい。

 世界50位のベスニナにとって、グランドスラム大会で経験する初の準決勝だった。オープン化以降でウィンブルドンの決勝に進出した初のノーシードの女子選手になる夢は、ここではかなく散ってしまった。

 セレナは31ポイントのうち28ポイントを取り、とりわけ最後の17ポイントは連続で取っている。ウィナーの数は28本で、対するベスニナは9本だった。  一年前に6度目のウィンブルドン優勝を遂げて、グランドスラム大会での優勝回数を「21」に伸ばしたセレナは、オープン化の1968年以降の最多記録である、シュテフィ・グラフ(ドイツ)が持つ「22」度目の優勝まであと一歩と迫っていた(オープン化以前も含めると、マーガレット・コートの24勝が史上最多)。

 しかしセレナは、昨年9月の全米オープン準決勝でロベルタ・ビンチ(イタリア)に不覚をとり、今年1月の全豪オープン決勝ではアンジェリック・ケルバー(ドイツ)に、そして先月の全仏オープン決勝ではガルビネ・ムグルッサ(スペイン)に敗れることになった。  今、セレナはグラフに追いつくためのチャンスをふたたび手に入れた。 「言うまでもなく、ここまで(グランドスラムの)2大会で0(優勝)だから、今年は少なくともひとつを獲ろうと決意しているわ」とセレナ。  「決勝で当たるなら姉がいいわ。そうすれば優勝カップに、少なくともウイリアムズの名前は刻まれるから」とセレナは言っていたが、木曜日にセンターコートで行われた準決勝の2試合目、姉ビーナスと第4シードのケルバーの対戦は、ケルバーが6-4 6-4で勝って決勝へ進み、セレナとビーナスの姉妹決勝は実現しなかった。

 セレナとケルバーが対戦することになったウィンブルドン決勝は、今年の全豪オープンの決勝の再現でもある。  ウイリアムズ姉妹が揃って準決勝に進出した11度目のグランドスラム大会。その11度のうち10のケースで、ふたりのうちのどちらかがタイトルを獲っている。その中には4度のウィンブルドン決勝も含まれていた。

 36歳のビーナスは、1994年に37歳で決勝に進んだマルチナ・ナブラチロワ(アメリカ)に次いで年齢の高い、グランドスラム準決勝進出者だった。(C)AP