イギリス・ロンドンで開催されている「ウィンブルドン」(6月27日~7月10日)の第9日、男子シングルス準々決勝。 ウィンブルドンで8度目の優勝を目指すロジャー・フェデラー(スイス)の挑戦は続いている。 第3シードのフェデラーは第9シード…
イギリス・ロンドンで開催されている「ウィンブルドン」(6月27日~7月10日)の第9日、男子シングルス準々決勝。 ウィンブルドンで8度目の優勝を目指すロジャー・フェデラー(スイス)の挑戦は続いている。
第3シードのフェデラーは第9シードのマリン・チリッチ(クロアチア)に対して2セットダウンから挽回し、途中3つのマッチポイントをしのぎつつ5セットの戦いを制して11度目のウィンブルドンの準決勝に進出した。 絶対的に必要な瞬間にベストのプレーをしたフェデラーは、2014年の全米オープン準決勝で彼をノックダウンしたチリッチに対して27本目のサービスエースを決め、6-7(4) 4-6 6-3 7-6(9) 6-3で試合を終わらせた。 「本当にいろいろなことが起きた」とフェデラー。 試合の直後、緊張感とスリル、流れの行き来、重要なポイントに溢れた3時間17分の死闘をこう要約した。
「最初の2セットは、ことは僕にとって思うように運んでいなかった。彼は素晴らしいプレーをしており、僕は彼のサービスを読むことができていなかった」とフェデラーは振り返る。「第3セット、また第4セットでも非常に苦境に立たされていることはわかっていた」。 2セットを落とした時点で挽回できると信じていたか、と聞かれたフェデラーは、「挽回云々というより、なんとか試合の中で踏ん張り続けなければということだった。彼のレベルがわずかにでも落ちるチャンスを待ちつつ、崩れず、スコアを離されることなく追いすがり続けるしかない。そのためにはサービスがキーだった」と、そのときの心境を明かした。 フェデラーはまた「チリッチはツアーでも指折りの、いいやつなんだよ。そんな彼を相手にいい試合ができたのは素晴らしいことだ。彼の気持ちを考えると申し訳なかったけど」と、相手に対する敬意も忘れなかった。
その上で「幸いにも、僕の夢は続く。自分でもよく戦い抜いたと思うから、とてもうれしいよ」と喜びを吐露した。「何とかしてこの困難を乗り越えることができて、本当にうれしい。有頂天だよ」。 フェデラーが2セットダウンの劣勢を巻き返して5セットで勝ったのは、その長いキャリアを振り返ってもこれが10度目のことだ。これは彼にとってウィンブルドンでの80試合目であり、ジミー・コナーズ(アメリカ)とタイの記録。フェデラーはまた11度目のウィンブルドン準決勝進出ということでも、コナーズと並ぶ記録となった。 さらにフェデラーは今、ウィンブルドン男子シングルス史上の新記録である8度目のタイトルまで、あと2試合と迫った。彼は現在、7度優勝しているが、それはピート・サンプラス(アメリカ)と1880年代の選手、ウイリアム・レンショー(イギリス)と並ぶ記録である。 フェデラーが準決勝で対戦するのは、第6シードのミロシュ・ラオニッチ(カナダ)となった。ラオニッチは、センターコートで行われていたフェデラー対チリッチと同じ時間帯に1番コートでプレーし、第28シードのサム・クエリー(アメリカ)を6-4 7-5 5-7 6-4で退けた。
ラオニッチはクエリーに対してサービスブレークを一度しか許さなかった。 クエリーは3回戦で世界ナンバーワンのノバク・ジョコビッチ(セルビア)を倒して自身初のグランドスラムの準々決勝に進んだが、そこで敗れたことで、2009年のアンディ・ロディック以来となるウィンブルドンの準決勝に進んだアメリカ人選手になることはできなかった。
今年、コーチングチームにウィンブルドンで3度優勝(1981、83、84年)しているジョン・マッケンロー(アメリカ)を加えたラオニッチは2014年もウィンブルドンの準決勝をプレーしているが、そのときはフェデラーにストレートで敗れた。また、ラオニッチは今年の全豪オープンも準決勝を戦ったが、そこではアンディ・マレー(イギリス)に敗れている。 この日の準々決勝でラオニッチは、試合に終止符を打つための最後のゲームを含めてクエリーのサービスを3度ブレークした。
クエリーは第3セットでこの日、唯一のブレークを果たして5-4とリード。そこからセットポイントでサービスエースを奪ってキープし、このセットを取った。
その後、ふたりは第4セットの第9ゲームまでサービスをキープし続けたが、第10ゲームでクエリーがこの試合で5度目のダブルフォールトをおかし、ラオニッチのマッチポイントの御膳立てをしてしまう。その後、クエリーのフォアボレーのエラーが最後のポイントとなった。(C)AP