3日間にわたって熱戦が繰り広げられてきた全日本大学総合選手権個人の部(全日学)もいよいよ最終日。この日はシングルスでランク入りを果たした上位16人によって学生チャンピオンの座が争われた。男子部でただ1人ランク入りした硴塚将人主将(スポ3…

  3日間にわたって熱戦が繰り広げられてきた全日本大学総合選手権個人の部(全日学)もいよいよ最終日。この日はシングルスでランク入りを果たした上位16人によって学生チャンピオンの座が争われた。男子部でただ1人ランク入りした硴塚将人主将(スポ3=東京・帝京)は強豪を次々と破り見事にベスト4の好成績を残した。また、女子部でも徳永美子(スポ4=福岡・希望が丘)が接戦を勝ち上がり自己最高のベスト4入りを果たした。

 新体制のチームを引っ張る硴塚が全日学で躍進を見せた。昨日ダブルスで優勝した勢いそのままにシングルスでもランク入りを果たした硴塚は、5回戦で激しい打ち合いを制して逆転勝利を収めると準々決勝ではバックハンドを主体とした展開で会心の勝利。「中学生以来」という個人戦全国大会の準決勝の舞台へと駒を進めた。迎えた準決勝、相手はTリーグ・木下マイスター東京のメンバーでもある専大の田添響(4年)だ。格上の相手であったが硴塚は臆することなく攻めの卓球を見せる。試合序盤、硴塚の脅威のバックハンドを警戒した相手はフォアハンドにボールを集めてくるが、硴塚はフォアでも厳しいコースへ強打を打ち込み相手を押し込んでいく。激しい打ち合いの末惜しくも最初のセットを落とすが、その後2、4セット目にはチキータなど得意の展開で相手を圧倒し、セットカウントは2-2に。勝負の流れを大きく左右する第5セットも中盤まで一進一退の展開で競り合うが、闘志を前面に押し出して戦う相手に中陣の打ち合いで上回られ、硴塚は追い込まれてしまう。後がなくなった硴塚は6セット目も打ち合いに必死に食らいつくが、再び勝負所で相手の攻撃を止めきれずゲームスコア4-2で惜しくも敗退となった。「チャンスがあったので勝ちたかった」と悔しさを見せた硴塚だが、試合後には地元の子どもたちにサインを求められるなど、持てる力を出し切って戦う姿は観客を大いに魅了した。


バックハンドを武器に全日学ベスト4入りを果たした硴塚

 女子シングルスでは徳永が持ち前の粘り強さを見せてベスト4を勝ち取った。徳永はこの日の初戦となった5回戦では、昨年のこの大会で完敗を喫した田口(筑波大)と対戦。この試合、徳永は昨年苦しめられた相手のサーブにうまく対応し、1年間の練習の成果を見せる。さらに、リードを許しても諦めない強い精神力で見事に逆転勝利を収め、同じ舞台で1年越しのリベンジを果たしてみせた。続く準々決勝でも先行されるが、ラリー戦の強さを見せて勝ち切り、自身初の全日学のシングルス準決勝へ。準決勝の相手は優勝候補筆頭の安藤みなみ(専大)。多くの選手が安藤の強打を止めることなく敗退する中、徳永は高いブロック技術でラリー戦へと持ち込む。それでも多彩な攻撃で畳みかけてくる安藤に押し込まれ、先にセットを奪われる苦しい展開となったが、「粘れば(相手は)崩れる」となんとか食らいつき、大差をひっくり返して2セットを奪い返す。最後まで息詰まるラリー戦で互角以上にわたり合ったが、最後は徳永のボールがミスになりゲームセット。あと一歩及ばなかったが、最後まで堂々としたプレーを見せた。


最後の全日学で見事ベスト4入りした徳永

 今年の全日学では男子ダブルスで優勝、女子ダブルスも2組がベスト4へ進んだほか、シングルスでは男女1人ずつがベスト4入りと早大としては好結果を残し、この1年間の成長の証を示すことができた。今シーズンの学生大会も残すところ11月の全日本選抜学生選手権のみとなった。全国の実力者に強気で立ち向かい、来シーズンに繋がるようなプレーに期待がかかる。

(記事、写真 吉田寛人)

結果

▽男子シングルス

5回戦

○硴塚4―3郡山(専大)

準々決勝

○硴塚4―2一ノ瀬(中大)

準決勝

●硴塚2―4田添(専大)

▽女子シングルス

5回戦

○徳永4―3田口(筑波大)

○阿部4―2上村(日大)

●金子2―4中畑(愛工大)

●笹尾1―4安藤(専大)

●岩越3―4瀬山(中大)

準々決勝

○徳永4―2瀬山(中大)

●阿部1―4中畑(愛工大)

準決勝

●徳永2―4安藤(専大)