関東学生選手権(関カレ)も終わりを迎えた。最終日に行われた試合は、男子エペ団体と女子サーブル団体。男子エペ団体は、準決勝で中大に惜敗し、関カレ連覇を逃した。一方女子サーブル団体は、2回戦敗退。個人戦に引き続き悔しい結果となった。☆準決勝で…

 関東学生選手権(関カレ)も終わりを迎えた。最終日に行われた試合は、男子エペ団体と女子サーブル団体。男子エペ団体は、準決勝で中大に惜敗し、関カレ連覇を逃した。一方女子サーブル団体は、2回戦敗退。個人戦に引き続き悔しい結果となった。

☆準決勝で中大に敗れ3位(男子エペ団体)

 順調に準決勝にまで駒を進めた男子エペ団体。準決勝の相手は、ことしの関カレ男子エペ個人で優勝を果たした古俣聖(中大)を擁する中大である。優勝をつかむためには必ず倒さなければいけない。試合開始直後加納が2連取し、良い出だしで試合が始まる。しかし、「実力は、ワセダか中大が1位か2位」(安)と、両者の実力は拮抗(きっこう)していた。2点ビハインドで迎えた第4セット。安の活躍が光った。4連取し、逆転に成功する。だが、1点のリードもすぐにひっくり返されてしまう。両者一歩も譲らない試合展開が続き、早くも最終セットが回ってきた。20−21で1点を追う加納。古俣から、1点を奪い同点に追い付くと、ベンチからは歓喜の声が湧いた。続けて猛攻するが、得点に繋がらない苦しい時間帯が続く。点差は3点差に広げられ、試合終了まで、残り40秒となってしまった。粘り強く攻めるものの、同時突きとなり点差は縮まらない。残り数秒で加納が得点を挙げるが、逆転に成功することはできなかった。


準決勝終了後の男子エペ陣

 中大の牙城を崩すことができなかったが、3位決定戦では勝利を挙げ、3位となった男子エペ団体。安は、悔しさはあるものの、「インカレが大事であると思っているので、これを糧にインカレで頑張っていければ」と語った。男子エペ団体は次をすでに見据えている。1ヶ月後に控えている全日本学生選手権(インカレ)で、今回の雪辱を果たしたい。

(記事 本野日向子、写真 藤岡小雪)

☆強豪・日大のカベは高く…準々決勝で敗れる(女子サーブル団体)

 女子サーブル団体は、1回戦にて学習院大を45−13で圧倒。強豪・日大との準々決勝に挑んだ。だが序盤から苦しい展開が続く。第5セット終了まで、1人もプラスで後続へと回すことができない。この時点で、相手との差は15点と大きく広がっていた。しかし、ここから早大の反撃が始まった。第6セットにて、佐々木陽菜(社4=東京・大原学園)が9連取を奪うなどの大活躍を見せる。続く佐野友香(スポ3=静岡・沼津西)も、「点差を気にせずに、確実に一本一本強気でやろう」(佐野)と臨んだ結果、3点プラスで回すことに成功。2人で相手の勢いを食い止める。だが、日大はこのまま簡単に倒せる相手ではなかった。その後はまた相手のペースにのまれ、31−45で敗北。女子サーブル陣の関カレは、ベスト8で終わってしまった。


強気な攻めを見せた佐野

 「あと1人が2、3点ずつプラスできていたら、勝てたのではないか」(佐野)。佐野は試合後、日大戦での反省点についてこう語った。日大には結果的に、14点差で敗北するかたちとなった。しかし終始一方的に攻められるのではなく、中盤巻き返しが見られた部分もあり、最低限の収穫はあったと言える。この関カレでの悔しさをバネに、インカレでの飛躍を期待したい。

(記事 藤岡小雪、写真 飯塚茜)


関カレ最終日での集合写真

 ※フェンシングの団体戦は3人、または4人の選手が交代で出場し、1試合当たり3分という持ち時間内で争う。あるいは3分以内にどちらかが先に5得点先取すると、そこで次の選手に交替となる。最終的には9試合戦い、45点を先取、または持ち時間が終了した場合は得点が高い方が勝ちとなる。

 ※エペ:全身が有効面となる上に、両選手が同時突きをすると両者にポイントが与えられる。より慎重な攻め方が求められるため、時として両者が睨み合ったまま時間が過ぎることは稀な話ではない。

 ※サーブル:両腕も含む上半身への突きと切り(剣先ではなく剣の胴部分で相手の体に触れること)が得点となる。また、先に攻撃をした方が「攻撃権」を持ち、防御側は相手の攻撃を防御してから攻撃しなければならない。この攻撃権の奪い合いにより、両選手はピスト上を常に前後に往復し合うため、サーブルは3種目の中で最も全身運動が激しい種目だと言える。





結果

▽男子エペ
早大[小野真英主将(スポ4=埼玉栄)、加納虹輝(スポ3=山口・岩国工)、十河昌也(スポ3=香川・三本松)、安雅人(スポ3=茨城・水戸一)、増田陽人(商1=岡山大安寺中教校)] 3位
 2回戦:○45−40国学院大
 準々決勝:○45−26日大
 準決勝:●35−39中大
 3位決定戦:◯45−37法大
 

▽女子サーブル
早大[佐々木陽菜(社4=東京・大原学園)、齊藤里羅子(スポ3=山形東)、佐野友香(スポ3=静岡・沼津西)、村上万里亜(スポ1=愛媛・三島)] 7位
 1回戦:○45−13学習院大
 準々決勝:●31−45日大

コメント

安雅人(スポ3=茨城・水戸一)

――3位となりましたが、今のお気持ちは

連覇を狙っていたので、悔しい気持ちなのですが、関カレで終わりではなくて、インカレが大事であると思っているので、これを糧にインカレで頑張っていければと思います。

――初戦では、第8セットで相手に攻め込まれていたが振り返っていかがですか

ウォーミングアップをあまりしていなかったので。緊張もあまりしていなかったし、やばいとは思いながらも、どうにかなると思っていました。体が結果的にそこでほぐせて、次からいいパフォーマンスが出来たので、試合を見る方からしたら、結構怖い試合だったのかなと。結果的に勝てればいいので、良かったかなと思います。

――準決勝の中大戦では惜しくも敗れてしまいましたが、敗因は

実力は、ワセダか中大が、1か2位だと思っていたので、拮抗(きっこう)しているとやはり、1点2点のミスが最終的に大きな差になって来てしまうので、そのミスが今回たまたまうちに多かっただけだと思っているので、次は勝てるかなと思っています。

――安選手と増田選手の第7、8セットでは、両者が無得点で、1分間で試合が終わるという展開は次につなぐ作戦だったのでしょうか

取り敢えず取れたら取るし、取れなかったら取れないで切って次のセットに回すというイメージでやっていました。ですが、やり慣れている相手で、自分が7セット目で戦った相手も、この前直近の試合でも僕が勝っていて、その時は結構相手ががっつり来ていて、それに合わせてぼくがやる感じだったんですけど。今度は相手が(前回に)そういうのがあったのであまり攻めてこなくて、別に自分から攻めていって点数を取る必要もそんなにないかなと思ったのでそういう作戦でやっていました。

――3位決定戦で、終始リードをしていたが、どのような気持ちで試合に臨みましたか

結構、準決勝がヤマ場で、そこで負けちゃったというのがあるのですが、3決はどっちのチームも消化試合じゃないですけど。最初はみんな結構リードして回してくれて、展開としてやりやすかったし、心に余裕を持って出来たことが、点差がどんどん広がったいい意味で原因かなと思います。

――インカレでの個人戦と団体戦での目標を教えてください

個人も団体ももちろん優勝なのですが、遠征に行っている人もいて、自分はその遠征を断ってインカレに出ると決めたので、遠征に行かない分、しっかり結果を残せるようにやりたいと思っています。

佐野友香(スポ3=静岡・沼津西)

――団体戦での目標は

目標は優勝でした。

――ベスト8に終わりましたが、今のお気持ちは

日大戦は個人個人がもう少しずつ点を取っていたら、勝ちはあったのではないかと思っています。

――日大戦で事前に立てていた作戦はありましたか

去年の関カレでも日大に負けていて。前回とメンバーは違うのですが、いいイメージを持って強気で前に、と思ってやっていました。

――ご自身は最後健闘する場面もありましたが、個人としてのプレーを振り返って

日大戦は2試合目で1点も取ることができなくて、そこは団体の流れを悪くしてしまったと反省していました。最後は点差を気にせずに、確実に一本一本強気でやろうと思って挑みました。

――チームとしての敗因は

こっちが点を取れなくて相手に5点全部取られてしまうという空白の部分と、自分たちが点を取るところが交互に来てしまっていて。流れをつかみ切れていなかったな、と思っています。あと1人が2、3点ずつプラスできていたら、勝てたのではないかと思います。

――インカレへの目標

きょうの団体戦でそれぞれ明確な課題が見付かったと思うので、そこを修正して、いいところを全部出して臨めるようにしたいです。