日本生命レッドエルフ Photo:Itaru Chiba 日本初の新プロリーグ「Tリーグ」の開幕戦2日目が10月25日、両国国技館で開かれた。初日の男子に続いて行われたのは女子の試合。TOP名古屋(名古屋市)vs 日本生命レッドエルフ(大阪…

日本生命レッドエルフ Photo:Itaru Chiba

 日本初の新プロリーグ「Tリーグ」の開幕戦2日目が10月25日、両国国技館で開かれた。初日の男子に続いて行われたのは女子の試合。TOP名古屋(名古屋市)vs 日本生命レッドエルフ(大阪府)という顔合わせとなった。応援に詰めかけた観客の数はリーグ側の発表で4,572人。

TOP名古屋 Photo:Itaru Chiba

 実業団の日本リーグから唯一、Tリーグ参戦となった名門チーム日本生命がベースの日本生命レッドエルフには、世界ランク9位で数々の国際大会でメダルを手にしている平野美宇、日本代表メンバーの早田ひなら日本のトップ選手がそろう。対するTOP名古屋は9月のワールドカップで石川佳純を倒し銅メダルを獲得した鄭怡静(台湾)、強敵カットマンのソヒョウォン(韓国)、世界ランク17位の長身サマラ(ルーマニア)ら国際色豊かな多国籍軍で両チームの実力は拮抗。そのためどの試合も世界トップクラスのハイレベルな戦いとなった。

 その結果、マッチカウント3-1で勝ったのは日本生命レッドエルフ。初戦白星で飾った日本生命レッドエルフが勝ち点3を手にした。

ソヒョウォン Photo:Itaru Chiba

 中でも観客を沸かせたのは第3マッチの平野美宇 vsソヒョウォンの一戦だった。互いに相手の出方を探り合うような第1ゲームをソヒョウォンが先取すると、続く第2、3ゲームは思い切りのいいフォアハンド攻撃やスマッシュを炸裂された平野が奪取。ところが第4ゲームに入ると、波に乗っていたはずの平野が失点を重ね、ソヒョウォンに追いつかれてしまう。



最終ゲームはTリーグ独自のルールにより6-6からスタート。これが取ったり取られたりの手に汗握る展開となり、どちらも譲らないシーソーゲームにもつれ込んだ。勝負に決着をつけたのは平野。最後に3連続ポイントを決めて大接戦を勝ちきるとともに、チームにTリーグ初勝利をもたらした。

早田ひな Photo:Itaru Chiba

 早田もこれまで勝ったことのない鄭怡静に勝利したのは大きかった。試合後には鄭怡静が体調を崩していたことがTOP名古屋の新井周監督の話でわかったが、それでもサービス、レシーブを軸に3球目攻撃でポイントを重ねていった早田のプレーは観客に卓球競技の醍醐味を存分に伝えるものだった。自身も「サービスからの3球目攻撃が決まると自分の武器である両ハンドドライブを生かせる」と話していた。

 一方、前日の男子の試合を見て少し緊張していたという平野は、「想像していたよりも演出や雰囲気がすごい。これまで海外のいろいろなリーグに出たが、今回が一番豪華だった。女子の開幕戦でしっかり勝利をつかむことができて嬉しい」と語り、改めてTリーグに参戦したことについて、「(参戦を)悩んだりもしたが、強い選手とたくさん試合ができるので、試合感覚を養ったり課題を見つけて今後に生かすことができる。参戦して良かったと思う部分はたくさんある」と話した。

平野美宇 村上恭和監督 Photo:Itaru Chiba

 さらに平野・早田ペアの登場もあるのではないかと見られた日本生命レッドエルフのダブルスについて、同チームの村上恭和監督(前・日本女子代表監督)は「今朝、オーダーを変えた」と明かし、「(チームの勝敗に影響する)ダブルスが一番不安だった」と語っている。

日本生命レッドエルフ Photo:Itaru Chiba

 開幕戦3日目の26日は会場が2カ所に分かれ、男子は武田デバオーシャンアリーナ(愛知県)で岡山リベッツ(岡山県)vs琉球アスティーダ(沖縄県)、女子はアリーナ立川立飛で木下アビエル神奈川(神奈川県) vs 日本ペイントマレッツ(大阪市)の試合が行われる。

 岡山リベッツのベンチ入りメンバーは上田仁、吉田雅己、森薗政崇、横山友一。琉球アスティーダは丹羽孝希、荘智淵、陳建安、江宏傑(ともに台湾)、有延大夢、松平賢二。木下アビエル神奈川のベンチ入りメンバーは石川佳純、浜本由惟、森薗美月、袁雪嬌(中国)、木原美悠。日本ペイントマレッツは加藤美優、田代早紀、松平志穂、フォン・ティエンウェイ(シンガポール)、李皓晴(香港)。

<開幕戦2日目 試合結果>
TOP名古屋 1-4 日本生命レッドエルフ
第1マッチ 森薗美咲/呉穎嵐 0-2 平野美宇/常晨晨
第2マッチ 鄭怡静 1-3 早田ひな
第3マッチ ソヒョウォン 2-3 平野美宇
第4マッチ 陳思羽 1-3 サマラ