公式戦としての今季最後の個人戦、そして4年生にとっては最後の個人戦、関東学生体重別選手権が開催された。男子10人、女子4人の計14人が出場した。女子個人組手では田部明音(法1=東京・早実)と中村朱里(スポ4=愛知・旭丘)がベスト16入り。…

 公式戦としての今季最後の個人戦、そして4年生にとっては最後の個人戦、関東学生体重別選手権が開催された。男子10人、女子4人の計14人が出場した。女子個人組手では田部明音(法1=東京・早実)と中村朱里(スポ4=愛知・旭丘)がベスト16入り。男子個人組手では謝勁文(修士1=台湾・第七)がベスト8、芝本航矢(スポ2=東京・世田谷学園)と吉田翔太(スポ1=埼玉・栄北)がベスト16に入った。しかし塚本惇樹(スポ4=千葉・拓大紅陵)が1回戦敗退、澤入迅人(スポ4=静岡・常葉学園菊川)が2回戦の脳振とうで3回戦を棄権という悔いも残る大会になった。


1回戦敗退という結果に悔しさを見せる塚本

 女子の組手では 、赤松ふみの(法1=東京・早実)が先取をするもそのあと相手に攻め入られ、1回戦敗退。渡邊仁美(社4=東京・雙葉)も初戦は勝ち上がったものの、2回戦では0―4で敗退をした。一方で、きょうの中村は1回戦では7―1で圧倒するなど前回関東大学選手権で本人が不安視していた休部によるブランクを感じさせなかった。2回戦でも果敢に攻め、相手にポイントを取られても焦ることなく、7秒後に点を取り返すなど勝負強さが光った。しかし3回戦では一瞬の隙で突きを決められ、1ポイントも取れずに敗戦。ベスト16にとどまった。また、大学初の公式戦デビューとなった田部も堅実に点を重ね、ベスト16に入った。


成長が著しい吉田

 男子組手では中国からの留学生・謝が軽々とした組手でベスト8に。部内で唯一のベスト8入りとなった。反対に4年コンビにとっては自分の組手をできずに悔しさが残る結果となった。塚本がまさかの1回戦敗退。残り25秒で先取するが、それで油断したのか残り10秒で中段蹴りを決められ逆転負けを喫した。また、澤入は2回戦目に相手の蹴りが入り、脳振とうに。10セカンドルールで勝利を収めたが、立ち上がれぬほどの脳振とうであったために3回戦はやむなく棄権をすることになった。一方で前回の関東大学選手権での活躍が光った芝本は相手に1点もポイントを与えずに3勝を挙げる。「相手の組手のカウンターに簡単にやられてしまった」(芝本)。5回戦では初めて点を取られ、芝本も負けじと点を取り返したが、1―1の相手の先取で惜敗した。また合宿を経て、急成長を遂げた吉田も5回戦の強豪帝京大の選手にカウンターを食らい1点も取ることができず、「全体的に相手が一回り上手」(吉田)と0―5で敗退。しかし以前OBから「後ろで勝負している」と言われていた吉田の自分から詰めて積極的に点を取りにいっている姿には将来への期待が高まる。また「点数を取られても取り返して勝ち進んでいけたので、そこがこれまでと違う」と吉田が話すように3、4回戦では全て相手の先取だが、巻き返して勝利を収めているところにも評価が高い。

  多くの課題が浮き彫りとなった今大会。謝のみがベスト8と前年の同大会と比べて、物足りなさを感じるものであった。塚本が1回戦敗退という痛い結果に終わり、澤入が脳振とうというアクシデントで棄権を余儀なくされたのには悔しさが残る。しかし、吉田の成長などといった収穫も大きい。全日本大学選手権(全日本)まであと1ヶ月を切った。「4年生方々は最後になってしまうので、この5人(澤入、塚本、笹野、芝本、吉田)で戦えるということをかみしめながら全力で頑張りたい」(吉田)。5人で戦う試合は次で最後となる。「下を向かずに課題が見つかったと思って、ひたすら前を向いていきたい」(芝本)。全日本では全員で笑って最後の公式戦を終えたい。ベスト8のカベを破り、悲願のベスト4へ。関東大学選手権での感動をもう一度。

(記事 江藤華、写真 萩原大勝)

結果

▽男子84キロ超級

謝 ベスト8

▽男子-67キロ級

芝本 ベスト16

吉田 ベスト16

▽女子-55キロ級

中村 ベスト16

▽女子-50キロ級

田部 ベスト16

芝本航矢(スポ2=東京・世田谷学園)

――前回の大会で、関東学生選手権は強気で大胆にいきたいとおっしゃっていましたが、試合を振り返っていかがですか

負けてしまったのでなんとも言えないのですが、ちょっと思いきりというか冷静になりすぎたというかもっと緊迫を見ているような組手をすればいいかなと思いました。

――前回から階級を1つ上げての出場でしたが、変わった点など

前回は8キロ近く落としたので、ストレスだったり体がふわふわした雰囲気があったのですが、今回は普通の自分の体重で。そういったストレスとかもなくて突きにも重さがのって、自分らしいものができたと思います。

――67キロ級の方が自分に合っているのですね

そうですね、前は8キロぐらい落としているので。

――ベスト16をどう捉えますか

全然・・・。悔しいというか、反省ばっかりなので、下を向かずに課題が見つかったと思って、ひたすら前を向いていきたいと思います。

――今回の収穫などはありますか

収穫というか、見つかった反省が収穫になるのですが、もう一度ビデオを見直して、その反省を生かした収穫にしたいと思います。

――反省点とは具体的に

相手が見るタイプというか、詰めてくるタイプに対して下がって相手のペースに合わせてしまったような組手になってしまっていたので、そこを自分の組手を持っていくような組手にしていかないといけないと思いました。

――2回戦では上段蹴り、中段蹴り、中段突きと開始30秒で勝負を決め、隙を見せずに勝利を収めました

初戦だったんで、いい動きができて良かったと思います。

――3、4回戦目でも順調に点を取り、勝利しました。振り返っていかがですか

調子的には決して悪くはなかったのですが、2、3、4回戦ぐらいは自分の組手ができて、相手に1点も取られなかったのでいい組手ができたと思いました。

――5回戦では反対に攻めたところでカウンターをくらい、点を落としたように見えました

相手が詰めてくるのに対して、相手の組手に対して、自分が攻めてしまったので、相手がきたなという感じで狙われていたというか、相手の組手のカウンターに簡単にやられてしまったのはいけないですね

――最後に全日本大学選手権への意気込みをお願いします

全日本は団体戦なので、絶対に勝利を持ってくるように一回地に足をつけてから1から取り組み、絶対に勝ちを取りにいきたいです。

吉田翔太(スポ1=埼玉・栄北)

――きょうの目標は

勝ち負けにこだわりすぎていつも通りの動きができないというのが一番駄目だと思ったので、今回は勝ち負けを気にせずに自分が練習していることをしっかり出せるように心がけて臨みました。

――ヤマ場としていたところはありますか

2回戦目から連続で強くて有名な方たちとの対戦だったので、楽なブロックではないと感じていたので、いつも通りに一個一個を大事にやっていこうと思っていました。

――きょうへ向けて特別何か対策をしてきたわけではないのでしょうか

自分自身入学したばかりで、他の人たちもデータというのが無くて、先輩たちから少し聞いてはいたんですけど、実際にみたわけではなくて対策のしようがなかったので、いつも通りにやって結果が出ればいいなと思ってやっていました。

――うまくいった部分を教えてください

いつもだったらリードされるとそのままの流れで負けてしまうケースが多かったんですけど、今回は先に点数を取られても取り返して勝ち進んでいけたので、そこがこれまでと違うところかなと思います。

――反省点はありますか

帝京大とか駒澤大、国士舘大とかの強豪校は打ち終わりの速さとか技の端々が上手で早いので、そこが今の自分と大きく違うと感じました。もっと技のつながりをよくして相手にペースを握らせないような組手をしたいと思っています。

――負けてしまった試合を振り返っていただけますか

全体的に相手が一回り上手だったという感じです。前出ても後ろでも。相手の方が試合慣れしていたのかなと思います。

――全日本への意気込みをお願いします

4年生方々は最後になってしまうので、この5人で戦えるということをかみしめながら全力で頑張りたいと思います。