応援席で人一倍声を張るリーダー。指揮台に立ち『コンバットマーチ』を振る姿は、ワセダの名物といっても過言ではないだろう。今の4年生の代は、新人時代に東京六大学春季、秋季リーグ戦(リーグ戦)共に優勝を経験している。しかしそれからはなかなか賜杯…

 応援席で人一倍声を張るリーダー。指揮台に立ち『コンバットマーチ』を振る姿は、ワセダの名物といっても過言ではないだろう。今の4年生の代は、新人時代に東京六大学春季、秋季リーグ戦(リーグ戦)共に優勝を経験している。しかしそれからはなかなか賜杯を手にすることができず、昨秋には最下位にまで転落した。それでも諦めずに声を出し続け、今季はついに優勝争いに名を連ねる。悲願の頂きへ向け、渡邊友希代表委員主将(政経4=静岡・沼津東)、小谷太郎代表委員主務(社4=神奈川・相模原)、柳澤遼輝副将(人4=埼玉・春日部)、木村太一旗手(商4=東京・国士館)、小川駿也新人監督(教4=東京・早稲田)の5人に早慶戦への意気込みを伺った。

※この取材は10月17日に行われたものです。

「一生ものの仲間が欲しい」(木村)


自身の応援の特徴を聞く木村

――応援部に入ったきっかけを教えてください

渡邊 高校時代に応援団をやっていて、その時にワセダの応援曲を結構使っていたんです。それで、ワセダの応援部のことを知っていたのですが、一番決めてになったのはオープンキャンパスで応援部のステージを見たのと、あとはYouTubeでも応援部の動画があるので、受験期とかにそういうのをよく見ていて、大学入ってもこういうことをやりたいなと思って、大学に入る前からワセダの応援部に入りたいなと思っていました。浪人して念願叶ったので、入ろうと思って入りました。

柳澤 自分も渡邊と一緒で高校時代から応援をやっていて、高校時代の先輩に慶応の応援指導部に入っていた方が3名くらいいて、その影響もあってか高校時代から、ケイオー側だったんですけど見に行っていました。ある程度その頃から少しは意識していたと思うんですけど、どうしてもケイオーに自分自身が会う気がしなくて…ケイオーのお高く留まった感じが無理でした(笑)。自他ともに「ケイオーは止めておいたほうがいい」という風になったので、 じゃあワセダしかないなと思ってワセダに入りました。ワセダに入ってからも少し続けるか悩んだんですけど、新歓期に(早大応援部に)行った瞬間に先輩に「柳澤くんだよね」と言われて…「ああ、やばい。これは入るしかないな」ということで入りました。

小川 私は中高と早稲田(高校)に通っていて、応援部の人たちがでっかい太鼓とかを持っているのをよく見ていて、なんかやばいなと思ったんですけど、私もオープンキャンパスで見に行ったときにビビっと来ました。これは格好良すぎると思って。入ったら格好良くなれるんじゃないかなと思って、入りました。

木村 一生ものの仲間が欲しいというところと、あとは目立ちたがり屋な性格なので、ビビっときて…。1つ目の一生ものの仲間が欲しいというのは、自分は中高と柔道部で寮生活を送っていたんです。仲間と切磋琢磨してやってきた中で、その仲間が一生ものの仲間で、今も自分の中で励みになっています。そういう関係を大学でも…何か一所懸命頑張れる仲間が欲しいということで、応援部に(入りました)。あとは目立ちたがり屋なので(笑)。

小谷 自分は高校時代にも応援を少しかじっていて、その一個上の先輩がケイオーの応援指導部に入っていたので、元々興味がなかったわけではないんですけど…でも正直、自分は大学に入ってから勉強もしたいと思っていたので、色々なサークルを回って新歓にも行ったんですけど、雰囲気に馴染めなくて。端っこでウーロン茶を飲んでいるような感じで、「大学生活こんな感じなのかな」と思ったときに、たまたまケイオーの先輩経由で応援部の新歓に行きました。こんな自分にも優しく接してくれて、楽しく喋ってくれて、「この団体はいい団体なんだな」と思って入ったら、翌日から地獄が始まりました。

小川 (入ったら)モテるよって言われたしね。

柳澤 他にやりたいこともなかったしな。

――お互いの応援の特徴を教えてください

渡邊 柳澤副将の応援スタイルというのは、普段は厳しくするんですけど、応援中はそれからかけ離れていて、とにかく体を張ります。学生注目のときも、この見た目からするとは思えないような奇抜な学生注目をして笑いを取りにいきますし、そういうところは、いい意味で4年生になってもリーダーらしいなと思います。副将って一番総務面で厳しい役職なんですけど、リーダー下級生のときにやっていた気持ちを、ワセダのリーダーらしい気持ちを4年生になっても忘れてなくて、学ばなければいけないなと思います。

柳澤 改めて言われると恥ずかしいですね(笑)。半分煽られているみたい。

渡邊 煽ってないよ(笑)。

柳澤 これからも頑張りたいと思います。早慶戦で一番体張って頑張りたいと思います。…やっぱり、見た目からすでにできている木村には勝てない部分が多くて、木村が出るだけで雰囲気ができあがってしまうんです。下級生も、お客さんも、「あ、木村が来た」という感じで、彼なら何かやってくれるっていうのを雰囲気から出しているし、実際にチアの踊りとかも覚えて周りを盛り上げることを常に考えている…常に…うーん。なんだか難しいな。

木村 話まとめるの下手くそすぎだろ(笑)。

柳澤 とにかく木村はすごいんですよ。下級生時代から、本当に。自分は引っ込み思案で人前に立つのも苦手なんですけど、木村は下級生時代から人前に立つのが得意で、司会もすごい上手いですし、応援における『場内』という、お客さんに絡むことも得意です。そういうところを見習わなければならないなと思ってやってきたんですけど、なかなか(自分は)なることはできず…。結局4年生になっても自分は木村みたいになることができなかったなと思うばかりです。

小川 いっぱい食べればいいんだよ(笑)。

柳澤 木村は本当に、目立つべくして生まれてきたような存在です。

木村 小川の応援の特徴は、とにかく口が上手いです。

渡邊 上手いわー、確かに。

木村 応援だけじゃなく、司会でも口が上手くて、言葉いじりであったり、球場の学生注目とかでも、他の4人が思いつかないようなことをペラペラと喋って…しかも小川は、それを前もって準備するわけではなくて、その直前に考えてできるという頭のキレの良さがあります。そこは本当に、普段は言わないんですけど(笑)、尊敬しています。

小川 いや、言えよ。普段から言えよ(笑)。

一同 (笑)。

木村 (小川は)老け顔なんですけど、老け顔でありながらも結構明るく…。

小川 老け顔関係なくない?

木村 お客さんの親身になって立っていますね。あとは太鼓の音が、この代の中でもトップレベルに大きいです。

小川 太鼓は上手い自信があります(笑)。

一同 (笑)。

小川 私は老け顔なんですけど、小谷は逆に童顔なんですよ。いい意味でリーダーっぽくないというか、可愛いというか。そういうところがお客さんのウケがいいです。おばさまやおじさまから人気があるような感じがします。でも可愛いんですけど、実際に応援曲とかになると顔つきもぱりっと変わって、特に『コンバットバーチ』とかは一番上手いと思います。あとはすごくこだわりを持ってテクを振っています。よくアレンジを加えるんですよ。アレンジが曲によって自分なりにどんどん変えてやっているのがかっこいいなと思います。あとは主務や広報の責任者であったりで、応援部を裏で支える影の支配者という感じです。応援中もときには写真撮影だとか、マネージメント面もしっかりと考えられる、冷静かつ情熱的な男だと思います。

渡邊 情熱的ってどこから出てきたんだよ(笑)。

柳澤 今までの話に情熱的な部分なかったぞ(笑)。

小川 最初(テク)の話。本当だよ?

小谷 思ってなさそう…(笑)。ああ、私の番か。

渡邊 何でも言いなさい。

小谷 渡邊を形容するって難しいな。とにかく、この4人の中で一番パッションがあります。普通に話しているんですけど、それだけで面白いんです。自分からすると、それはすごく羨ましいです。

木村 渡邊は煽りが上手いよね。他大のネタを煽るような学生注目とか…例えば偏差値ネタとか、就活ネタとか、受験ネタとか。それを真顔で喋るっていうのが面白いですね。

小谷 そうですね。パッションがあって、何喋っても面白くて、なおかつちゃんと冷静なところは冷静で、応援の組み立てとかもちゃんと考えながらやっているというのが、自分としては彼のすごいところかなと思います。