埼玉・妻沼滑空場で10月9日〜14日の6日間にかけて、第34回関東学生競技会が行われた。全日本学生選手権(全国大会)の予選となる今大会。早大からはASK21(WM)の機体で5人が出場した。優勝を目指して気合い十分で臨むも、青学大にあと一歩…

 埼玉・妻沼滑空場で10月9日〜14日の6日間にかけて、第34回関東学生競技会が行われた。全日本学生選手権(全国大会)の予選となる今大会。早大からはASK21(WM)の機体で5人が出場した。優勝を目指して気合い十分で臨むも、青学大にあと一歩届かず。団体2位で大会を終え、関東地区代表として他の9大学とともに全国大会への出場を決めた。個人では村松卓(政経4=千葉・渋谷幕張)が2位入賞と躍動した。

 大会を通じて飛行ができる日数は限られていると見られていた。しかし結果的に「天気予報があてにならなかった」(村松)ため、ノーコンテストになった日は1日だけ。後半の天気を期待していなかった分、前半は「今日がラストチャンスかもしれない」(豊嶋光、国教4=神奈川・横浜商業)といつも以上に気合を入れて臨んだ。その意識が結実したのか、早大は初日に村松が3つ全てのポイントを回る1周回、豊嶋が1ポイントをそれぞれ得点。団体1位でスタートを切ることに成功した。翌日の競技2日目にも村松が周回を決めるが、青学大が速いタイムや少ない減点などでそれを上回る得点を獲得し、逆転されてしまう。


早大からは5人が出場

 3日目は天候不順でノーコンテストとなり迎えた大会4日目。小雨が降り、競技開始時間を送らせてからのスタートとなった。首位青学大を追う2位の早大は、再び首位奪還することを選手とクルーが一致団結して目指すが、なかなか得点することができない。結局その日は全大学が無得点で終わってしまう。続く5日目、6日目も十分な条件が出ず、大会全体で得点を重ねることはできず、早大はそのまま団体2位で大会を終えた。


他大の選手と1週間寝食を共にして大会が行われた

 なかなか条件の揃わない天候や機体の性能の差に苦しめられながらも、底力で健闘を見せた。個人2位で団体結果に大きく貢献した村松は「自分がもう少しいい成績を残していたら団体優勝もできた」と振り返り、今回の結果には決して甘んじていない。それと同時に、「初日の結果が良かったことはとても良かった」と豊嶋が語るように、初日に好スタートを切ることが早大航空部全体の士気が高め、結果にも良い影響をもたらす、ということを発見することもできた。昨年の全国大会は団体2位だったことから、今年こそは「優勝以外気にせず」(村松)と意気込む。今大会で明らかになった課題を克服し、また収穫を生かすことが悲願の優勝達成への絶対条件となるだろう。これまでの訓練の成果を存分に出し切り、他を圧倒する飛行に期待したい。

(記事 村上萌々子、写真 関飛人)

結果

▽団体 早大 1997点 2位

▽個人 村松 1716点 2位

※得点は上位入賞者のみ

コメント

村松卓(政経4=千葉・渋谷幕張)

――今大会どのような意気込みで臨みましたか

前の大会で結構いけそうだなと思ったので、優勝するという気持ちで臨みました。

――大会を通じた天候面はいかがでしたか

天候面は、今大会天気予報があてにならなかったです。今日が正念場だという日が毎日続いていました。非常に疲れましたね。

――団体2位という結果についてはどうお考えですか

機体の性能の差と運もあるのですが、もう少し層が厚かったらそこを跳ね返すことができたのかなと思います。そこは紙一重の差だったと思います。

――優勝した青学大との差はどこにあったとお考えですか

青学大の機体は性能が良くて、同じコンディションの中で回っても早く回ることができるという、そこが1つの要因だったかなと思います。

――個人2位という結果についてはいかがですか

緊張はしないように回ってきたタイミングでチームのために得点しようということを第1にして飛んでいました。なので、個人2位という形で貢献はできたのかなと思います。あとは、自分がもう少しいい成績を残していたら団体優勝もできたのかなと思うので、もっと上手くなりたいなと思いました。

――ご自身のフライトで感じたことや課題はありますか

前の大会よりは着実に上手くなっているかなとは思うのですが、機体の性能を跳ね返せるだけの技量はまだないので、この後の全国大会も同じ機体で出場するので、性能の差は関係ないということを証明したいです。

――今大会で得た個人やチームの収穫は何ですか

全国大会に向けて弾みがついたかなと思います。

――全日本への意気込みをお願いします

優勝ですね。着実にチームとしても個人としても成績上がって来ているので、優勝以外気にせず、優勝に向かって集中していきたいと思います。

豊嶋光(国教4=神奈川・横浜商業)

――今大会どのような意気込みで臨みましたか

僕は、この大会を安全に終わらせるということを意識して臨みました。またそれと同時に関東大会優勝したいという感じで緊張感を持っていました。

――大会を通じた天候面はいかがでしたか

初日から金曜日曜は雨の予報が出ていたのですが、今日勝たなくては負けてしまうという気持ちもあったので、毎日朝出るたびに今日がラストチャンスかもしれないという話をしていました。天候が安定しない中でも、初日と2日目に良い結果でスタートできたので良かったなと思います。

――団体2位という結果についてはどうお考えですか

初日のスタートがうまくいってワセダが1位ということで、それでチームが1つになって、これはもしかしたら優勝狙えるのかなと思ったので、ワセダ全体としても元気が出て大会中も結構盛り上がって、良い感じで大会を終えられたのかなと思います。出来れば優勝したかったです。

――個人の結果についてはいかがですか

青学大が上で回っている時に、24キロの周回を決められてしまって、その間僕は1ポイントという結果に終わってしまいました。そこで1周できていれば結果的に団体優勝もできていたと思うので、もう少し気合いと技量を高めていきたいと思います。

――ご自身のフライトで感じたことや課題はありますか

大会はいろんな大学が同じ時間帯に飛んでいるので、それぞれの選手の飛び方を観察していれば、もっといい成績が残せたと思うので、周りを見て飛ぶということが今後の課題かなと思います。

――今大会で得た個人やチームの収穫は何ですか

初日を1位という成績で終えられたので、部員やクルーの応援してくれる気持ちが高まったのでよかったです。もし、初日が最下位で終わっていれば、強くないなと思われてしまうので、この初日の結果が良かったことはとても良かったです。

――全日本への意気込みをお願いします

僕ももちろん優勝目指して頑張りたいと思います。優勝すれば、チームのメンバーや後輩の励みにもなると思うので、チームのためにも頑張りたいと思います。