イギリス・ロンドンで開催されている「ウィンブルドン」(6月27日~7月10日)の第8日。 女子シングルス準々決勝で、過去5度の優勝を遂げている第8シードのビーナス・ウイリアムズ(アメリカ)がヤロスラーワ・シュウェドワ(カザフスタン)を7…

 イギリス・ロンドンで開催されている「ウィンブルドン」(6月27日~7月10日)の第8日。

 女子シングルス準々決勝で、過去5度の優勝を遂げている第8シードのビーナス・ウイリアムズ(アメリカ)がヤロスラーワ・シュウェドワ(カザフスタン)を7-6(5) 6-2で破り、グランドスラムで6年ぶりの準決勝に駒を進めた。  36歳にしてふたたびタイトル獲得を目指しているビーナスが、最後にウィンブルドンの準決勝でプレーしたのは2009年で、グランドスラム全体でも2010年の全米オープンまで遡る。

 「私はテニスをプレーするのが大好き。これまでもいつもそうだったわ」とビーナス。「試合に勝っているときには、それはいっそう素晴らしいものになる。そのことについて嘘はつけないわね」。  タイブレークで2-5とリードを奪われながら、ビーナスはそこから5ポイントを連取して第1セットを取り、その後は、ことはスムーズに進んだ。彼女は今、2009年以来のウィンブルドン決勝まで、あと一勝というところまできた。当時の決勝でビーナスは、妹のセレナに敗れたのだった。

 「勝利や敗北は皆、こういった重要な瞬間につながっている。常に重要な瞬間を手にすることはできないけど、セレナ・ウイリアムズの場合、それはより頻繁に起きているんでしょうね。でもとにかく、ビーナス・ウイリアムズとして、今日は本当に素晴らしい日よ」。  ビーナスは次の準決勝で、今季の全豪オープン覇者で第4シードのアンジェリック・ケルバー(ドイツ)と対戦する。ケルバーはセンターコートの第1試合で、世界5位で第5シードのシモナ・ハレプ(ルーマニア)を7-5 7-6(2)で退けた。守備能力の高い者同士の戦いとなったこの試合では、13度もサービスブレークがあり、第1セットはそれが8ゲーム連続で起こった。  トップシードのセレナはその間、 第21シードのアナスタシア・パブリウチェンコワ(ロシア)と準々決勝を戦っていた。セレナは6-4 6-4で勝ち、準決勝でエレナ・ベスニナ(ロシア)と対戦する。ベスニナは準々決勝で第19シードのドミニカ・チブルコバ(スロバキア)を6-2 6-2で倒した。幸いにもウイリアムス姉妹はドローの上下に分かれているため、決勝にいきつくまでは対戦する必要がない。  トップレベルの女子選手の中で最年長のビーナスは、この19回目のウィンブルドンで目覚ましい復活をやってのけた。彼女は準々決勝の時点ですでに、1994年に37歳でこの段階に至ったマルチナ・ナブラチロワ(アメリカ)に次いで最年長の選手だった。  ビーナスは2000年に彼女にとって初のウィンブルドン・タイトルを獲得し、2001、2005、2007、2008年にも優勝を遂げた。それから、2009年には決勝に、2010年には準々決勝に進んだが、それ以降は関節痛や体力の減退などを引き起こすシェーグレン症候群のため、パフォーマンスにも歯止めがかかり、勝ち残るのに苦労するようになっていた。  3度目のグランドスラム準々決勝に挑戦した世界96位のシュウェドワは、第1セット4-5からのサービスゲームでは、フォアハンドのウィナーでセットポイントをしのぎ、それからターブレーク5-2までリードしたが、ビーナスが主導権を取り戻して盛り返す中、立ち往生してしまった。  「すごくタフな日だったわ。第1セットはチャンスがあると感じたけど、それから彼女がすごくいいプレーをし始めた」とビーナス。「タイブレークでも、彼女が勝つように見えていたけれど、なんとかセットを取って抜け出すことができた。すごく乗っている相手に対する、なんともすごい日だったわ」と続けた。  ビーナスとケルバーの過去の対戦成績は、ケルバーが3勝2敗とリードしているが、2014年以降はプレーしていない。2012年のロンドン五輪で対戦したときはケルバーがストレートで勝っていた。  「彼女と私は多くの素晴らしい試合をしてきたわ。このところ当たっていないけれど」とビーナス。「彼女はまたもグランドスラムで目覚ましい成績をおさめ、明らかに今年、素晴らしい年を送っている。でも、私も決勝に進めたらいいと思っているわ。今日もまた、そこに一歩近づいた」。(C)AP