イギリス・ロンドンで開催されている「ウィンブルドン」(6月27日~7月10日)の第7日。  初戦から1セットも落とさず準々決勝に駒を進めた第3シードのロジャー・フェデラー(スイス)は、8度目のウィンブルドン・タイトルを目指し、…

 イギリス・ロンドンで開催されている「ウィンブルドン」(6月27日~7月10日)の第7日。  初戦から1セットも落とさず準々決勝に駒を進めた第3シードのロジャー・フェデラー(スイス)は、8度目のウィンブルドン・タイトルを目指し、ことを簡単そうに済ませている。

 大会第7日に行われた4回戦で、世界ランキング29位のスティーブ・ジョンソン(アメリカ)を6-2 6-3 7-5で倒したフェデラーはウィンブルドンで14度目の準々決勝に進み、ジミー・コナーズ(アメリカ)が持つオープン化以降の最多記録に並んだ。

 2日の休みをとったあと、見るからに活力に満ち、好調な様子のフェデラーはジョンソンのサービスを5度ブレークした97分のこの試合を通して常に主導権を握り続けた。  しかし、「スコアが見せるほど簡単な試合ではなかった」とフェデラーは言う。

 この試合の前の3回戦が屋根付きのセンターコートで行われたフェデラーは、スケジュール通りに金曜日に試合を終えることができた。雨に見舞われ、大会側が一週目の遅れを取り戻すことに躍起になっていた週末に、しっかりと休みをとることができた数少ない選手のひとりだった。  「最初の4試合をすべてストレートで勝つなんて考えてもいなかった。だからすごくうれしく思うよ」とフェデラー。「試合はタフなものだから、試合と試合の間に休みがあることは歓迎だ」。  この日の勝利でフェデラーはグランドスラムで306勝目を記録し、48度目の準々決勝に進んだ。彼はあと3試合に勝つことができれば、ウィンブルドンで8度目の優勝を果たした最初のプレーヤーになることができる。フェデラーは現在、7度優勝しており、ピート・サンプラス、(サンプラス)、ウィリアム・レンショー(イギリス)と並んでいる。  「最初の週に負けるということは、常に起こり得ることだ」とフェデラー。「だから、最初の週には多くのことを正しくやったんだ。今からはそれだけではなく、自分のベストのテニスをし始めたい…いや、そうしなければならないんだ」と続けた。  フェデラーは準々決勝で第9シードのマリン・チリッチ(クロアチア)と対戦する。チリッチは4回戦で第5シードの錦織圭(日清食品)と対戦し、6-1 5-1とリードしたところで錦織が脇腹の故障を理由に棄権したため、わずか44分で勝ち上がった。  チリッチは、2014年の全米オープンの準決勝でフェデラーを破り、さらに決勝で錦織を破って自身初のグランドスラム優勝を果たした。

 「次はチリッチが待ち受けている。彼には数年前の全米オープンで、ひどい目に遭わされた。だから今回は雪辱を果たせるよう願うよ」とフェデラー。  初めてグランドスラムの準々決勝に進出したのは、3回戦で第1シードのノバク・ジョコビッチ(セルビア)を倒した第28シードのサム・クエリー(アメリカ)だ。クエリーは4回戦でニコラ・マウ(フランス)を6-4 7-6(5) 6-4のストレートで下した。  クエリーは、2011年のマーディ・フィッシュ以来となるウィンブルドン準々決勝に進出したアメリカ人選手となった。実は、2011年全米オープンのアンディ・ロディックとジョン・イズナー以来、どのグランドスラム大会においても、アメリカ人男子選手は準々決勝まで勝ち進んでいなかった。(C)AP