『ワセダバレー』が帰ってきた。敗戦から2週間。苦しい状況の中で必死にチームを立て直してきた早大はきょう、順大と対戦した。第1セット序盤にリードを奪われるも、順大のクイックを武藤鉄也(スポ3=東京・東亜学園)が1枚でブロックすると勢いに乗り…

 『ワセダバレー』が帰ってきた。敗戦から2週間。苦しい状況の中で必死にチームを立て直してきた早大はきょう、順大と対戦した。第1セット序盤にリードを奪われるも、順大のクイックを武藤鉄也(スポ3=東京・東亜学園)が1枚でブロックすると勢いに乗り、逆転で先取する。第2セット以降はサーブから積極的に攻めの姿勢を見せ、終始主導権を渡さない。どのセットも宮下諒大(社4=東京・早実)のサーブから終盤に価値のあるブレークポイントを何度も勝ち取り、セットカウント3-0(25-23、25-22、25-21)でストレート勝利を収めた。

 第1セット序盤から復調の兆しは見えていた。宮浦健人(スポ2=熊本・鎮西)がライトから角度のあるスパイクを2連続で沈めると、コート内もベンチも宮浦を鼓舞する大きな声が響いた。レシーブの連係ミスや被ブロックなどで連続失点する場面は見られたものの、決して慌てない。6-10と4点差まで広げられたところでタイムアウトを要求して巻き返しを図ると、流れを変えたのは藤中優斗主将(スポ4=山口・宇部商)のスパイクポイントと武藤のブロックポイントだ。藤中がブロックアウトでサイドアウトを切ると、続いて武藤が順大のクイックを1枚でシャットアウト。このプレーで突破口を見出すと、早大はその後も村山豪(スポ2=東京・駿台学園)、宮浦の得点や相手のミスで連続得点を重ねてついに18-17と逆転に成功。ピンチサーバー宮下を投入し、最後の突き放しにかかる。鵜野幸也(スポ4=東京・早実)のブロックで差を広げ22-20とすると、最後は大きく伸びた相手のサーブを見送り25-23。9月の課題として頻繁に挙がっていた第1セットを先取することに成功した。


宮浦のスパイクは相手ブロックも弾き飛ばす

 第2、第3セットは粘りの光るセットとなった。宮浦、小林光輝副将(スポ4=長野・創造学園)のサービスエースで9-5と差を広げると、コートに立つメンバーもベンチメンバーも一緒に盛り上がり、一体感を見せた。このセットも宮下のサーブからブレークし、25-22で勝ち取った。第3セットはスタート直後に3連続失点で0-3からの立ち上がりとなったが、藤中や村本涼平(法3=京都・洛南)の好レシーブですぐさま8-6と逆転に成功する。武藤や村山のセンター線、そしてパイプ攻撃がしっかり決まり、18-12と大幅にリード。落ちたと思われたスパイクも藤中や鵜野が体を反らせながら手を伸ばして繋ぎ、得点に結びつけていく。最後は宮浦が強烈なクロススパイクを順大コートに叩きつけてゲームセット。久々のストレート勝利で、あすに向けて弾みのつく結果となった。


サーブを打つ宮下

 ミーティングや基礎練習を重ね、敗戦に真摯に向き合った早大。その成果は随所に見て取れた。雰囲気の良さ、そして何度でもボールを繋ごうとする姿はとても頼もしい。このチームでやる試合も数えるほどとなってきた。あすの中大戦、そして最終日の筑波大戦でも早大らしさを発揮できるような、思い切ったプレーに期待したい。

(記事、写真 松谷果林)

 

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セットカウント
早大25-23
25-22
25-21
順大
スタメン
レフト 藤中優斗(スポ4=山口・宇部商)
レフト 鵜野幸也(スポ4=東京・早実)
センター 武藤鉄也(スポ3=東京・東亜学園)
センター 村山豪(スポ2=東京・駿台学園)
ライト 宮浦健人(スポ2=熊本・鎮西)
セッター 小林光輝(スポ4=長野・創造学園)
リベロ 村本涼平(法3=京都・洛南)
コメント

藤中優斗(スポ4=山口・宇部商)

――きょうの試合はいかがでしたか

先々週に負けてしまって、先週の練習は雰囲気も悪かったです。先々週の負けからどうしたら良いか分からない状況でがむしゃらに、というかぶつかりながらやってきました。なかなか切り替えられない部分や、正直不安もありましたが、3-0で勝てたことは良かったかなと思っています。まだまだ課題ばっかりですが、形としては良かったです。

――試合がない2週間について

もう1回基礎に立ち返ることを繰り返し行いましたし、先週はゲーム形式の練習も行いました。4年生を中心に雰囲気づくりについて何度もミーティングを重ねて話し合いました。

――雰囲気づくりのお話がありましたが、きょうは良い雰囲気だったのではないでしょうか

1人1人が「雰囲気をよくしよう」と心がけてくれましたし、後輩もよく声を出してくれました。やりやすかったですし、助けられました。

――あすに向けての修正点は

雰囲気を作ることももちろん大切ですが、1本1本丁寧にプレーすること、そして試合の中で基礎的な部分ややってきたことを思い切って出せるように、後悔しないようにやっていければと思っています。

宮下諒大(社4=東京・早実)

――きょうの試合はいかがでしたか

前々からずっと課題としてあった雰囲気というところが大きく改善できたかなと思います。今日は宮浦(健人、スポ2=熊本・鎮西)がコートの中で笑顔で走り回ってくれたので、それがチームの雰囲気が上がった1つの要因かなと思っています。

――この2週間はどのようなことに取り組みましたか

まずやっぱり負けたのがすごく久々だったので、そこの反省点やチームとして悪い部分を最初の1週間でしっかり洗い出して、その後は基礎をもう少し突き詰めるという形でやってきました。そこからゲーム形式の練習を取り入れて試合に臨みました。

――ご自身のプレーを振り返って

僕のプレーが良かったという感じではなかったかなと思っています。コート内のメンバーがすごくいい雰囲気でやってくれたので、僕もその雰囲気に乗っかるという形で。こっち(早大)の動きがすごく良かったので、自分のサーブをリベロ以外の選手に取らせれば、しっかり点に繋げてくれました。すごくやりやすくて、助かりました。

――逆にきょうの修正点を挙げるとすればどのようなところでしょうか

点を取られている時は、相手にやられているというよりかは自分たちの詰めの甘さによるミスで点を与えてしまっているというイメージが少し強いです。これから全カレ(全日本大学選手権)に向けて取るべきところはしっかり取っていくということを徹底して、ミスによる失点を少なくしていくことが課題かなと思っています。

――あすに向けて

ここから1セットも落とせない試合が続きます。しっかりと対策を練ってあすも勝ち切りたいです!