秋季関東大学リーグ戦(秋季リーグ戦)もいよいよ順位決定戦。上位一位として会場の山梨へ乗り込んだ早大は、上位四位の敬愛大と対戦した。試合は早大のセンターラインが敬愛大のカベに阻まれる苦しい展開となる。互角の展開で1セットずつを分け合い、迎え…

 秋季関東大学リーグ戦(秋季リーグ戦)もいよいよ順位決定戦。上位一位として会場の山梨へ乗り込んだ早大は、上位四位の敬愛大と対戦した。試合は早大のセンターラインが敬愛大のカベに阻まれる苦しい展開となる。互角の展開で1セットずつを分け合い、迎えた第3セット。敬愛大の粘りからなかなか得点を奪うことができない。劣勢の状況の中で終盤へ突入するも、自陣にミスが噴出しこのセットを落とすと、絶対に落としてはならない第4セットでも主導権を握ることができず万事休す。セットカウント1−3(21−25、25−21、17−25、22−25)。今秋掲げた「全勝優勝」の目標がついえる秋季リーグ戦初の黒星を喫した。

 第1セット、早大の滑り出しは快調だった。富澤結花(スポ3=東京・文京学院大女)のスパイクで先制すると4連続得点を奪う。このまま早大ペースでいくかと思われた矢先、敬愛大にサービスエースを決められると徐々に勢いを失う。「すごく研究して攻めてきました」と森佳央理(スポ4=群馬・高崎女)が振り返るようにセンターラインを封じられ、苦しい展開をしいられる。井上裕利恵(スポ2=岡山・就実)の思い切りのいいスパイクで反撃するも、随所で敬愛大のブロックに追撃を阻止され第1セットを落とした。続く第2セットでも富澤のスパイクが猛威を振るい、幸先の良いスタートを切る。中盤に敬愛大のフェイントを効果的に用いた揺さぶりで追いつかれ、拮抗(きっこう)した試合展開になるものの森、斎藤友里(社1=千葉・敬愛学園)のブロックが決まり一気に勢いは加速。これまで勝利の要因となっていた安定した守備からリズムを作り、第2セットを奪い返す。


思い切りの良いスパイクが目立った井上

 しかし第3セット、敬愛大の勢いに飲まれた。これまで安定していた入りから連続得点を許し、序盤から追う展開となる。早大はピンチサーバー梨本未央(社2=東京・駒場)のサーブからリズムを作り、反撃の兆しを見せたものの、ブロックフォローがあまり機能せず、いつもの粘りでつなぐことができない。終始敬愛大ペースで試合は進む中、終盤にはミスも生じ第3セットも落とし窮地に立たされる。全員で掲げた「全勝優勝」に向け絶対に落とすことができない第4セット。意地と意地とがぶつかりシーソーゲームで試合は進む。しかし、またも敬愛大の粘りから突如崩れ6連続失点。なんとか巻き返したい早大は、秋季リーグ戦初出場となる池田華(社2=韓国・ヨンサンインターナショナルスクール)や利根川智緩(スポ3=埼玉・星野)を投入し、コート内の空気一新を図るもこのセットでも粘り切れない。植松知里(文構2=香川・高松第一)や富澤らの痛烈なスパイクが決まるなど光るプレーは随所に見られたものの、一度勢い付いた敬愛大を止められるには至らず22―25で試合終了。今秋初の黒星を喫した。


橋本の精度の高いトスワーク

 初の黒星は最も警戒してきた敬愛大に喫した一敗だった。試合の中では、攻撃の幅の広がりや梨本をはじめとしたピンチサーバー陣が自分の役割をしっかりと果たすなど、収穫はもちろんある。技術的な面で着実に成長を続けているチームにとって、この試合で上がった一番の課題は気持ちだろう。「私たちが受け身になってしまった。」この森の言葉がきょうの試合を物語る。この秋季リーグ戦で馬場監督(平8人卒)がよくコート上の選手に向け放っている「守るな、攻めろ」という檄(げき)。チームとして守りに入ったその瞬間、気持ちが受け身に変わり、入替戦に向け鼻息荒い相手チームにつけ入れられてしまう。まずはあした、もう一度挑戦者としてどのように試合に入れるか。あすの大東大戦が今後の早大の明暗を握る。

(記事 遠藤伶 写真 田中琴雪、林夏帆)

セットカウント
早大25-20
25-19
26-24
25-20
敬愛大
スタメン
レフト 富澤結花(スポ3=東京・文京学院大女)
レフト 植松知里(文構2=香川・高松第一)
センター 森佳央理(スポ4=群馬・高崎女)
センター 斎藤友里(スポ1=千葉・敬愛学園)
ライト 井上裕利恵(スポ2=岡山・就実)
セッター 橋本美久(社1=福島・郡山女大附)
リベロ 河治えみり(社2=北海道・旭川実業)
コメント

森佳央理主将(スポ4=群馬・高崎女)

――きょうの試合を振り返っていただけますか

きょうは総当たり戦が終わって、順位決定戦の3戦のうちの1戦目だったんですけど、私たちは全勝優勝を目標に掲げていて、想像以上に相手の勢いがすごくて、その勢いに対して私たちが受け身になってしまったまま4セットいってしまったかなと思います。

――敬愛大の勢い、粘りに対して早大として意識されたことはありますか

敬愛大は一回やっている相手なので、自分たちのバレーをしようと心がけていて、1戦目やってみて相手が打ってくるスパイクに対してのブロックの位置どりだったり、ディグの位置の確認はしたんですけど、相手は自分たちの弱いローテやレシーブフォーメーションに対して弱い部分をすごく研究して攻めてきました。自分たちは、サーブの攻める場所とブロックの位置とディグの位置の関係は修正しました。あとは自分たちの攻撃パターンを増やそうっていうのは相手関係なくしています。

――攻撃面では、連携の精度が上がってきているように見えました

攻撃面では、私を含めてセンター線がなかなか決まらなくて、レフト方向を中心とした淡白な攻撃になってしまったところでもっとコンビ組むことができればよかったんですけど、キャッチが決まらなかったり、二段トスになってしまって相手にいい流れで決められてしまう場面が多かったかなと思います。そうなった時にもう一度センターに呼び戻せるように声を出したり、レフトだったらブロックフォローにしっかり入るであったりとかそういうところをしっかりやっていかないといけないなと思います。

――来週に向けての抱負をお願いします

全勝優勝を掲げてやってきた分悔しさは非常に残るんですけど、この気持ちをあしたに引きずらないであしたと来週と二戦勝ち切って入替戦に臨めるように、きょうの過ごし方が本当に大事だと思うので、もう一回チームで話し合っていきたいと思います。

井上裕利恵(スポ2=岡山・就実)

――きょうの試合についてどう思われますか

なかなか自分たちの流れで出来ずに相手の勢いに最後まで押されっぱなしだったと思います。

―上位4校での順位決定戦となりました。どのような気持ちで試合に臨まれましたか

落とせない試合でもありましたし、相手も早稲田のデータを取って勝とうとしてくると思っていたので自分たちもそれに負けずに出だしなどをしっかりして、勢いに乗っていかないといけないと思っていました。

――間に落ちるボールへの対応が最後まで詰め切れなかった印象を受けました。それについてはどのように思いますか

私たちのチームは打つ人が限られているので相手はその人をしっかりマークしてくるので明日からの試合はバックの拾う人がセッターを含めてブロックフォローをしっかり入ることを全員で確認していこうと思いました。

――センターからのスパイクの成功率が高かったのですが、ご自身のプレーを振り返ってみてどう思われますか

最近練習でも回って打つことを練習していますし、サイドにブロックがついてしまうのでセンターにあまりブロックがつかないことも多いです。でもまっすぐ打つとボールを広めちゃうのでひねることを意識していたので試合でもできたので良かったと思います。

――あしたも負けられない試合が続きますが、明日への意気込みお願いします

きょうの試合はしっかり反省して、切り替えてあしたの試合は絶対勝てるように出だしから勢いよく頑張って行きたいと思います。

橋本美久(社1=福島・郡山女大附)

――きょうの試合振り返っていかがですか

きょうの試合は、1セット目から相手にやりたいことをやらせてばっかりで、自分たちのやるべき事がちゃんと出来てなかったので、こういう結果になってしまったのではないかと思います

――きょうの試合は上位4校の順位決定戦でしたが、どのような気持ちで臨まれましたか

全勝優勝をずっと掲げてきたので、絶対勝つという気持ちで臨みました。

――特に序盤で攻撃が相手のブロックに阻まれるシーンが多く見られたと思いますが、どのようなパスワークを意識されていましたか

1人に集中してしまうとブロックに止められてしまうので、振り分けなくてはいけないなと思っていたのですが、1点取るにはエースにやっぱり集まってしまい止められてしまったなという感じです。

――リーグを通して見ると、ライトとレフトへのパスワークの精度が上がっている印象を受けていますが、どのように感じていますか

自分ではそんなに上がったとは思っていなかったですが、大きい人がセンターにいるなかでセンターに上げ続けていたのが、試合中に色々な人に打たせないと試合もいい展開に回ってこないので、レフトやライトにいっぱい上げようと意識していたのが、そのように見えたのではないかと思います。

――あしたへの意気込みを教えてください

本当に負けられないので、あしたは全員で絶対に勝ちに行きたいと思います。