【短期連載】鈴鹿F1日本グランプリ30回記念企画 いよいよ開幕が迫った2018年のF1日本GP。今年で30回目の開催となる鈴鹿サーキットはシリーズ屈指の高速コースで、世界最高峰の走りを間近で観戦できるスポットが非常に多い。 やはり今年注…

【短期連載】鈴鹿F1日本グランプリ30回記念企画

 いよいよ開幕が迫った2018年のF1日本GP。今年で30回目の開催となる鈴鹿サーキットはシリーズ屈指の高速コースで、世界最高峰の走りを間近で観戦できるスポットが非常に多い。

 やはり今年注目したいのは、さらに迫力の増したコーナリングスピードだろう。

F1日本GP「伝説の瞬間」(1)から読む>>>



コーナリングスピードの増したF1マシンを間近で観られる

F1日本GP「伝説の瞬間」(9)@観戦ポイント編

 鈴鹿サーキットのコースレコードを見てみよう。1991年、ゲルハルト・ベルガー(マクラーレン)が1分34秒700の歴代最速タイムを記録。その後、マシン開発の目覚ましい進歩によって、2006年にはミハエル・シューマッハ(フェラーリ)が予選Q2で1分28秒954というタイムを叩き出した。

 ところが翌年、レギュレーションの改定でスピードが若干抑制されることになり、以降は1分30秒を切るラップタイムが出なくなった。しかし、2017年からコーナリングスピードが大幅に向上するレギュレーションに変更されたことにより、各サーキットで軒並みコースレコードが連発。鈴鹿でもルイス・ハミルトンが1分27秒319をマークし、11年ぶりにコースレコードが更新された。

 今年はさらにF1マシンのスピードが上がっており、条件が整えば1分25秒台という驚異的なタイムが記録されるのではないか、とも噂されている。そうなると、直線でのスピードはもちろんのこと、各コーナーでのスピードも鈴鹿史上最速の走りが観られるのだ。

 その異次元の速さを間近で体感できる鳥肌スポットは、コース前半の東コースだろう。とくに2コーナーの【B席】は目の前の1~2コーナーだけでなく、その後のS字区間も見渡せる人気スポットだ。

 また、多くのF1ドライバーが「挑戦しがいがあるコーナー」として挙げるS字区間を一望できる【D-5席】も注目したい。以前と比べ物にならないほど迫力ある走りが観られることは間違いないだろう。

 もちろん、これら以外にも各所に人気ポイントは数多くある。そんな鈴鹿サーキットの「穴場スポット」を紹介しよう。

【C席】
 1コーナー~2コーナー~S字にかけて見渡すことができる。第1回の鈴鹿F1日本GPから存在する観戦席だ。鈴鹿サーキットを攻略するうえで「もっとも重要」と言われている2コーナーからS字コーナーにかけての走りを観られるため、ドライバーの限界ギリギリのアタックシーンを楽しむことができる。

 今年はC席内に「トロロッソ・ホンダ応援席」が設けられている。ホンダファンが集結するエリアなので、トロロッソが通過するたびに盛り上がること必至だ。

【E席】
 東コースのなかで一番上り勾配がきついダンロップコーナー。それを目の前に観られるのがE席だ。ここは【E-2】【E-1】とふたつのエリアに分かれており、チケット料金も異なる。E-2席はスタンド裏の広場から見て手前側に入り口があり、比較的アクセスがしやすい。さらにスタンド前には大型ビジョンが設置され、公式映像でレース全体の展開も把握できるようになっている。

 そして何といっても、コースの難所のひとつである逆バンクコーナーの出口からダンロップコーナーに向けての走りが間近で観られる。時速200km近く出ている区間なので、その衝撃はすさまじい。

 一方、E-1席は1990年代、自由席エリアとして人気を博した場所だ。現在はベンチシートになり、観戦環境も整えられている。セナ・プロ対決をダンロップコーナーの自由席から観戦していたファンにとっては、懐かしい光景に再会できるだろう。

 E席の最大の魅力は、グランドスタンド裏のイベント広場「GPスクエア」からアクセスしやすい点と、スタンド近くに「逆バンクオアシス」という大型休憩スペースがあるため、B級グルメが集まる屋台村で大いに賑わっている点だ。レース観戦だけでなく、食事も楽しみたい方にはオススメしたい。

【R席】
 こちらも「GPスクエア」から比較的アクセスがしやすい最終コーナーの観戦席。ここは遠目に日立オートモティブシステムズシケインを観ることができるため、白熱した追い抜き合戦も味わえる。シケインの出口からアクセル全開で駆け下ってくるマシンの姿は圧巻だ。

 また、スタートシーンを後ろ側から観戦することができ、座席によってはピット作業のシーンを観ることも可能。さまざまな楽しみ方のできる穴場スポットとして、ここで観戦するというファンは少なくない。

 F1の迫力あるスピード感は、やはり現地観戦でしか味わえないだろう。世界最高の走りを、ぜひとも鈴鹿サーキットでその目に焼きつけてほしい。