先日行われた関東大学秋季リーグ戦(秋季リーグ)で全敗を喫した女子。この日は1部の座を争い2部で優勝を飾った青学大との試合に臨んだ。秋季リーグで欠場していたチームの主力、吾妻咲弥(スポ2=福島・富岡)と鈴木ゆうき(社1=宮城・聖ウルスラ学院…

 先日行われた関東大学秋季リーグ戦(秋季リーグ)で全敗を喫した女子。この日は1部の座を争い2部で優勝を飾った青学大との試合に臨んだ。秋季リーグで欠場していたチームの主力、吾妻咲弥(スポ2=福島・富岡)と鈴木ゆうき(社1=宮城・聖ウルスラ学院英知)の二人が復帰し快勝することが予想された。しかし一部昇格を目指して鍛錬を積んできた青学大はそう容易な相手ではなく、試合は5時間にも及ぶ大接戦となった。しかし一部校としての意地を見せ、最後は主将の中村幸(スポ4=富山国際大付)が勝利を決めた。

 シングルス1の鈴木とシングルス2の松本茜(社3=福岡・九州国際大付)がともに相手を下し早大が勝利にリーチをかけた。続く第1ダブルスに出てきたのは吾妻・鈴木組。このペアは先日行われた東日本学生選手権でベスト4入りを果たしているチームの大本命だ。第1ゲームを21ー14で取り、第2ゲームでも快勝するかと思われた。しかし序盤から劣勢が続き7ー11で折り返す。その後追いつき試合を振り出しに戻したものの、決め急いでしまったのかミスが目立ち、このゲームを落とした。ファイナルゲームは拮抗(きっこう)した試合となるもマッチポイントを先取。しかし、あと一本をなかなか決めることができず、相手に逆転を許し、まさかの敗戦となった。ダブルス2も落とし試合はシングルス3へ。

この日も確実に一勝を挙げた松本

 チームの一部残留をかけてシングルス3に出場したのは女子主将の中村。負けられない試合となり「大学入ってから一番プレッシャーを感じた試合ですね。」(中村)と試合中の心境を試合後のインタビューでは明らかにした。中村は持ち味である緩急をつけたプレーで幸先よく第1ゲームを先取する。一方、第2ゲームはジュースの末22-24で敗北し、ファイナルゲームを迎えることとなった。ファイナルゲームの前には監督から「ラリーでは負けていない」という言葉をもらい、その言葉を信じてコートに入った。アドバイスのおかげか、これまでとは違い序盤から中村のペースで試合が始まり、11-5と相手を突き放してイレブンを迎えた。後半も勢いが衰えることはなかった。最後は綺麗にヘアピンか決まり、主将の手で2部降格を阻止した。


残留を決めた中村女子主将

 総力戦で1部を死守した女子部。安堵するのもつかの間、10日後には京都で全日本学生選手権が開幕する。「15年間のバドミントン人生の集大成だと思って残り少ない練習を頑張って、良い形でやり切りたいなって思います。」と笑顔で語った中村。今年度のチームの発足時から掲げてきた『団体アベック優勝』を実現してほしいところだ。

(記事、写真 佐藤菜々)

結果

▽女子団体◯3-2青学大

シングルス1 鈴木ゆうき(社1=宮城・聖ウルスラ学院英智)◯2-0石橋舞(21−11、21−10)

シングルス2 松本茜(社3=福岡・九州国際大付)○2-1岩谷果歩(21−16、12-21、21−17)

ダブルス1 吾妻咲弥(スポ2=福島・富岡)、鈴木ゆ●1−2縄田佳子、蔦谷美紅(21−14、19−21、21−23)

ダブルス2 桃井伶実(スポ3=石川・金沢向陽)、平野紗妃(スポ1=福岡・九州国際大付)●0-2石橋舞、岩谷果歩(16-21、14-21)

シングルス3 中村幸女子主将(スポ4=富山国際大付)◯2−1縄田佳子(21−19、22−24、21−15)

中村幸女子主将(スポ4=富山国際大付)

――きょうは主将として迎える入れ替え戦でしたが試合前はどのようなお気持ちでしたか

私自身4年目の最後のリーグで初めての入れ替え戦だったので、雰囲気とかもわからないまま迎えることになって。こっちとしては3ー0で勝つオーダーではいたんですけど、試合は何が起きるかわからなくて。1ダブが負けた瞬間これは自分にかかってるなと。そこでどうにかしなきゃいけないなっていう気持ちになりましたね。

――コンディションはいかがでしたか

秋リーグ(関東大学秋季リーグ戦)のときにちょっと腰を痛めてしまって。シングルを1週間ぐらいやっていなかったので、正直東日本(東日本学生選手権)の前よりはあんまり状態的には良くないなって思っていました。その中でも自分が出て勝って、後輩たちのためにも1部に残留しなくちゃいけないなっていう気持ちが強かったですね。

――今日の試合は1部2部を決める試合でありファイナルゲームまでもつれ込みました。なおかつ自分自身が主将であることから、相当なプレッシャーがあったと思われます

そうですね、大学入ってから一番プレッシャーを感じた試合ですね。自分のせいで負けてしまったら自分のせいで来年戦う後輩たちが今までみたいに一部で戦えなくなってしまう重圧がありましたね。

――きょうは男子の選手の方々も応援に来ていましたが、応援は力になりましたか

だいぶ力になりましたね。男子もインカレがあるなかできょう時間を割いて、天気も悪く会場が遠いなか来てくれたので、本当に力になりました。もちろん女子の選手のみんながコートサイドからしてくれた応援も力になりましたし。きょうは本当に応援の力で勝てたかなって思います。

――第2ゲームはジュースになりました。ここぞという場面でうまく決めきれてないイメージがありましたが

正直言うと、勝ち急ぎましたね(笑)。自分では冷静にやんなきゃって思っていてもどうしても体に力が入っちゃって。決めなきゃ決めなきゃ、っていう気持ちが先走ってしまった感じですね。

――ファイナルゲームに入る前に監督の方々にお話をされたと思います。どのような声をかけていただきましたか

ラリーは勝っていると言ってくださったので、その言葉を信じて。あとファイナルは途中から割と力が抜けてできたので、そこで点数を離せたのが大きかったなって思います。

――インカレ(全日本学生選手権)前最後の大会が終わりました。最後にインカレに向けて一言お願いします。

インカレはもちろんアベック優勝を目指して。あと10日ぐらいしかないですけどみんなで頑張っていくしかないですし、4年生のほとんどはインカレと早慶戦があるんですけどそこで競技を引退するので。私も15年間のバドミントン人生の集大成だと思って残り少ない練習を頑張って、良い形でやり切りたいなって思います。