勝ち切れなかった。ベスト8に入れば、今年度11月に行われる講道館杯の出場権が与えられる今大会。明大からは計6選手が出場した。優勝候補の一角だった90キロ級の神鳥剛(政経3=愛知県私立大成)と100キロ級の川田修平(政経4=愛知県私立大成)…

 勝ち切れなかった。ベスト8に入れば、今年度11月に行われる講道館杯の出場権が与えられる今大会。明大からは計6選手が出場した。優勝候補の一角だった90キロ級の神鳥剛(政経3=愛知県私立大成)と100キロ級の川田修平(政経4=愛知県私立大成)は対策不足が露呈し、無念のベスト8止まり。他に今大会初出場の選手も複数いる中、入賞できた者はおらず悔しい結果に終わった。

◆9・29~30 全日本学生体重別選手権(日本武道館)
▼60キロ級
 羽田野航--ベスト16
▼66キロ級
 稲毛--1回戦敗退
▼90キロ級
 神鳥--ベスト8
▼100キロ級
 川田--ベスト8
 立石--1回戦敗退
▼100キロ超級
 長岡--ベスト16

 油断大敵とはまさにこのことだ。神鳥は、復帰後初の全国大会で「優勝して再出発しようと決めていた」(神鳥)。準々決勝の相手は、昨年度の世界ジュニア選手権を神鳥の代役として出場した因縁の相手・田嶋剛希(筑波大)。「徹底した組手を貫けなかった」(猿渡琢海監督)と釣り手を妥協したことで、相手の得意な形を自ら作ってしまい一本負け。一瞬の気の緩みがあだとなった。
 一方、川田も優勝すればシニア強化に入れることもあり「優勝しなきゃ」と、自らに強いプレッシャーをかけていた。迎えた準々決勝は、天理大の古田伸悟。高校時代から川田にとって相性の良い相手だったが「しょうもない試合」(川田)となってしまった。相手の組手対策に苦戦し、試合終了まで技を一度も掛けられず。指導3の反則負けで惨敗し「掛ければ掛かるけど、掛けることができないない」(猿渡監督)と川田の課題が浮き彫りとなった。

 次は大舞台が待ち受ける。今大会で講道館杯の出場権を得ることができたのは、ベスト8に入った神鳥と川田。神鳥は、「優勝しか狙ってない」と気合を入れ直す。川田も「準備してやり直していきたい」と気持ちを引き締めた。今大会での課題にどう向き合っていくか。2人の快進撃に期待したい。

[荒川千那]

試合後のコメント
猿渡監督
--本日の振り返りをお願いします。

「昨日も含めてですが、入賞0は情けない結果だと思います。このままの状態だと1カ月後の尼崎で戦ったとしてもいい結果は伴って来ないと思うので、もう少しやり方、戦い方というものを修正しながら強化していきたいと思います」

川田
--今大会はどのようなイメージで試合に臨みましたか。

「3回戦まではイメージ通りという状態で試合を迎えていました。それ以降は上がって来る人は順当に上がってきて、対戦相手はイメージ通りだったです。そこで対策を相四つで得意だったので、何もせずに行ってしまってというのと、僕に対しての対策をとてもされていたなという感じです。結局技は一回も掛けてないし掛けられてない、しょうもない試合でした」

神鳥
--今回の試合で浮き彫りになった課題を教えて下さい。

「やっぱり自分の形になってからが、どうしてもケガをする前よりワンテンポ遅くなっちゃって、相手が身構えてから技を出したり、単発だったり結構攻撃が淡白になっているなと思います。そんな派手な柔道をするタイプの選手ではないと思うので、すごく細かいことをしっかりと丁寧にやっていかなきゃいけないなと思いました」