秋季関東大学リーグ戦(秋季リーグ戦)第3週を迎えたきょう、早大は慶大と対戦した。第1セットを序盤のリードを保ったまま逃げ切る形で先取すると、第2セット以降はクイックとバックアタックをうまく織りまぜた攻撃で揺さぶりをかけ、慶大に流れを渡さな…
秋季関東大学リーグ戦(秋季リーグ戦)第3週を迎えたきょう、早大は慶大と対戦した。第1セットを序盤のリードを保ったまま逃げ切る形で先取すると、第2セット以降はクイックとバックアタックをうまく織りまぜた攻撃で揺さぶりをかけ、慶大に流れを渡さない。セットカウント3-0(25-22、25-16、25-19)で初戦以来のストレート勝利を収めた。
今年4回目となった早慶戦。どこか緊張感のある面持ちを見せながら試合がスタートした。いきなり相手にサービスエースとブロックポイントを許し、先週の課題であった序盤での連続失点から第1セットを落とすという苦しい展開を思わせた。しかし、ウォーミングアップの時からしっかりと雰囲気を作っていたきょうの早大は簡単に隙を見せない。小林光輝副将(スポ4=長野・創造学園)がサービスエースをお返しするなどしてすぐに4連続得点を奪い4-2として逆転に成功。鵜野幸也(スポ4=東京・早実)や宮浦健人(スポ2=熊本・鎮西)が慶大のコートの穴をねらった正確なスパイクを決めていく。常に2点差をつけながらゲームを進め、テンポよく第1セットを先取することに成功した。
得点に喜ぶ小林(左)、宮浦
第2セットは武藤鉄也(スポ3=東京・東亜学園)、村本涼平(法3=京都・洛南)の活躍が光るセットとなった。武藤は序盤からスパイクが好調。軟打と強打を器用に使い分け、高い決定率を残した。第1セットは序盤でクイックがブロックされてしまったこともあり、中盤以降なかなかコンビを通すことが出来なかったが、第2セットは両センターが多くスパイクを決め、相手のブロックを散らすことに成功した。これにより、鵜野や宮浦が多くのバックアタックを決めやすくなった。また、前衛ではボールを押し込んで得点にするなどネット際での対応力も見せ、前衛後衛問わず得点に多く絡んだ。一方の村本は昨年の東日本大学選手権以来のリベロ出場。堀江友裕(スポ3=和歌山・開智)、北川諒(教1=東京・早実)の代わりにサーブレシーブ、スパイクレシーブ共に活躍を見せた。早大に得点が入るとコートを盛り上げ、雰囲気作りにも大きく貢献した。第2、3セットともに序盤から大きく差を広げ、その差を守り切って勝ち取った。どのスパイカーも高い決定率を残し、あすの東海大戦に向け弾みのつく結果となった。
サーブを打つ武藤
先週の大きな課題であった第1セットの入りは改善された。あすは春季関東大学リーグ戦2位の筑波大をきょう破った東海大との対戦だ。慶大同様に高さのあるチームゆえ、どれだけブロックされずにスパイクを打てるかが鍵となるだろう。また、先行を許さないためにも、サーブで攻めることは必須だ。あすで秋季リーグ戦も折り返し。前半の集大成として、結果、内容共に満足のいく『ワセダバレー』に期待したい。
(記事、写真 松谷果林)
セットカウント | ||||
---|---|---|---|---|
早大 | 3 | 25-22 25-16 25-19 | 0 | 慶大 |
スタメン | ||||
レフト 藤中優斗(スポ4=山口・宇部商) レフト 鵜野幸也(スポ4=東京・早実) センター 武藤鉄也(スポ3=東京・東亜学園) センター 村山豪(スポ2=東京・駿台学園) ライト 宮浦健人(スポ2=熊本・鎮西) セッター 小林光輝(スポ4=長野・創造学園) リベロ 北川諒(教1=東京・早実) |
コメント
藤中優斗主将(スポ4=山口・宇部商)
――きょうの試合はいかがでしたか
相手が崩れてくれた、というのはありますが、先週よりは雰囲気良くできたのかなと思います。
――久しぶりに第1セットを取ることが出来ました
先週の練習から意識していた、雰囲気良く声を出していこうというのは出せたとは思いますが、相手に助けられた部分が多かったように思います。どんな相手でも良い雰囲気でできるように、まだまだこれから取り組んでいきたいですね。
――サーブを村山豪選手(スポ2=東京・駿台学園)からにした理由は何かありますか
豪のサーブからスタートする、というよりかは相手とのマッチアップですね。ブロックのフォーメーションとの関係でローテーションを少しずらしました。
――きょうはスパイクでの得点が全体として多かったのではないでしょうか
そうですね。僕自身はまだ全然決まっていません。高いブロックに対してシャットアウトされてしまうことが多いので、打ち方をもう少ししっかり工夫したいです。
――ブロックポイントが少なかった点については
サーブでなかなか崩すことが出来ず、Aパスからコンビを組まれると厳しかったです。もっとサーブを攻めて、ブロックで対応するという形をとっていけたら、もう少しブロックポイントも取れるようになると思います。サーブを徹底的に、攻めて打っていきたいです。
――あすに向けて
東海大が相手ですが、自分たちの雰囲気を1セット目から全開で出していきたいです。きょうしっかりケアをして、あすは全開でいきます!
武藤鉄也(スポ3=東京・東亜学園)
――きょうの試合はいかがでしたか
きょうは相手チームでスタメンが2人いなかったこともあり、こちらとしては楽な展開になれました。先週から1セット目の入りが課題でした。今回はセットは取れましたがあまり出だしが良かったわけではなかったです。
――先週と比べても試合の入りが良くなかったということでしょうか
そうですね、あんまり変わらなかったかなと。相手が(スタメンが欠けていために)弱くなっていたこともあるかもしれません。木曜日に練習ゲームとしてAB戦をやった時も、Aチームが1セット落としてしまいました。そこでの反省点として、もう少しサーブを攻めることでこちらからどんどん攻めていこうということを意識して戦いました。
――きょうは武藤選手のサーブからブレークポイントが何度もありましたが、ご自身のサーブの調子はいかがですか
基本的にはサーブターゲットのほうへ狙い通りにボールが行きましたが、まだスピードが足りなかったかなと思います。相手の技術があまり高くなかったというだけで、こちらのサーブとしてはスピード面でまだまだです。
――スパイクを打つ時に意識されたことはありますか
きょう、相手はコミットブロックで来ると思っていました。1枚ミドルブロッカーが高くて、レフトからもちょこちょこ来ていました。自分の中では助走を工夫したり、幅を作ったりしていました。光輝さん(小林副将、スポ4=長野・創造学園)のサインもなるべく幅を使ったコンビを使おうというサインだったので。それがうまくはまったと思います。
――あすに向けての修正点などはありますか
あすの東海大はとても勢いのあるチームで、まず1セット目の入りをこっちもしっかり雰囲気を作っていきたいですね。あとはサーブで攻めていきたいです。東海大もどちらかといえばサーブレシーブが良いチームではないので、スピードのあるサーブで攻めていければ大丈夫だと思います。
村本涼平(法3=京都・洛南)
――きょうの試合はいかがでしたか
きょうの試合は相手のミスも多くて、点数的に序盤から自分たちが思い切りできる差が開いたというか。その点で雰囲気とかはやりやすかったかなと思いますが、1本目の精度がまだまだ低いので、そういった中身の部分をもう少しレベルアップさせられればと思いました。
――久しぶりのリベロだったと思いますが、何か意識したことはありますか
昨年の東日本大学選手権以来のリベロでしたね。リベロの役割を少しずつできるように頑張りました。声を出してチームを盛り上げようとか。元々入っていた1年の北川(諒、教1=東京・早実)を支えることも必要だと思いました。
――ブロックフォローについてはいかがでしたか
ブロックフォローの形はチームで色々と練習をやってきたつもりなのですが、試合になるとどうしてもまだうまく作れません。ちゃんとは入れていないときもあって。スパイクを思いっきり打ってもらうためにも、ブロックフォローをもっとできればいいのですが、まだまだでした。
――サーブレシーブの陣形などは上手くいきましたか
自分の入っている時のサーブレシーブは、まだ横との関係などがまだできていません。まずは関係をしっかり作って、光輝さん(小林副将、スポ4=長野・創造学園)が余裕をもってトスを上げられるようにしたいと思います。
――あすに向けて
きょうよりももっと内容にこだわって、質の高いバレーボールができるようにあすも頑張ります。