第3週で立大から6季ぶりに勝ち点を奪取した早大。悲願の優勝へ、ここから連勝街道を突き進みたい早大は、第4週で東大と激突する。第1週の法大戦で勝ち点を落としているだけに、ここで目指すのは2連勝での勝ち点獲得だ。先週の立大戦を中1日で2試合完…

 第3週で立大から6季ぶりに勝ち点を奪取した早大。悲願の優勝へ、ここから連勝街道を突き進みたい早大は、第4週で東大と激突する。第1週の法大戦で勝ち点を落としているだけに、ここで目指すのは2連勝での勝ち点獲得だ。先週の立大戦を中1日で2試合完投している絶対的エース・小島和哉主将(スポ4=埼玉・浦和学院)の疲労が心配されるが、打線の奮起で優勝への道筋を見出だしたいところだ。

 今季の東大は、2カードを終えて4戦全敗。昨秋からの連敗が16まで伸びているが、それでも決して侮れる相手ではない。その証拠として、今秋は春の王者・慶大や春2位の立大相手に、4試合全てで中盤まで拮抗した試合を演じている。特に打線の長打力と足を絡めた機動力には光るものがあり、春からの成長が顕著だ。その中でも特に要注意なのは、3番に座る辻居新平(3年)。東大きってのアベレージヒッターは、現時点で打率5割に加え、驚異の5盗塁を記録。シュアな打撃と敵の守備をかき乱す機動力で襲い掛かる辻居の存在は、早大にとって最大の脅威となる。他にも打率4割のリードオフマン笠原健吾(2年)と、主軸を担う岡俊希(2年)はいずれも本塁打を記録。早大投手陣は、この上位打線をいかにして料理するかがカギとなりそうだ。


走攻守三拍子そろった東大のキーマン・辻居

 初戦の先発を任されるのは、エースの小島だろう。立大1回戦を1失点完投、さらには東京六大学リーグ戦通算20勝が懸かった同3回戦を完封で飾った左腕は、今季リーグトップの31回2/3を投げ抜いている。当然、体への負担は大きいだろうが、140キロ台中盤の速球と緩急をつけた変化球を多彩に織り交ぜる投球術で相手打線を切って取り、驚異的なタフさで好調を維持している。エンジンのかかった小島の球は、強力な東大上位打線もそう簡単には攻略できないだろう。2回戦の先発は今西拓弥(スポ2=広島・広陵)が有力。法大2回戦では3番手で登場し、延長11回の勝ち越しを呼び込む3回無失点の好救援。先発に抜てきされた立大2回戦でも、6回無失点と合格点の投球を披露した。ただ東大打線はパンチ力のある打者がそろっているだけに、法大3回戦で浴びたサヨナラ弾のような長打にだけは気を付けたいところ。第2先発が週替わりという現状があるが、東大相手に好投してその座をつかみたい。

 東大の先発は、今夏の東京六大学選抜にも選ばれた左腕の小林大雅(3年)が予想される。昨季の東大1回戦では、辛うじてサヨナラ勝利はしたものの、カーブに手を焼き9回途中まで無得点に抑え込まれた。さらに小林の驚くべきは、なんと昨季開幕戦から直近の立大2回戦まで14試合連続登板中。驚異的な鉄腕ぶりでチームを引っ張るエースだが、今季はまだ満足な投球はできていない。それでも、身長167センチの小柄な体からダイナミックに投げ込まれる球は一級品であり、特に左打者は内角をえぐる球への対策を万全にして臨みたいところだ。2回戦は有坂望(4年)の先発が有力。野球人生最後のシーズンでの勝利に向け、死に物狂いで向かってくるだろう。


立大3回戦では4番に座った岸本

 対する早大打線でカギを握るのは、好調な右打者たちだ。特に立大3回戦では5番を任された檜村篤史(スポ3=千葉・木更津総合)は、打率4割台と好調を維持している。さらに、今季全試合で2番に起用されている西岡寿祥(教4=東京・早実)、クリーンアップの岸本朋也副将(スポ4=大阪・関大北陽)も左腕・小林の攻略に向けて、その打棒にかかる期待は大きい。また、ラッキーボーイとなり得る存在として、立大戦で三塁のスタメンに抜てきされた金子銀佑(教2=東京・早実)を挙げたい。守備力を買われた面が大きかったが、犠打や犠飛など打撃でも献身的に貢献しており、東大戦で覚醒する機運は十分にある。また、髙橋広監督(昭52教卒=愛媛・西条)が重視する「バントなどの細かいプレーでミスをしない」選手であり、チーム全体にその意識を浸透させたいところだ。勝負どころでは、代打の切り札・田口喜将(商3=東京・早実)に注目だ。前述の昨季東大1回戦で9回に代打で登場し、小林から値千金のサヨナラ打を放った張本人であり、同2回戦でも代打で同点打を放った。見る人をうならせる勝負強さは今季も健在で、立大3回戦では8回に代打で適時二塁打を放った。今カードでも試合終盤での起用が予想される。

 6季ぶりの優勝に向けて道のりが険しいことに変わりはないが、前週の勝ち点奪取でチーム状態は上向きだ。ここまでの戦いでは投手頼みの感が強く、今後上位をうかがう上では、打線の奮起が求められる。その足掛かりとして東大戦では投手陣を大量援護し、今後に向けて勢いをつけたいところだ。「一戦一戦必死に頑張りたい」。そう語る小島主将の言葉には相当な覚悟がうかがえる。まずはこの東大戦。勝つしかない。

(記事 吉岡拓哉、写真 皆川真仁、岡田静穂)

 

東京六大学秋季リーグ戦星取表
順位 法 大慶 大立 大早 大明 大東 大勝ち点勝率
法 大9/29
9/30
10/6
10/7
○5-1
●6-7
○5-4
△3-3
○3-2
○2-0
10/20
10/21
.800
慶 大9/29
9/30
10/13
10/14
10/27
10/28
○2-1
●4-7
○7-3
○6-4
○10-4
.800
立 大10/6
10/7
10/13
10/14
●1-5
○1×-0
●0-3
10/20
10/21
○8-2
○7-1
.600
早 大●1-5
○7-6
●4-5
10/27
10/28
○5-1
●0-1×
○3-0
10/13
10/14
9/29
9/30
.500
明 大△3-3
●2-3
●0—2
●1-2
○7-4
●3-7
10/20
10/21
10/13
10/14
10/6
10/7
.200
東 大10/20
10/21
●4-6
●4ー10
●2-8
●1-7
9/29
9/30
10/6
10/7
.000