7月の「ウィンブルドン」男子シングルス優勝で、見事完全復活を果たしたノバク・ジョコビッチ(セルビア)。Tennis World USAによると、2度の年間グランドスラムを達成した唯一の男性選手であるロッド・レーバー(オーストラリア)が「ノバ…

7月の「ウィンブルドン」男子シングルス優勝で、見事完全復活を果たしたノバク・ジョコビッチ(セルビア)。Tennis World USAによると、2度の年間グランドスラムを達成した唯一の男性選手であるロッド・レーバー(オーストラリア)が「ノバクは現時点でトップにいると思います」と話した。

現在世界ランキング3位のジョコビッチは、グランドスラムのシングルスタイトル14個を含め、キャリア通算71個のシングルスタイトルを獲得している。しかし、2017年「ウィンブルドン」で右肘の故障のため棄権し、そのまま残りのシーズンを欠場せざるを得ない状態となった。

そして、2018年1月の「全豪オープン」で約6ヶ月ぶりにツアー復帰。「全豪オープン」では4回戦進出を果たすも、次に出場した3月の「ATP1000 インディアンウェルズ」では、当時世界ランキング109位のダニエル太郎(日本/エイブル)に敗れて初戦敗退。その後も2つの大会で初戦敗退となっていた。

なかなか以前のような結果が出ないジョコビッチだったが、6月の「ATP500 ロンドン」で準優勝を果たすと、復帰後3大会目のグランドスラムとなった「ウィンブルドン」で見事優勝。それだけではなく、「ATP1000 シンシナティ」と「全米オープン」でも優勝を果たした。ジョコビッチは「望むレベルまで戻れるのかどうか、不安になったりイライラしたりする瞬間もあった」「それでも、だからこそ、この道のりのすべてが僕にとってより特別なものになる」と完全復活までの長い道のりを振り返っていた。

テニス界のレジェンド、レーバーはジョコビッチについて「これからの2年、3年グランドスラムで勝利を重ねてゆくのは、ノバクが中心になってくると思います」と語った。そう語ったレーバーは、グランドスラムの舞台となるスタジアムがその名を冠するほど偉大な業績を残しており、キャリアを通じて総額100万ドル以上の賞金を得た最初の選手でもある。そのレーバーもジョコビッチの復活について太鼓判を押している。

レーバーはさらに、まだまだ衰え知らずのラファエル・ナダル(スペイン)、ロジャー・フェデラー(スイス)、ジョコビッチについて「彼らがどうやってトップに君臨し続けているのか、具体的に理由を指摘するのは難しいのですが、迫ってきている次の層の選手と比べてもやはり3人は抜きんでています」と話し、その中でもフェデラーについて「彼は持って生まれた才能が素晴らしく、相手のプレーを見れば自分がどう対応すればいいのか分かるのです。なかなかそういう選手はいません。他の選手には見られない天性のものです」と話した。

見事完全復活を果たし、世界ランキングトップ3に復帰したジョコビッチ。今後さらなる活躍に期待したい。(テニスデイリー編集部)

※写真は「レーバー・カップ」の時のジョコビッチ

(Photo by Bilgin S. Sasmaz/Anadolu Agency/Getty Images)