「全米オープン」男子シングルス2回戦のニック・キリオス(オーストラリア)対ピエール ユーグ・エルベール(フランス)の試合中に審判台から降りて、キリオスに話しかけたことで物議を醸したモハメド・ラヒアニ主審が、2大会での活動停止処分を受けた。A…

「全米オープン」男子シングルス2回戦のニック・キリオス(オーストラリア)対ピエール ユーグ・エルベール(フランス)の試合中に審判台から降りて、キリオスに話しかけたことで物議を醸したモハメド・ラヒアニ主審が、2大会での活動停止処分を受けた。

ATP(男子プロテニス協会)によると、ラヒアニ氏が取ったこの行動は「審判に求められる公平性を欠いていたと見なされた」からだという。

同試合では、第1セットを落として第2セットも3-0とエルベールに先行されたキリオスは、真剣にプレーしているようには見えなかった。その中でラヒアニ氏は、コートチェンジの際に審判台を降りて、キリオスに「君を助けたい」と話しかける姿を見せていた。

エルベールはラヒアニ氏について「あんなことをするのは彼の仕事ではない。彼はコーチではなく審判であり、審判の仕事をするためには審判席に座っているべきだ」と話していた。

一方で全米テニス協会(USTA)広報のクリス・ウィドマイヤー氏は、ラヒアニ氏は「我々が定める規約を逸脱した」と述べたものの、ラヒアニ氏は「国際的なテニス審判として傑出した実績を持っている」ことから「全米オープン」期間中、引き続き審判を務めることを許可していた。

ATPの規則と競技を統括するゲール・ブラッドショー氏は「モハメドは非常に尊敬されている世界的な審判だ。しかし、あの試合における彼の行動は、主審としての公平性を欠くものだった。彼の行動は遺憾であり、ATPツアーの懲戒処分を下さざるを得ない。10月に戻ってきてくれるのを楽しみにしている」と語り、ラヒアニ氏の再起に期待を寄せた。(C)AP(テニスデイリー編集部)

※写真は2015年「ATP1000 マドリード」のときのラヒアニ氏

(Photo by Julian Finney/Getty Images)