長い北米での戦いもいよいよ最終盤へ。「四国アイランドリーグplus ALL STARS」最後の訪問地は、カナダ・オンタリオ州オタワのレイモンド・シャボー・グラント・ソーントン・パークである。■オタワ・チャンピオンズとの3連戦初戦は延長戦決着…

長い北米での戦いもいよいよ最終盤へ。「四国アイランドリーグplus ALL STARS」最後の訪問地は、カナダ・オンタリオ州オタワのレイモンド・シャボー・グラント・ソーントン・パークである。

■オタワ・チャンピオンズとの3連戦初戦は延長戦決着

 長い北米での戦いもいよいよ最終盤へ。「四国アイランドリーグplus ALL STARS」最後の訪問地は、カナダ・オンタリオ州オタワのレイモンド・シャボー・グラント・ソーントン・パークである。現地時間6月28日19時5分(日本時間6月29日8時5分)より始まったオタワ・チャンピオンズとの3連戦初戦。5連敗・3試合連続サヨナラ負けで通算成績6勝10敗となり迎える彼らの意地に期待である。

 その意地とカブキJAPANエースの責任感を右サイドハンドがまず示す。ここまでの北米遠征3試合で防御率2.00、2勝0敗の原田宥希(香川オリーブガイナーズ)は、初回に2死一、三塁から5番打者に適時打を許すなどこれまでの登板と比べ明らかにボールに力がない状態だった。

 それでもストレート、スライダー、カーブ、シュート、チェンジアップを丹念にコーナーへ投げ分けて打たせて取った原田は、6回裏に勝ち越し打を許したとはいえ、被安打6、6奪三振、2失点。バトンをしっかりリリーフ陣に引き継ぐ。彼は間違いなく限界点を超えた「KABUKI SPIRITS!」の体現者となった。

 これに呼応し、「傾く(かぶく)」姿勢を見せたのは9番打者・平間隼人(徳島インディゴソックス)。4回表、1死二、三塁からニゴロで1打点。再び1-2とされた8回表1死二塁からは、ストレートを思い切り引っ張って右翼線を破る同点適時二塁打。これで平間はチームNo2の13打点目。とても9番打者とは思えない勝負強さである。

 かくして試合は延長戦へ。10回は両者チャンスをつかむも得点には至らず、11回からは無死二塁のタイブレーク制で決着をつけることになった。

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■守護神・平良成が2点適時打食らい…通算成績は6勝11敗に

 そして12回表、最初に壁を破ったのは「四国アイランドリーグplus ALL STARS」であった。1死三塁から代打に送られたのは河田直人(高知ファイティングドッグス)。闘志あふれるプレーの代償に長期離脱を強いられたガッツマンは、期待に応えて中前に弾き返し3-2。いよいよトンネル脱出が見えてきた。

 だが、3イニング目に入った守護神・平良成(高知ファイティングドッグス)が力尽きた。1死満塁から3番打者に左中間を破る2点適時打を食らい、3-4。4試合連続のサヨナラ負けで通算成績は6勝11敗。昨年に続き北米遠征の負け越しが決定した。

「なにをやったら勝てるのか?」選手たちの心中は察するに余りある。ただ、10回表の1死満塁で無得点に終わった場面など、勝利をつかむための術はまだ多くあることも事実だ。あと半歩、あと一歩の精度を上げれば、12回で12三振、下位打線は軒並み打率1割台というオタワ・チャンピオンズ相手には十分勝機がある。その積み上げがキューバ代表戦勝利への礎となるはずだ。
 
 オタワ・チャンピオンズの3連戦2戦目は、現地時間6月29日19時5分(日本時間6月30日8時5分)より開催。「7勝目」の先にある大きな目標向けて、彼らには今こそ壁を破る真の「カブキJAPAN」への道を歩んでもらいたい。

四国アイランドリーグplus ALL STARS
000 100 010 001 | 3 
100 010 000 002×| 4
オタワ・チャンピオンズ

四国アイランドリーグplus ALL STARS:原田、フィリップス、嘉数、平良-鶴田、垂井
オタワ・チャンピオンズ:Carlos、Cooper、Perez、Wilson、Cunningham-Grauer

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■中島監督「ここを打破して次に進んでほしい」

◯中島輝士監督

「最後の最後に来てミスが続いたね。内容は悪くない。ただ、選手にしても、僕ら首脳陣もそうだけど、勝ち星が欲しいというのは一番思うこと。これから頑張るしかない。もうあと3試合しかないから、この3試合に全力尽くすだけだし、決して尻込みするような状態でもない。ただ、終盤に来て『またやられるんじゃないかな……』という弱気がね。一番の弱点になるかもしれないか。今は窮地に追い込まれている気持ちになってしまっているから、ここを打破して次に進んでほしいと思う。選手にはどんどん攻めるように言っていきます」

◯河田直人外野手(高知FD)

「(延長12回表、一時は勝ち越しとなる代打適時打)2ストライクまで追い込まれて、野手がだいぶ前に来ていたのは見えました。だから、ラインに合わせてしっかりバットを振ったら間に落ちる。そのイメージでバット振った結果がヒットになって良かったです。この打席では1球重ねるごとにタイミングも合っていたので。自分的には「打てる!」という自信もあった。まだあと3試合あるんで、ちょっとでもチームの勝利に貢献できるように頑張っていきたいですね」

◯松澤裕介外野手(香川OG)

「(4打数3安打2四球)最後の打席(10回表、2死満塁で一ゴロ)あれがすべてです。3番としてもああいう場面で打つのを求められますし、あそこで打っていれば。勝ったか負けたかは分からないですけど、もっと楽なゲームができた。こういう苦しいゲームではなかったなあと思います。オタワ・チャンピオンズは投手もバッターもそんなに『怖さ』とかは感じなかったです。攻め方とかスイング的にも、自分のなかで1球1球整理して、準備できている状態で入れているので、それを崩さずにあとは結果を出すだけです」

◯平良成投手(高知FD)

「(10回裏から登板・4奪三振も12回逆転サヨナラ負け)12回を振り返ってみると、自分の犠打三塁送球エラーで自ら苦しめた部分もあるんですけど、一番悔いが残るのは、最後に逆転サヨナラを打たれた球のチョイスですね。この場面はイチかバチかインハイに投げに行こうと思ったんですよ。簡単にサヨナラにさせるんじゃなくて『どうにかできるんじゃないかな』と。とりあえずは後ろめたい気持ちで投げるというよりかは『やるしかない!』とインハイに投げるつもりが、ちょっと甘くなってしまいました。冷静に考えるとやはり1点リード。『同点でもOK』という選択肢を持てなかった自分がいたと思います。例えデッドボールで同点になっても最悪ゲームはまだ終わらない。もっと気持ちに余裕を持っていれば、違った結果になったのかなあと思います」

(記事提供:独立リーグドットコム)

独立リーグドットコム編集部●文