ミケル・エチャリのコスタリカ戦レポートはこちら>>「10番(中島翔哉/ポルティモネンセ)、8番(南野拓実/ザルツブル…

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「10番(中島翔哉/ポルティモネンセ)、8番(南野拓実/ザルツブルク)、そして6番(遠藤航/シント・トロイデン)。コスタリカ戦における彼ら3人のプレーは際立っていた。そしてチームとしてのディフェンスも非常によかった。素晴らしい勝利だ!」

“スペインの慧眼”ミケル・エチャリは、目についた選手の名前を挙げ、スカウティングリポートを書いている。

 2009年から日本代表をスカウティングしてきたエチャリは、日本人選手のキャラクターを知り尽くしている。岡田ジャパンではアンカー起用を”進言”し、ザックジャパンを賞賛しながらも攻撃偏重に警鐘を鳴らした。ハリルジャパンの戦術を評価しつつも、2017年に入ってからのレベルダウンを指摘。さらに西野ジャパンの3バックに難を示す一方、長谷部誠を中心にした戦術的熟成を見抜いていた。

「ロシアW杯のベルギー戦は誇り高い戦いぶりだった。しかし、あと3人、経験値の高い選手がいたら、ベスト8進出に手が届いたかもしれない」

 ロシアW杯終戦直後、そう総括していたエチャリは、新たに発足した森保ジャパンの選手たちの実力をどのように見たのか――。3人の名前を挙げ、その所見を綴っている。



左MFで後半30分までプレーした中島翔哉(ポルティモネンセ)

中島翔哉

「途中交代するまで、クオリティの高いプレーを続けた。明晰なプレービジョン、判断力、高いパス&コントロール技術の持ち主だ。ボールを持つたびに、敵の脅威になっている。日本の2点目では、相手の裏をかく角度、タイミングでのパスにより、コンビネーションプレーの起点になった。

 また、先制点を演出したように、セットプレーのキックの質も高い。キックそのものに自信を持ち、切り返しからのクロスを南野の頭にぴたりと合わせている。左サイドで、日本の高速プレーの中心になった」



2トップの一角としてフル出場した南野拓実(ザルツブルク)

南野拓実

「前線の一角で、シュートを数多く打っていた。連係度の高さが光った。2点目はまさに象徴的。エリア内で中島のパスを呼び込む動きをしながら、ディフェンスを引きつけた後、左サイドでフリーになった遠藤に出されたボールに対し、ディフェンスラインの前で止まってボールを受け、左足で流し込んでいる。

 コンビネーションを使って生きるタイプだろう。前半、遠藤が入れたロングボールを、小林悠(川崎フロンターレ)が落としたところで放ったハーフボレーも際どかった」



ボランチでフル出場。中盤のバランスを保っていた遠藤航(シント・トロイデン)

遠藤航

「中盤で、青山敏弘(サンフレッチェ広島)とパートナーを組んでいた。チームはトランジション(攻守の切り替え)で質の高さを見せ、ラインもコンパクトさを保っていたが、遠藤は中盤で常にそのバランスを取っていた。

 小林に入れるロングボールは、まさに攻守一体。また、2点目は自らボールを持ち運び、中島に預けてから左サイドを駆け抜けている。コスタリカの攻撃力が乏しかったのはあるにせよ、効果的なプレーが多かった」

「日本の選手たちはおしなべて、レベルの高いプレーを見せた」

 エチャリはそう言って、他の選手たちにも及第点を与えている。



代表初先発で後半40分までプレーした堂安律(フローニンゲン)

「後半に関しては、ほとんどワンサイドゲームだった。そのなかで特筆すべきは、ディフェンスの意識にあるだろう。攻撃をしながらも、常に守備のタスクとポジションを忘れず、危険を未然に防げていた。その安定によって、円滑な攻撃を続けられたのだ。ディフェンスに関しては、個人よりもチームとしての出来を賞賛すべきだろう。

 そのなかで、右サイドバックの室屋成(FC東京)は興味深いプレーをしている。2度にわたって、危険な攻め上がりを見せた。深いところまで進入できており、適切なタイミングでの攻撃参加だった。
 
 堂安律(フローニンゲン)も攻撃センスを見せつけていた。左利きのアタッカーで、右サイドからダイアゴナルにゴールに向かうプレーを好み、その感覚に優れている。インサイドに入ってパスを受け、GKとの1対1から左足でシュートを放った場面は、結果的にセービングされたが、いいプレーだった。また、自らボールを持ち運び、中に切り込んでのシュートはポストをかすめている。

 終盤は多くの交代選手を投入した。伊東純也(柏レイソル)は右サイドでボールを持ち運び、1対1を制して、切り返しから個人技でゴールを決めている。目覚ましいスピードとテクニックだった。ただし、コスタリカのディフェンダーは完全に追い詰めていただけに、なぜ間合いを詰めなかったのか、疑問が残る」

 エチャリは日本の可能性に明るい展望を示しながら、最後にこう締め括っている。

「日本人は一瞬の速さや献身性、さらにボールスキルに優れている。それをコンビネーションで活かせるか。そして、攻撃しているときには守備の準備をする”攻守一体”を身につけられたら、今後、さらなる成長が望めるはずだ」