「全米オープン」(アメリカ・ニューヨーク/8月27日~9月9日/ハードコート)女子シングルスで優勝を果たした大坂なおみ(日本/日清食品)。大坂の笑顔で溢れると思われたセレモニーだが、会場からのブーイングとも歓声とも取れる声が響き、サンバイザ…

「全米オープン」(アメリカ・ニューヨーク/8月27日~9月9日/ハードコート)女子シングルスで優勝を果たした大坂なおみ(日本/日清食品)。大坂の笑顔で溢れると思われたセレモニーだが、会場からのブーイングとも歓声とも取れる声が響き、サンバイザーを目深に被って耐えていた。

その時大坂を抱き寄せ、耳元で言葉をささやいた準優勝のセレナ・ウイリアムズ(アメリカ)。試合後の記者会見で「私も彼女も泣いていたので、耐えられなくなったんです。だって、彼女は優勝したばかりだったんですよ」とセレナは語った。

大坂を慰めたのはあなたが子を持つ母親だということも関係しているか、と聞かれたセレナは「さあ、どうでしょう。あれが嬉し涙だったのか、あの時の状況を悲しんでる涙だったのか、よく分かりませんけど」「私がグランドスラムで初めて優勝した時は、こんな気持ちじゃなかったって、私は思ったんです。彼女をそんな気持ちにさせたくないって思ったんです」とその時の様子を振り返った。

また大坂のプレーについてセレナは「彼女はとても安定していたと思います。彼女のテニスは終始一貫していました」「正直言って、今日の試合の彼女から私は学べることがたくさんあります。たくさん学びたいと思います」と称えた。

試合中、セレナが主審のウォーニング(警告)やペナルティを巡って猛抗議し、地元観衆もセレナを後押しするかのようなブーイングの嵐。そのような状況でも大坂は自分のプレーに集中し、憧れのセレナに勝利。セレモニーが始まっても収まらない観衆、試合について話す中でセレナは「もうブーイングはやめて!」と声を大きくして伝えた。

その時の気持ちについてセレナは「今は彼女のための瞬間なんだから、彼女にはブーイングされる理由はないんだから、ブーイングはやめてと言ったんです」「彼女は見事な試合をしました。彼女は称えられるべきだし、勝つだけの資格がありました。結局のところ、そういうことだったんです」と話した。(テニスデイリー編集部)

※写真はセレモニーでの大坂(左)とセレナ(右)

(Photo by Tim Clayton/Corbis via Getty Images)