専門誌では読めない雑学コラム木村和久の「お気楽ゴルフ」連載●第170回 ゴルフをやり始めて、はや30年弱の月日が経過しました。すでにマンネリ化し、「生活の一部になった」とでも言えばカッコいいのですが、途中から惰性でやっている感がすごくあ…

専門誌では読めない雑学コラム
木村和久の「お気楽ゴルフ」連載●第170回

 ゴルフをやり始めて、はや30年弱の月日が経過しました。すでにマンネリ化し、「生活の一部になった」とでも言えばカッコいいのですが、途中から惰性でやっている感がすごくありました。

 人生も惰性で生きているんだから、ゴルフも惰性でいいだろう――そう思ってやっていたのですが、最近、またゴルフが面白くなってきて、びっくり仰天です。いったい、どうしちゃったの? と自分でも驚いています。

 何が変化したのか?

 今さら、練習をしまくって、スキルアップしてシングルになったとか、そういうことは間違ってもないです。

 大きな変化は、今年の春に最新クラブを導入して、飛距離がアップ。400ヤードのミドルホールでも、2オンできるようになったのです。

 ということは、おのずと平均スコアもアップし、ちょっと前までは80台が出るのは5回に1回くらいだったのですが、今ではラウンドした半分ぐらいは、80台が出ている感じです。ハンデ計算はしていませんが、おそらく平均スコアは2~3ぐらいは上がっている、そんな感触があります。

 ちなみに、練習はほとんどしておりません。いつも、ぶっつけ本番です。どのように変化したのか、詳細にレポートしましょう。

◆「覚醒」以前
「覚醒」と記すと、なんかヤバそうですが、そういうことではないです。年齢による衰えはジワジワやってきて、これまでドライバーのヘッドスピードは、自称42m/秒と言っていたのですが、たまたま計測する機会があって、実際の数値を計ってみると、38m/秒と激落ち状態でした。

 そんなですから、ドライバーは、球筋はいいけど、210ヤード飛べばいいほう。ゆえに、ミドルホールでパーオンを狙えるのは、長くても380ヤードぐらいがいいところでした。実際は、それも怪しかったのですが……。

 今年の2月ぐらいまでは、そんな状況でした。勝手に「冬場は飛ばないなぁ~」とボヤいておりました。

◆高反発クラブを試す
 そしてこの春、雑誌の企画で”禁断の違反クラブ”、俗に言う高反発クラブを打つことになりました。

 その際、プロギアの『SUPER egg(スーパーエッグ)』は、初対面で激しく反応してくれて、もはや、ふらりと入ったキャバクラでお持ち帰りができたぐらい(?)の快進撃を果たすのです。

 早速、コースで使ってみると、以前よりも20ヤードぐらい飛距離が伸びた感じです。となれば、俄然ゴルフが面白くなってきます。

 確かに競技には出られないけれど、もはやメンバーは辞めているし、月例なんか一生出ないので、問題なし。さすがに友人たちからは、「ズルい」「卑怯」とか、「違反者」などと罵詈雑言を浴びせられて、プチ炎上状態になりますが、別に関係ないもんね。

◆最強ユーティリティをゲット
 ドライバーが220ヤード強飛ぶようになったのはいいのですが、やはりセカンドショットも飛ばないと、400ヤードのミドルホールは2オンできません。

 以前は安定度を考えて、7番ウッドや4番ユーティリティを使っていましたが、170ヤード飛ぶのがいいところ。スプーンや5番ウッドは当たる確率が低いので、フェアウェーからは打ちません。結局、まぐれ当たりが2回出ないと、400ヤードのミドルでパーオンなんてできませんでした。

 そんなとき、これまたこの春、発売されたばかりのプロギアの『Q(キュー)』シリーズを試打します。すると、「これが”Qちゃん”! 半端ない!!」といった状態になって、自分でもびっくり。特に『Q18』というロフト18度のクラブは、安定感があって、転がりを入れて200ヤードぐらい飛んでいましたからね。

『Q』シリーズは、クラブの長さが短め。フェースも独特の形状をしていて、イメージはさほどよくないです。けど、身を任せてみると、恍惚状態となります。これは、エキサイトなお店で、外見はイマイチだけど、サービス重視で堪能したときと実に似ている……って、ほんまかいな。

 そんなわけで、この”プロギア・コンビ”で、”マックス400ヤード作戦”は無事に完成! このメーカーとは、昔のユーティリティシリーズ『ZOOM(ズーム)C.』が出た頃から愛用しているので、相性のよさもあると思います。

◆アイアンも飛ぶ
 最近のアイアンは「飛び系」と言われ、これまでとは2番手違う飛びを実現しているのが売りです。

 アイアンはシャンクばかり出るから苦手で、もともと7番ぐらいからしか入れていませんでしたが、その7番で5番ぐらいの飛距離が出るならアリだと思って、ちょっと試してみました。

 実際に試したのは、比較的簡単に打てるキャビティアイアン、ヤマハの『インプレス』でした。これが、またすごいんです。シャンクも出ずに、いい球がぼんぼん出るんですよ。

 7番アイアンで打つと、150ヤードを簡単にオーバーしていきますからね。20年前の自分の飛距離に戻れた気がしました。そういう”タイムマシン効果”があって、今やすこぶる重宝しています。

 クラブフェースをよく見ると、幾分ロフトが立っているような気もします。そりゃ、飛ぶよねぇ~。

 けど、7番アイアンが5番アイアンの難しさか? というと、そんなことはありません。打っている感触は7番アイアンそのもので、しかも従来のアイアンよりも簡単に打てる感じです。ショートアイアンを中心に、大きな戦力となっております。

◆低反発ドライバーも試してみる
 高反発ドライバーばかり使っていると、非難ごうごうなので、従来のドライバーの最新型も試してみました。はたして、それは飛ぶのだろうか?

 先日、知り合いの漫画家の先生が、クラブを一新してラウンドに臨みました。その先生とは年数回ラウンドするので、一新したクラブでの腕前はいかに? とつぶさにチェックしておりました。

 そうしたら、以前よりも30ヤード以上飛んでいて、手がつけられない状態になっていたんです。

 その際、私も最新型のドライバーを使用。マグレガーの『ターニーM85』で打っていたのですが、ドローのしっかりとした、なかなかいいボールが飛んでいました。飛距離は高反発クラブのほうが出ますが、こちらも方向性がいいので、狭いレイアウトやトリッキーなコースを回る際には使えるな、と思いましたね。

 だいたい、高反発より飛ばないとはいえ、かつてのドライバーに比べれば、十分な飛距離が出ていました。

 低反発なのに、なぜ飛ぶのか? 

 その謎についてですが、実はアマチュア向けのクラブは、芯を外したイマイチの当たりを、以前よりも飛ぶように工夫してあり、それによってトータルで飛距離アップに貢献しているようです。

 詳しいことはわかりませんが、スイートスポットを広く取るとか、フェースが幾分ねじれていて、真ん中以外の部分に当たっても反発パワーが落ちないとか、メーカーさんは涙ぐましい努力をしているのです。



拡張機能があるかどうかは別として、最新クラブの性能は本当にいいみたいですね

 ゴルフクラブは結構な値段ですが、それでも優秀なクラブは売れています。それはなぜか? やはり”結果にコミットする”からじゃないですか。

 なんたって、飛ぶし、曲がらないんですから、そりゃ売れますよ。それは間違いないですね。

 テクノロジーの進化というものは、本当に恐ろしいものです。ルール適合クラブでも、そこそこ飛ぶんですから。

 マンネリと夏バテでやる気が失せているみなさん、ゴルフは練習じゃないです。新しいクラブに代えることです。そのためにも、日頃から節約して、お小遣いを貯めておきましょうね。