ブンデスリーガ2018-2019シーズンが開幕した。ブレーメン対ハノーファーでは、日本人3選手が新天地での開幕戦を迎えている。 この試合で先発したのはホームチーム、ブレーメンの大迫勇也と、ハノーファーの浅野拓磨。ハノーファーで背番号1…

 ブンデスリーガ2018-2019シーズンが開幕した。ブレーメン対ハノーファーでは、日本人3選手が新天地での開幕戦を迎えている。

 この試合で先発したのはホームチーム、ブレーメンの大迫勇也と、ハノーファーの浅野拓磨。ハノーファーで背番号10を背負うことになった原口元気は、太ももの負傷から復帰したばかりで、ベンチスタートとなった。




ハノーファーとの開幕戦にフル出場した大迫勇也(ブレーメン)

 試合自体は、3人とも口を揃えたように「開幕戦らしい固い展開」となった。黒星発進だけはしたくない。両チームともそんな思いが伝わってくる守備的な戦いを見せた。大迫、浅野ら攻撃陣にとっては、難しい時間帯が続いた。

 浅野も大迫も、練習試合や先週末のドイツ杯で得点をしており、好調さをアピールしていた。その結果が開幕スタメンにつながったわけだが、そこで見られたようなスムーズなパスが回ってこなかった。

 4-3-3の3トップの右で先発した大迫だが、ブレーメンは中盤でのパス回しに終始。ゴール前へのスイッチが入らず、大迫のボールタッチ自体も少なかった。

 ハノーファーは4-4-2。プレシーズンには、ボランチが展開してサイドを使い、速いボールを前線の浅野へ送る形が見られたが、やはりこの日はボールを保持することができず、思うような形につなげられなかった。

 0-0で迎えた61分には、原口がピッチへ入った。左MFに入ると、浅野に縦パスを供給したシーンもあったが、タイミングが合わなかった。浅野のスピードを生かそうとした強めのパスだったが、「疲れていたのか、ボールを触りたかったのか」(原口)、浅野は足元で受ける形になり、チャンスを逃した。

 浅野は75分で退き、大迫はフル出場。試合は1-1で決着した。
 背番号8が新鮮に映る大迫は、手応えの

「兆しのようなもの」を感じたそうだ。

「手探りの状態で、あまり時間がないなかでやっている最中。何かいい手応えみたいのをつかめれば、一気に結果を出すことができるんじゃないかな。ゴール前とかも、もうひと工夫でもっと点が獲れそうだし、チーム全体としてボールは持てているのでチャンスもある。本当にちょっとした形を作れれば、得点も増えてくると思います」

 大迫自体にチャンスは少なく、シュートも1本にとどまった。それでも、感触は悪くなさそうだった。
 一方、久々にブンデス1部の試合となった浅野は、勝ち点1を

「悪くない」と言いながら、自身のパフォーマンスには納得がいかないようだった。ドイツ杯1回戦まで見せていた好調さをこの日は得点につなげられず、モヤモヤしたものがありそうだ。

「やっぱりリーグ戦になると、両チームとも固い試合になるというのは、今日やってみてあらためて感じました。今まで準備段階でやってきたゲームとは、まったく違う流れの試合展開になったので。感覚としては、今日こういう試合ができたのは、僕にとってはよかったのかなと思います。そのなかで、どうやって相手との駆け引きをもっとよくしていけるか。もっとよくしていかないと、リーグ戦で結果を残すのは簡単じゃないと感じました」

 それでも、昨季後半のまったく出番がなかった頃に比べれば、すっきりした表情を見せていた。
 負傷で出遅れた形の原口は、

「まだまだチームメイトの特徴を把握しきれていない」と明かす。

「まだ、他の選手たちの(ボールがほしい)タイミングがわからない。仲間の癖とか、『そこ、いかないんだ』とか、『そこ、慌てちゃうんだ』というのがまだ(わからない)。ベルリンとか、デュッセルドルフのときは、それが徐々にわかってきて、『ここを助けよう』とか、『ここで受けよう』とかあったけど、まだそれがない。10日くらいしか練習してないから、まだわからなくて。でも、ここからが本番かなと思います」

 多少の焦りはあるのだろうが、落ち着いてそう語った。

 日本人3選手が、いずれも新加入の難しさや、時間の足りなさを口にした開幕戦。これからどのようにチームにアジャストしていくのか。そんなプロセスを見ていくのも楽しみである。