「ウィンブルドン」(イギリス・ロンドン/7月2~15日/芝コート)大会11日目。第9シードのジョン・イズナー(アメリカ)と第8シードのケビン・アンダーソン(南アフリカ)の準決勝は、ハリウッド映画以上とも思えるほどの死闘が繰り広げられた。イズ…

「ウィンブルドン」(イギリス・ロンドン/7月2~15日/芝コート)大会11日目。第9シードのジョン・イズナー(アメリカ)と第8シードのケビン・アンダーソン(南アフリカ)の準決勝は、ハリウッド映画以上とも思えるほどの死闘が繰り広げられた。イズナーは6(6)-7、7-6(5)、7-6(9)、4-6、24-26とフルセットの末敗れたものの、アンダーソンと共にいくつかの歴史的記録を残した。

■6時間36分:グランドスラム史上2番目に長い試合時間

最終セットは第50ゲームに突入し、試合時間は6時間36分を記録した。「ウィンブルドン」公式サイトによると、同大会においてこれ以前に過去2番目に長かった試合は、タイブレーク(最終セットを除く)が導入される前の1969年1回戦。Richard Pancho Gonzales(アメリカ)がCharlie Pasarell(アメリカ)に22-24、1-6、16-14、6-3、11-9で勝利した試合が5時間20分だった。これを塗り替えて、今大会最長はもちろんグランドスラムの歴史の中でも2番目に長い試合となった。

尚、グランドスラム史上最長の試合もイズナーが記録しており、2010年「ウィンブルドン」1回戦のニコラ・マウ(フランス)との対戦で11時間5分。その時はイズナーが6-4、3-6、6(7)-7、7-6(3)、70-68で勝利した。見ての通り最終セットはなんと第138ゲームまで行われた。

今大会の準決勝で第5セット、イズナーは24-23となった後のチェンジコート時主審に「24-24になったらタイブレークにしたらどうか」と提案したという。歴代最長試合を経験しているからなのか、その時のイズナーの何とも言えない表情が印象的だった。ジョン・マッケンロー(アメリカ)も以前「アスリートとしての限界を極める戦いというのは、見ていて感動するものはあるけれども、2010年にイズナーが70-68となった時に、ルールを変えるべきだった」とコメントしていたそうだ。

■214本:同大会最多となる今大会でのイズナーのエース数

イズナーは今大会の全6試合で214本のエースを記録した。これは「ウィンブルドン」で1992年に記録が開始されてから、他のどの選手よりも多い数となった。尚、イズナーの今大会でのサービス自身最高速度は228km/h。

■102本:この対戦でのイズナーとアンダーソンのエース数

イズナーとアンダーソンの準決勝で二人が記録したエースは合計102本。これは「ウィンブルドン」で1992年に記録が開始されてから2番目に多い。最多記録は、最長試合時間を記録したイズナーとマウの対戦での216本だ。一方、準決勝での二人のダブルフォルトの数はイズナーが6本、アンダーソンは4本とより安定していた。

今回は紙一重で敗れたイズナーだったが、アンダーソンと共に歴史的な試合を見せてくれた事に敬意と感謝を表したい。(テニスデイリー編集部)

※写真は歴史的記録を残したイズナー

(Photo by Chaz Niell/Icon Sportswire via Getty Images)