久しぶりにケガなく、ウインブルドン入りをした錦織圭 錦織圭が、10回目のウインブルドンに挑む――。 ウインブルドンでは、2014年と2016年のベスト16が最高成績で、錦織が唯一ベスト8以上に進めていないグランドスラムであるため、他のグ…



久しぶりにケガなく、ウインブルドン入りをした錦織圭

 錦織圭が、10回目のウインブルドンに挑む――。

 ウインブルドンでは、2014年と2016年のベスト16が最高成績で、錦織が唯一ベスト8以上に進めていないグランドスラムであるため、他のグランドスラムと比べて、チャレンジャーとして臨む気持ちがより一層強い。

「(グラスを)まだ好きな日もあるし、嫌いな日もあるので、まだまだ模索中です。楽しみな気持ちもありますし、同時に自信が100%あるかというと、そうでもない。でも、自分を成長させる大会でもあるし、まだまだ勉強しないといけないサーフェスでもある。挑戦できる大会として、毎年楽しんではいます」

 ただ、ハードコートやクレーコートと比べると、やはりグラス(天然芝)コートでのプレーに苦手意識があることは否めない現状だ。

「他のサーフェスとは違ったテニスをしないといけない。まだ自分のベストのプレーができていない唯一のサーフェスです。グラスでは、たくさんのストップ&ゴーがあって、本当に足を使わなければいけない。クレーと違って、素早さがポイントになります」

 ウインブルドンでは、世界ランキングに過去2年間のグラスシーズンでの成績を加味して決定する、大会独自のシードが採用されている。錦織(ATPランキング27位、6月25日付/以下同)は、欠場者によって3つ繰り上がって第24シードになり、大会ドローのボトムハーフに入った。

 ここ3年間の錦織は、ケガを伴ってのウインブルドン入りだったが、今回はトラブルなしでプレーできるのが好材料だ。

「今週(ウインブルドン直前週)はいい練習ができているので、自信がつきつつあります」という錦織の1回戦の相手は、予選から勝ち上がったクリスチャン・ハリソン(200位・アメリカ)に決まり、初対決となる。

 クリスチャンは、ツアーで活躍しているライアン・ハリソン(58位)の2歳年下の弟で、フォアハンドもバックハンドもフラット系のストロークを武器にしている。初対決とはいえ、錦織が拠点にしているフロリダのIMGアカデミーで一緒に練習しているため、よく知っている仲で、お互いのテニスも知り尽くしている。

「アカデミーではいつも練習をして、一緒に成長をしてきました。仲のいい友達とプレーしなければならないのは簡単なことではありません。双方いいテニスができるといいですね」

 錦織によればクリスチャンは、24歳にしてかなりの苦労人だということだ。

「これまでやめてもいいぐらいのけがを何回もして、復帰している選手。頑張っている姿を小さい時から見ているので、頑張ってほしい気持ちはあります」

 錦織が勝ち上がった場合、2回戦では、バーナード・トミック(162位、オーストラリア)とホベルト・ホルカシュ(123位、ポーランド)の勝者と対戦する。トミックとの対戦成績は、錦織の2勝2敗。ホルカシュとは対戦がない。

 さらに順当に勝ち上がった場合、3回戦からはシード選手同士の対戦が始まり、3回戦では、第15シードのニック・キリオス(19位、オーストラリア)で、錦織の3勝0敗。グラスでは対戦したことがない。

 4回戦では、第4シードのアレクサンダー・ズベレフ(3位、ドイツ)で、対戦成績は1勝1敗。21歳のズベレフには、今年のマスターズ1000・モンテカルロ大会準決勝で錦織がフルセットで勝ったが、グラスでは対戦したことがない。

 そして、準々決勝では第7シードのドミニク・ティーム(7位、オーストリア)で、錦織の2勝1敗。24歳のティームとは、今年のローランギャロス4回戦で対戦して、錦織が初めて負けた。グラスでは錦織が1回勝っている。

 2008年ウインブルドンでグランドスラムデビューを果たした錦織は、今回のウインブルドンで、グランドスラムを戦い続けてちょうど10年になる。

「長い道のりではありましたけど、いろんなことを学んで、今に至る。いろんなケガもあったし、いい結果も出ていたし、波のある10年ではありましたけど、順調に成長できていると思います」

 錦織の1回戦は、大会2日目の7月3日に行なわれる予定だ。グランドスラム初挑戦から10年という節目にあたる今回のウインブルドンで、28歳の錦織がどんな結果を残すことができるのか注目したい。

◆錦織圭、ウィンブルドン前に快勝も、「芝はいろいろな部分に痛みが…」

◆大坂なおみ、ケガは問題なし。ウインブルドンを支配する準備はできた