地力がついたと誰もが感じた。 完勝である。 だけど、快勝ではなかった。 6月23日に豊田スタジアムで日本代表とジョージア代表が戦い、28-0でサクラのジャージーが完封勝ちを手にした。 しかし前半は9-0。雨の影響はあったものの、得点機を逃…
地力がついたと誰もが感じた。
完勝である。
だけど、快勝ではなかった。
6月23日に豊田スタジアムで日本代表とジョージア代表が戦い、28-0でサクラのジャージーが完封勝ちを手にした。
しかし前半は9-0。雨の影響はあったものの、得点機を逃すこともあった。
後半の3トライで前半のもやもやを吹き飛ばしたが、満点の試合ではなかった。
ジャパンは、もっとやれる。
そして、ワールドカップで8強入りするためには、さらなる進化が必要だ。
それでも、世界ランキング12位の好敵手相手に収穫も少なくなかった80分(日本は11位)。なかでも、スクラムについては、もっとも手応えをつかんだ部分だった。
ジョージア代表HOジャバ・ブレグバヴァゼは、日本代表のスクラムを評して「こぶしのようにひとつになっていた」と言った。
「そうなるのは簡単にできることではないが、長谷川慎コーチと選手一人ひとのり努力の結果でしょう」
サンウルブズの仲間でもある男は賛辞の言葉をおくった。
ジャパンの両PRは試合中の体感を、こう話した。
以前に戦ったときと比べての感覚を、1番の稲垣啓太は「自分たちが進化していることを感じた」
「圧力をかけられるところもあった。うまくいかなかったのは、(レフリーの)コールが聞こえず、タイミングが合わなかったときぐらい」
後半9分に奪ったトライ前の相手ボールスクラムで、稲垣は「狙っていこう」と周囲に声をかけた。
攻撃的に組めた試合だった。
3番の具智元は、初めてジョージア代表と対した。
「世界最強クラスのスクラム」との情報を頭に臨んだファーストスクラム。「これならいける」と体感した。
「思っていたほどではありませんでした。レフリーもあまり細かくなかったので、しっかり組めていると思いました」
前述の後半9分のトライ直前、稲垣が「狙っていこう」とリードしたスクラムでは、「最後は少し体が浮いてしまったのですが、組んだときに、いい感じでした」。
昨秋のフランス戦、先のイタリア戦に続き、欧州勢相手に互角に組んで、自信をまた厚くした。
密にコミュニケーションを取りながらプレーしている。
「(HO堀江)翔太さんやLOと話しながらやっています。前半、ジョージアが引いてきたときもあったので、カベさん(LO真壁伸弥)に、そんなに押さなくていいと伝えたときもありました」
具はスタジアムの芝の状態にも触れ、「雨でも滑らず、スパイクがしっかり芝を噛んでいました」。ポイントの長さも普段の21㎜でなく、18㎜でよかった。
相手がサモア、フィジーとの戦い(フィジーでのパシフィックネーションズカップ)を終えた後のツアー終盤だったことを差し引いても、強力FWを向こうにセットプレーで手応えをつかめたことは大きい。
ワールドカップ開幕まで450日あまり。
ジャパンは確実な進化を見せている。