「全仏オープン」(フランス・パリ/5月27日~6月10日/クレーコート)の大会12日目、男子シングルス準々決勝で第11シードのディエゴ・シュワルツマン(アルゼンチン)を4-6、6-3、6-2、6-2で1セットダウンから逆転勝利したラファエル…

「全仏オープン」(フランス・パリ/5月27日~6月10日/クレーコート)の大会12日目、男子シングルス準々決勝で第11シードのディエゴ・シュワルツマン(アルゼンチン)を4-6、6-3、6-2、6-2で1セットダウンから逆転勝利したラファエル・ナダル(スペイン)だが、最近の勝利には「恵みの雨」が関係しているかもしれない。

準々決勝は大会11日目に行われていたが、ナダルの動きが序盤から悪く、一方のシュワルツマンが圧倒する形でスタートしていた。

第1セットを落としたナダルは、第2セットでもシュワルツマンにリードされていたが、1ブレークダウンとされた第5ゲーム終了後、降雨のために試合は一時中断、約1時間後に試合が再開された。

そして再開後の第6ゲームでナダルはブレークバックを果たすと、第7ゲームでもブレークしてこの試合初となる1ブレークアップとした。そして第9ゲームでポイントを30-15とした時点で降雨のために試合が中断され、そのまま順延となった。

翌日に行われた再開後の試合では、うって変わって動きの良くなったナダルが2ポイントを連取して第2セットを取ると、徐々に調子を上げてきたシュワルツマンを寄せ付けることなく圧倒して第3、第4セットも連取して勝利を決めた。

ナダルは、5月の「男子テニスATPワールドツアー マスターズ1000 ローマ」でも同じように雨に助けられていた。アレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)との決勝で、第1セットを先取したナダルは、第2セットをズベレフに奪われると、その勢いのままに第3セットも攻められていた。しかし、第3セットの第5ゲームをナダルがキープしたところで降雨のために試合は50分中断。そして再開後に息を吹き返したナダルが4ゲームを連取して優勝を決めている。

また、今回の「全仏オープン」1回戦でもシモーネ・ボレッリ(イタリア)との対戦中、第3セットを0-3でリードされた時点で雨天順延となっていたが、再開後に7-6(9)で逆転して勝利を収めている。

ナダルは、雨天中断や雨天順延でも気持ちを切らすことがなく、むしろしっかりと気持ちを切り替えて試合に臨んでピンチを回避してきている。これが世界ランキング1位のクレーキングたるゆえんかもしれない。(テニスデイリー編集部)

※写真は「全仏オープン」準々決勝でのナダル

(Photo by Clive Brunskill/Getty Images)