「全仏オープン」(フランス・パリ/5月27日~6月10日/クレーコート)の大会9日目となった6月4日、ディエゴ・シュワルツマン(アルゼンチン)がケビン・アンダーソン(南アフリカ)を相手に、あわや敗戦という劣勢からの逆転劇で準々決勝に進出した…

「全仏オープン」(フランス・パリ/5月27日~6月10日/クレーコート)の大会9日目となった6月4日、ディエゴ・シュワルツマン(アルゼンチン)がケビン・アンダーソン(南アフリカ)を相手に、あわや敗戦という劣勢からの逆転劇で準々決勝に進出した。スコアは1-6、2-6、7-5、7-6(0)、6-2、試合時間は3時間51分とほぼ4時間にわたる長い試合だった。

シュワルツマンは、トップ100選手のなかで最も小柄だが、俊敏なフットワークでボールに追いつき、鋭いショットで反撃でき、リターンの技術はとりわけ秀逸。現在のランキングは、12位で、今大会には第11シードでの出場だ。

一方のアンダーソンは、現在のランキングでは7位で、シード順位は6位となっており、長身からの強力なサービスを武器にしており、リターンの得意なシュワルツマンとは好対照。体格や得意なプレーを異にする、お互いの特徴を際立たせる組み合わせとなった。

試合では、第1セットの序盤からアンダーソンがリード。第2ゲームのリターンで、同選手が2度のデュースの末にブレーク。結局、アンダーソンが1ゲームしか与えずに6-1でセットアップのリードとした。

第2セットに入ってもアンダーソンが有利に試合を展開。シュワルツマンを封じ込めて、そのまま第2セットも確保した。

しかし、第3セットには、追い込まれたシュワルツマンが劣勢ながらなんとか流れを掴む。いったん1ブレークダウンの4-5でブレークしなければ黒星というゲームで、同選手はなんと値千金のブレーク。俄然勢いづくと、そのままサービスをキープして、シュワルツマンがアンダーソンのサービスをブレーク。第3セットを確保し反撃ののろしが上がったかに見えた。

シュワルツマンはさらに、第4セットに追い上げを見せた。冒頭の3ゲーム連続でのブレークゲームが続き、シュワルツマンは再び1ブレークダウンとなったものの、第10ゲームでブレークを達成。追いつくと、試合はタイブレークに突入した。

その中で、シュワルツマンは、アンダーソンに1点も与えずに、押し切り、第4セットを確保。2セットダウンから怒涛の追い上げを見せた。

勝敗を決める最終セットでは、冒頭からブレーク合戦の様相を呈していた。両選手を合わせて4ゲーム連続でブレークを続けると、勝敗がどちらに転んでもおかしくない展開となった。

しかし最後のセットで主導権を握ったのはシュワルツマンだった。第5ゲームを終了した時点で、アンダーソンを上回る3度のブレークを達成してリードを手にすると、シュワルツマンがサービスをキープし始め、第7ゲームでもブレーク。続くサービスゲームをキープで締め、同選手が白星を手にした。

シュワルツマンは次の準決勝で第1シードの「クレーキング」ラファエル・ナダル(スペイン)と対戦する予定だ。(テニスデイリー編集部)

※写真はアンダーソンとの試合中のシュワルツマン

(Photo by Clive Brunskill/Getty Images)