【類似したホールが一つもない面白さ】杉山 通敬  中部銀次郎がカレドニアンを初めてプレイしたのは、いつなのかは知らないが、現役を引退したのは1987年で、カレドニアンが開場したのは1990年だから引退後であることは確かである。 早川会長が大…

【類似したホールが一つもない面白さ】
杉山 通敬
 
 中部銀次郎がカレドニアンを初めてプレイしたのは、いつなのかは知らないが、現役を引退したのは1987年で、カレドニアンが開場したのは1990年だから引退後であることは確かである。
 早川会長が大の中部ファンであることもあって、西澤忠氏が案内したという。そんなことから、カレドニアンの有志会員と、中部が日ごろ親しくしている仲間と、年に何回かフレンドマッチをやるようになった。
 「類似したホールが一つもない面白さ」のコメントは、そんな折の19番ホールで出たのである。その席上で、早川会長がさらにおねだりでもするように、
「もう少し具体的に言うと、どういうことですか」
と尋ね、アルコールをきこしめした中部はなめらかな口調で応じた。
「たとえば2番のパー5は縦長の三段グリーン、次の3番のパー3は瓢箪を横にしたような横長のグリーン。ですから2番は縦に並んで三つのグリーンが独立してあると思っていい。3番は横に並んで二つのグリーンがある。縦長で縦に対する距離感を試され、横長では横に対する距離感を試される。その上で、縦長では横ブレのないショットを、横長では縦というか、高いショットを試される。ですから、三段グリーンの上段にピンがあるのに下の段に乗せても乗ったことにならないし、瓢箪の右にピンがあるのに左に乗せても乗ったことにならない」
 時折、盃を口に運びながらそんなふうに言ったあとさらに、
「2番と3番だけでなく、18のグリーンがみんな違う形状をしていて、グリーン周りの造形も一つも類似してない。ですから、それに応じた攻め方をさせられる。そこがカレドニアンの面白さじゃないですか」
 ラウンド後にみんなで一杯やりながら談笑するひと時を過ごすのは実に楽しく、今となっては懐かしさが募るばかりである。
(2007年9月発行 TAM ARTE QUAM MARTE 46号より抜粋)
 
故・中部銀次郎氏も愛し、今年もKGA主催の「関東アマチュアゴルフ選手権」決勝の開催地に選ばれたカレドニアン・ゴルフクラブで、高い戦略性とオーガスタ並みの超高速グリーンを是非お楽しみください。