カーリングの『全農 2018パシフィック・アジア・カーリング選手権 日本代表決定戦』(5月18日~20日)が、北海道北見市のアドヴィックス常呂(ところ)カーリングホールで行なわれる。 女子は、平昌五輪代表のロコ・ソラーレ北見(以下、L…

 カーリングの『全農 2018パシフィック・アジア・カーリング選手権 日本代表決定戦』(5月18日~20日)が、北海道北見市のアドヴィックス常呂(ところ)カーリングホールで行なわれる。

 女子は、平昌五輪代表のロコ・ソラーレ北見(以下、LS北見)と、2月の日本選手権で優勝した富士急が対戦する。最大5戦で、先に3勝したチームが11月のパシフィック・アジア選手権に日本代表として派遣されることになる。

 下馬評では、”ホーム”のLS北見が有利という声が大きい。



五輪銅メダルのLS北見が、今度は日本選手権覇者・富士急との日本代表決定戦に臨む

 平昌五輪で銅メダルを獲得した後、3月上旬には藤澤五月、吉田知那美、吉田夕梨花ら主力メンバーがミックスダブルス日本選手権に出場。吉田知のペアが3位、藤澤のペアが優勝している。

 4月に入ってからも、チームとしてカナダで開催されたワールドツアー最高峰タイトルとなるグランドスラムに挑戦。クオリファイ(プレーオフ進出)を果たすなど、高いレベルで試合勘を維持している。

 藤澤は、スウェーデンで行なわれたミックスダブルスの世界選手権に出場するため、グランドスラム最終戦となるハンプティーズ・チャンピオンズカップではチームから離れたが、同大会では主将の本橋麻里がアイスに乗った。その点もプラス材料に考えていいだろう。

 一方、ミックスダブルス世界選手権に挑んだ藤澤も、日本代表過去最高となる5位という結果を残し、スキップとして、また違う感覚と経験を得た。

 こうした充実の今季終盤を過ごしたLS北見には大きな問題はないように思えるが、唯一の不安要素があるとすれば、やはり長いシーズンを戦い続けて蓄積している疲労だろうか。

 ツアー最終戦のハンプティーズ・チャンピオンズカップでは、リードの吉田夕が序盤2試合を欠場するなど、満身創痍の戦いだったことは間違いない。代表決定戦に向けて、改めてチームをピークに持ってくることができるのか、一抹の不安がある。

 ともあれ、LS北見は本番を前にして、地元常呂に5人のメンバーがそろって練習メニューを消化。最終調整では、男子の平昌五輪代表・SC軽井沢クラブを相手に、メンバーを入れ替えながら実戦形式でのトレーニングをこなして準備に抜かりはない。

 LS北見の不安要素を踏まえれば、5戦目までもつれれば、富士急にもチャンスが十分に出てくる。その意味でも、富士急はなんとか初戦をものにして、五輪メダルチームの歯車を狂わせたいところだ。

 富士急は、日本選手権では実力も実績もある2チーム、中部電力、北海道銀行フォルティウスを破っての初優勝。カナダで行なわれた3月の世界選手権でも5勝を挙げるなど、国内外で結果を出し始めて、チームの成長は著しい。

 そんなチーム力の向上とともに、世界選手権から帰国した際にはスキップの小穴桃里(こあな・とうり)が早速、「(地元に)帰ってすぐ練習、と思っています。目の前のことを一つひとつクリアにしていきたい」と、今回の代表決定戦に向けて抱負を語るなど、トップチームとしての自覚と欲も芽生えてきた印象だ。

 小穴の言葉どおり、世界選手権後も精力的に活動。ゴールデンウィークにはホームリンクのカールプレックスフジ(山梨県山中湖村)で行なわれた大会『Fujicurl』で全勝優勝するなど、大一番に向けて順調な仕上がりを見せている。

 チーム一丸となって、再び”JAPAN”のジャージに袖を通せるのか、注目だ。

 2022年の北京五輪への選考レースは、2019-2020シーズンから本格化する。逆算すれば、来季の2018-2019シーズンのみ、各チームが結果を気にせず、強化に集中できる貴重な時期だ。

 その来季、再び世界で戦うために、LS北見と富士急が今季の締めくくりとなる”負けられない戦い”に挑む。