4月9日、マディソン・ブレングル(アメリカ)がフロリダ州裁判所に、血管に針を刺す行為を伴うアンチ・ドーピングの血液検査に関する「肉体的かつ感情的影響」を理由に、WTA(女子テニス協会)とITF(国際テニス連盟)を訴えた。「彼女は、アンチ・ド…

4月9日、マディソン・ブレングル(アメリカ)がフロリダ州裁判所に、血管に針を刺す行為を伴うアンチ・ドーピングの血液検査に関する「肉体的かつ感情的影響」を理由に、WTA(女子テニス協会)とITF(国際テニス連盟)を訴えた。

「彼女は、アンチ・ドーピング・プログラムがあること自体に異を唱えているのではない。選手は実施されるテストを常に受けられる状態にあるべきだ、ということに異論はない。しかし、医学的に適切なやり方で行われなければならないのだ」と、ブレングルの弁護士であるピーター・ギンスバーグは訴訟を起こした後に電話インタビューで語った。

「そして、プロテニスを運営している者たちだけでなくテニスをプレーする者も考慮に入れたやり方で行われなければならない」ともギンスバーグは述べた。「これは完全に権威者たちに支配されているシステムだ。選手からは意見を聞き入れることもなく、選手のための考慮もまったくない」

被告人には、ITFのスチュワート・ミュラー、ITFの薬物テストを実施しているスウェーデン企業である国際ドーピング・テスト&マネージメント (IDTM)、IDTMのドーピング管理官であるジョン・スノーボールも含まれている。

WTAとITFのスポークスマンは、コメントを求められてもすぐに応じなかった。

訴状によると、「ブレングルが稀な体調と診断されていることを知っていながら無視して検査を行い、そのためにブレングルは血管に針が差し込まれたことからくる一時的、また消えることのない肉体的な傷害、感情的なトラウマ、痛み及び苦しみを負うことになった」という。

さらに「ブレングルは、もはや腕に通常の力を入れることができず、心的外傷後障害に苦しめられており、肉体的にも感情的にもダメージが生じている」と付け加えている。

訴状では、テストに問題があった大会として、2009年の「ウィンブルドン」、2016年の「全豪オープン」、「ウィンブルドン」、「全米オープン」が挙げられている。

ブレングルは、テストによる反応のために複数の大会に出場することができなかった、とも話している。

「彼女は血を提供することはできる。ただ血管に針を刺されることに耐えられないのだ。指をピンで刺して血を提供することはできるかもしれない。尿検査ならば問題なく提出する」「彼女はテストを避けようとしているのではない。針が血管に刺されることを避けようしているのだ」とギンスバーグは述べた。(C)AP(テニスデイリー編集部)

※写真は訴えを起こしたマディソン・ブレングル(「全豪オープン」のときのもの)

(AP Photo/Andy Brownbill)