4月11日、NBAはレギュラーシーズンの全日程を終え、プレーオフ出場チームが決定した。NBAではこのところウォリアーズとキャバリアーズがファイナルで顔を合わせる『2強時代』となっているが、今シーズンは様子が異なる。チームごとの競争力の差が詰…

4月11日、NBAはレギュラーシーズンの全日程を終え、プレーオフ出場チームが決定した。NBAではこのところウォリアーズとキャバリアーズがファイナルで顔を合わせる『2強時代』となっているが、今シーズンは様子が異なる。チームごとの競争力の差が詰まっている印象で、西ではロケッツが、東ではラプターズがカンファレンス首位でレギュラーシーズンを終えた。現地14日から始まるプレーオフでも熱戦が期待される。

大混戦の西カンファレンス、プレーオフも予測不能

ロケッツ(1位/65勝17敗)vsティンバーウルブズ(8位/47勝35敗)
ウォリアーズ(2位/58勝24敗)vsスパーズ(7位/47勝35敗)
ブレイザーズ(3位/49勝33敗)vsペリカンズ(6位/48勝34敗)
サンダー(4位/48勝34敗)vsジャズ(5位/48勝34敗)

今シーズンの西カンファレンスは過去に例がないほどの大混戦となった。3位から8位までが2ゲーム差にひしめき合い、力の差はほとんどない。当然、プレーオフも1回戦から予想が難しい。

注目カードを挙げるのであれば、前年王者のウォリアーズvsスパーズだ。ウォリアーズはエースのステフィン・カリーが左ひざの負傷で戦線離脱し、1回戦には間に合わない見込み。ジャズとの最終戦ではケビン・デュラントやクレイ・トンプソンなど主力選手を擁しながら、勝利への執念で下回り40点差の完敗を喫した。カリーの代役として契約をつかみ取ったクイン・クックもこの日はわずか8得点と振るわず、課題を残したままプレーオフに突入することになった。

一方のスパーズはエースのカワイ・レナードが右足四頭筋の腱を痛めて長期戦線離脱中であり、プレーオフに出場できるかどうか分からない。それでもシーズンの大半でエースを欠きながらプレーオフの切符をつかみ取った安定感、そして強豪であり続ける経験は、ウォリアーズにとっても脅威になる。手駒ではウォリアーズが優位に立つが、名将グレッグ・ポポビッチの手腕、優勝を知るマヌ・ジノビリやトニー・パーカーといったベテランの経験値は、スパーズの強力なアドバンテージになる。

東カンファレンスでは若きバックスとシクサーズに注目

ラプターズ(1位/59勝23敗)vs ウィザーズ(8位/43勝29敗)
セルティックス(2位/55勝27敗)vsバックス(7位/44勝38敗)
セブンティシクサーズ(3位/52勝30敗)vsヒート(6位/44勝38敗)
キャバリアーズ(4位/50勝32敗)vsペイサーズ(5位/48勝34敗)

東の注目カードはセルティックスvsバックスだ。開幕節にゴードン・ヘイワードが重傷を負いシーズン全休となったセルティックスだが、カイリー・アービングが強力なリーダーシップを発揮して若いチームを牽引した。ルーキーのジェイソン・テイタムが期待以上の働きをし、他のロールプレーヤーたちもチームプレーに徹して、東の首位を長らく死守。だが4月5日、クラブはアービングが古傷である膝の手術をすることを発表し、プレーオフの全休が決定。セルティックスはアービング抜きでの戦いを強いられることになった。

主力を失ったセルティックスと対照的に、バックスは長いシーズンを戦いながら着実にチームとしての成熟度を増してきた。ヤニス・アデトクンボという絶対的なエースを擁し、脇を固めるタレントも揃う。プレーオフに向けてブランドン・ジェニングスと契約し、準備万端だ。ジェイソン・キッドの解任というアクシデントを乗り越えたバックスにはアップセットの予感が漂う。

また今シーズン最大のサプライズチームであるシクサーズにも注目したい。有望な若手を揃えて期待を集めたチームだが、これだけの結果を出すとは予想できなかった。若いタレントたちは東の3位になってもまだ暴れ足りないように見える。

プレーオフはレギュラーシーズンに比べ一つの試合の強度が全く異なるため、どのチームも足元をすくわれかねない。長いシーズンの終盤だけに、選手のコンディションを保つのも簡単ではない。4戦先勝方式でチーム力の差が結果に反映されやすいフォーマットではあるが、いつでも波乱が起きる可能性を秘めている。