「LION ITTF-ATTU アジアカップ横浜2018」<4月6〜8日/横浜文化体育館>の大会2日目。前日の第1ステージ(予選リーグ)で世界ランク1位の樊振東(中国)に初勝利した同13位の張本智和(JOCエリートアカデミー)は第2ステージ(決勝トーナメント)での快進撃もおおいに期待された。ところが準々決勝にあたる初戦で同27位のチョ サンウン(韓国)にゲームカウント1-4で敗戦。「調子は昨日と同じで良かった」という張本だが、いったい何が起きたのだろう?
本人の説明はこうだ。まず試合の出足から異変は起きていたようで、「昨日は入ったボールがミスになり、『あれ? おかしいな』と思ったまま修正できなかった」と話す。ミスは台上プレーに多く見られた。例えば、相手のストップレシーブが高めになったところをチャンスと見て、すかさずフリックで返球しようとしたが、強打し過ぎてオーバーしたり、自信のあるバックに回りこんだボールがミスになったりという具合だ。
「フォアでも決まるボールだったのに、足を動かしたぶんミスが多くなった。普段はバックに回り込んで打っているボールで、たまにはミスもあるが、今日はそれが多過ぎた」と張本は言う。
さらに一番の敗因に第3ゲームのミスを挙げ、「チャンスボールが5本あって、それを全てミスしてしまった。そのゲームを取られてから相手が勢いに乗った。決められるところで決められなかったのが敗因」と指摘。「チャンスボールのミスが多かったのは、少し焦ったせいかもしれない」とも話している。焦りの要因はチョ サンウンのカウンターにもあったようだ。
「自分のフォアハンドに威力がないので、相手のブロックで合わせられた。相手は怖くなかったと思う。初めのチキータからいい展開が作れると思ったが、チキータを返されるのも速かったし、チャンスボールを打ってもブロックがほぼ全部入ってきたりして、相手はミスしなかった。それで自分は慌ててしまった」
一夜にして天国から地獄に突き落とされたような思いをした張本だが、意気消沈した準々決勝後の5-8位決定戦では、前回チームワールドカップ(団体)で苦戦し負けた世界ランク7位のコウ鎮廷(香港)にストレート勝ちして一矢報いた。ワールドカップ出場権をかけた最終日の5-6位決定戦では丹羽孝希(スヴェンソン)との日本人対決が待っている。
(文=高樹ミナ)