左から石川佳純、平野美宇、丹羽孝希、張本智和

 卓球の世界三大大会の一つといわれるワールドカップの出場権がかかった「LION ITTF-ATTUアジアカップ横浜2018」<4月6~8日/横浜文化体育館>が開幕前日の5日、ドロー(組み合わせ抽選会)と日本人選手の記者会見を行った。日本から出場するのは男女各2人。男子は丹羽孝希(スヴェンソン)と張本智和(JOCエリートアカデミー)、女子は石川佳純(全農)と平野美宇(日本生命)という顔ぶれだ。



 予選リーグにあたる第1ステージは上位12名の選手がグループA/B/Cの3グループ(同じ協会の選手が同一グループにならないよう、抽選会で調整が行われる)、各地域代表者(南・南東・西・中央アジア)がグループDに分かれ。リーグ戦形式で1試合5ゲームマッチを行い。各グループの上位2名が第2ステージに進出。各グループの3位の選手は、グループDの1位の選手を交え、第2ステージの残り2枠をかけて試合を行う。

 注目のドローは最新の世界ランクで初の1位に立った樊振東(中国)のいるグループAに張本が入った。さらに世界ランク16位のベテラン荘智淵(台湾)もここに入り、グループAは厳しい戦いが予想される"死の組"となった。

 これを受けて張本は、「苦しい試合になると思うが、そこを耐えて勝ち抜いて決勝トーナメントで優勝できるようにしたい。いい試練だと思う」とやや険しい表情。記者からの「全日本王者として臨む大会だが?」との質問に対しては、「全日本選手権が終わって3カ月が経ち、その間に自分の成績が出ず、全日本優勝のプライドはほぼ捨てたようなもの。今回は一から優勝するという気持ち」と強敵ぞろいの大舞台であくまでも向かっていく立場であることを強調した。

 また2月のチームワールドカップ(イギリス・ロンドン)で初対戦し敗れている樊との戦い方については、「上手くバックハンドで攻めて、相手のフォアハンドで得点されないような展開になれば」と話した。

 一方、世界ランクで日本人男子トップの9位につけている丹羽は、「年1回のジャパンオープンしか日本では国際大会が行われないので、アジアカップが(横浜で)行われるのは嬉しい。(同大会には)過去5回出て一度もベスト4に入ったことがないので、自己新記録のベスト4を目指したい」と意気込みを語っている。


プロ初試合の平野、連続表彰台を狙う石川

 女子は3月30日にプロ宣言したばかりの平野はプロになって初めての大会を迎える。気持ちも新たに試合に臨む心境を「そんなに変わらない。自分の試合をすることを意識したい」と語っており、いい意味で肩の力が抜けているようだ。

 振り返れば、昨年のアジアカップ(インド・アーメダバード)は彼女にとって苦い大会となった。思うように力が発揮できず、予選リーグを突破できずにプレーオフで決勝トーナメントへ。そこで朱雨玲(中国)にストレート負けを喫し、3位決定戦では石川に破れて4位に甘んじた。今回、朱雨玲とは予選リーグで同じグループB。平野は密かに雪辱に燃えている。



 一方、2週間前のドイツオープン女子シングルスを制し、ITTFワールドツアー最高格付けのプラチナ大会で初優勝した石川は引き続き好調をアピール。「時差ボケも直ってきたし、3週間後に控えた世界卓球につながるいいプレーをして自信をつけたい」と話した。昨年3位表彰台に立ったアジアカップについては、「レベルの高い選手ばかりで予選リーグから勝ち上がるのが難しい」とも言及。

 また、大会を迎えるにあたって、「普段のワールドツアーは紅双喜(中国製)のボールを使っているが、今回は久しぶりにニッタク(日本製)のボールなので、そこを意識して調整してきた」と明かした。

 その石川はドイツオープン決勝で下したカットマンのソヒョウォン(韓国)と同じグループC。再びの対戦を前に、「カットマンの選手とたくさん当たる中で(勝てるようになって)自信がついてきた」と余裕をのぞかせていた。


大会スケジュールは以下の通り。
4月6日(金)10:00~ 男女第1ステージ(第1~3試合)
4月7日(土)10:00~ 男女第1ステージ(プレーオフ)/11:30~ 男女準々決勝、準決勝
4月8日(日)10:00~ 男女順位決定戦/15時~ 男女決勝

(文=高樹ミナ)