Now Do社 取締役副社長 鈴木氏 本田圭佑氏がCEOを務めるNow Do社とスポーツブルが共同で運営するスポーツマッチングサービス「Now Do」がいよいよスタートします。サービスの誕生秘話やビジネスの仕組みと展望、協業の目的などについ…

Now Do社 取締役副社長 鈴木氏

 本田圭佑氏がCEOを務めるNow Do社とスポーツブルが共同で運営するスポーツマッチングサービス「Now Do」がいよいよスタートします。サービスの誕生秘話やビジネスの仕組みと展望、協業の目的などについて、Now Do社の取締役副社長 鈴木良介氏とスポーツブルを運営する運動通信社の代表取締役社長 黒飛功二朗に話を聞きました。

Q1 鈴木さんは本田さんといつどのようにこのNow Do事業を発想したのですか?

(鈴木氏)
ちょうど2年前に本田といつも通りSkypeでサッカースクールやスポーツ事業に関してのミーティングをしていました。当時は本田がイタリアに居たので、日本時間の夜中だったと思います。

サッカースクールを拡大し、指導者を多く抱え、施設経営などを展開していく中で生まれた課題をどのように改善していくかという話の中で、幾つか課題解決の案を二人で考えてみようとなりました。

そして、ユーザー、指導者(トレーナー)、施設という各々の立場を理解できる僕達は、三者にとって良いサービスが作れるのではないかという発想に至ったのが、今回のNow Doというサービス立ち上げのキッカケになっています。

Now Do社 取締役副社長 鈴木氏

Q2 現役トップアスリートでCEOの本田さんと、COOの鈴木さんの会社での役割分担を教えてください。

(鈴木氏)
本田はCEOという立場で、会社の目指す方向性を明確にしながら、事業計画までも一緒に作っています。彼が掲げる目標値は僕ら一般人の常識外なので、皆がその目標に引っ張られていつの間にか皆の当たり前のレベルが上がっていることが多々あります。彼自身がそのように生きているのを僕らは知っているから彼の言葉には説得力があるのだと思います。

僕はその本田の考えや理念をしっかりと現実的な形に落とし込む作業をしています。実際、事業計画として進められるものかどうかなどを具体的に考えていくイメージです。

また、現役選手である本田が実際に事業に関わる事で与えられる影響は非常に大きいと思っています。今回のNow Doサービスはいま盛んに言われているスポーツ選手のセカンドキャリアやマイナースポーツの普及などの解決にも繋げたいと思っていて、まずはもっと多くの人に現状を知ってもらう必要があると考えています。

本田自身が積極的にこのような事業に関わることで、多くの人にこの現状が伝わる事にもなりますし、日本国内のスポーツ文化をより発展させていけると思っています。

Q3 アスリートかつCEOの本田さんの生活はどのような感じなのでしょうか?

(鈴木氏)
昨年本田のオフシーズンの自主トレをアメリカで行いました。僕も毎回一緒にトレーニングをさせてもらっているんですけど、当たり前のことですが、本当にキツイんですよね。しっかりとプログラムを組んで午前・午後と行うのですが、僕は途中で脱落しています。

それを何日間も続け、食事や睡眠時間もほぼ同じ時間なんですが、本田はその合間で事業ミーティングもしっかりと設けます。時間を無駄に使うことは大嫌いなんだと思います。

サッカー選手としてのトレーニングが10時間以上あるわけではなく、トレーニングは一回2時間弱でその他の時間は有効に使えるわけで、本田自身はその時間で僕らと事業に関するミーティングを行っています。

Q4 本田さんのインタビュー動画内で「Uber」というサービス名が例えで出ましたが、あれは以前からイメージされていたのですか?

(鈴木氏)
アメリカにいたときの移動ではUberは主流ですし、便利なので、僕も本田もよく利用していました。まさにアメリカで一緒にUberに乗っていたときに、僕らのサービスって、車が施設、運転手がトレーナー、乗客がユーザーだよね。という話で盛り上がったんです。

Now Do社 取締役副社長 鈴木氏

Q5 Now Doの今後のローンチ計画をお聞かせください。 

(鈴木氏)
まずは、スポーツブルさん、KDDIさんと協力をして関東圏のみでサッカーのみのβ版を夏前までにはスタートさせたいと思っています。登録施設は50、トレーナーを100名確保していきます。

また、次のステップとしてはサッカーだけに限らず、オールスポーツへの展開を考えています。

Q6 スポーツブルとKDDI社と協力をしていくとのことですが、そもそも鈴木さんや本田さんと、スポーツブルとの出会いの経緯について教えてください。

(黒飛)
2017年10月くらいに鈴木さんとの共通の知人から相談を受けまして、ぜひ詳しく聞きたいと思い、鈴木さんを含めミーティングをしました。最初に聞いた時点で「面白い!やろう!」と思い、次の会議で私からこういうスキームにしたいと提案させてもらいました。

私の中でも2年ほど前から「Do」領域でのチャンスを検討していて、どうしても成功させるためのピースが見当たらない状況でした。Now Doさんという最高のパートナーが見つかり、いざ「Do」領域への船出を決意した感じです。

昨年末に本田CEOと直接お会いして会議させてもらったのですが、やはり本田さんの存在感、迫力は目を見張るものがあって、普段あまり物怖じしない私もさすがに少し緊張したのを覚えています。

ただ、会議が始まるやいなや、正直やりとりが楽しくて仕方なくて、この人には僕のこれまでのスポーツブルに至った経緯とか、小学生の時の話とかもう全部話しちゃおうって感じたんです。小学生の時は空手だけ、中学、高校時代は、スケボーと音楽に明け暮れていたこと。集団行動が苦手で部活というものからずっと距離を置いていたこと。そんな話からなぜ私がこのスポーツブルに全力を傾けるのか?まで、20分ほどで話し切りました。

その時の本田さんの一言一言の反応を見て「この人と事業をチャレンジしてみたい」と思いました。結果、スポーツブルを大きくすること、同時にNow Doを大きくすることが同じベクトルだとすり合わせることができたんです。

スポーツブル 代表 黒飛

Q7 Now Do社とスポーツブルが共同でNow Doを運営する目的を教えてください。

(黒飛)
スポーツブルはインターネットスポーツメディアです。野球、サッカーはもちろん40種類を超える競技のニュースやコンテンツが毎日700件ほど配信されており、毎日スマホでスポーツをチェックするためのサービスです。そんなデイリーアクティブなサービスにNow Doが連携することで、常にフレッシュなユーザーをNow Doに送り込むことができる。

スポーツブルユーザーがもし競技者だった場合、 憧れのアスリートのスーパープレー映像を見たあと、自分もそのプレーをいつかやってみたい!と思うと思うんですよね。だったらNow Doですぐにトレーニングを受ければいいんです。

また、Now Doに登録いただくトレーナーの方々の情報発信の場としてもメディア機能はとても親和性が高いと思います。教えてもらうトレーナーの人となりや、得意分野などトレーニングを受ける前からトレーナー情報を取得できます。

こういった様々な観点でスポーツの「watch」と「Do」を繋げていくことができると思うんです。

Q8 KDDI社とも連携するとのことですが、どのような連携でしょうか?

(黒飛)
KDDIさんには2016年11月から協業パートナーとしてスポーツブルのサポートをしていただいています。

スポーツブルがNow Doをサポートするだけでなく、通信、テクノロジーカンパニーとしてのKDDIさんがサポートする意味は非常に大きいと思います。今後の5G/IoT時代においてスポーツ体験から抽出されるデータの価値は飛躍的に伸びると思います。

Now Doにはユーザー毎のカルテ機能がありますので、そのカルテにトレーニングから抽出できるデータがストックされていく予定です。これまでの抽象的な根性論だけでなくデータドリブンなトレーニングプランが導き出され、スポーツの体験価値はさらに高まっていくと考えています。

そんな未来を共に創造していく心強いテクノロジーパートナーとしてKDDIさんにご参画いただくイメージです。

Q9 Now Doの今後の展望について、おふたりの考えをお聞かせください。

(鈴木氏)
僕らの展望としては、早い段階で、サッカー以外のスポーツに展開していければと思っています。そして育成年代で習い事というものが少しずつユーザー主導型に変化し、スケジュール管理がもっとしやすくなって、時間を有効に使って自分の目標を目指しやすくなる世の中にしていきたいと思っています。まずは、この業態での日本一のシェアを目指します。

また、グループ会社では海外の展開も行なっているので、海外でのサービス展開は当然考えています。

(黒飛)
そうですね、サッカーから実験的にスタートし、その後とにかく競技数を増やしていきたいです。そして競技の垣根を越えて、「本気でスポーツするならNow Doだ」という時代を早く作りたいです。

スポーツブルは「日本をスポーツ大国にする」と掲げていますので、この取り組みがそこに繋がっていけば嬉しいです。そのためにはコアなアスリートだけでなく、スポーツとの関わりが強くなかったユーザーでも気軽にNow Doを使っていただけるようになりたいです。

運動会のかけっこで一位をとってみたい。もっとスーツの似合うかっこいい身体になりたい。運動不足だから昔やっていたスポーツをやり直したい。そんなきっかけからでもスポーツとの関わりは広がっていくと思っています。

一人でも多くの生活者がスポーツと関わりをもち、その関わりの総量が大きくなることで日本はスポーツ大国に近づくと信じています。

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鈴木 良介(すずき りょうすけ)
Now Do株式会社 取締役副社長

1981年、東京都出身。本田圭佑と共に2010年から国内外でサッカークリニックなどを開催。2012年にはSOLTILO FAMILIA SOCCER SCHOOLを本田と共に立ち上げ全国76校にわたる国内外でサッカースクール、施設運営事業を行うSOLTILO 株式会社を設立。取締役副社長に就任。
今回のNow Do株式会社の取締役副社長に加えて、スポーツ競技におけるセンシング技術を使った(ウェアラブル)IoT事業ビジネスを展開するKnows株式会社、2019年4月からスタートする 幕張ベイエリア内の 認可保育園、インターナショナルスクールの経営を行うSOLTILO CCC株式会社の代表取締役社長も務める。

 

黒飛 功二朗(くろとび こうじろう)
株式会社運動通信社 代表取締役社長

1980年生まれ。神戸大学経営学部卒業。株式会社電通に入社。電通では放送局の担当を経て、デジタル関連部署に退社まで在籍。ナショナルクライアントのデジタルマーケティングプロデューサーを経験したのち、多数のインターネットサービスのコンサルタントに従事。
その後、事業の成長戦略立案、実施運営をワンストップで行うリムレット株式会社を設立。夏の高校野球のライブ配信事業「バーチャル高校野球」のプロデュースを筆頭に、 数多くのスポーツインターネットサービスの立ち上げに携わる。
スポーツインターネットメディア事業に特化した株式会社運動通信社を設立、代表取締役社長に就任。