3月26日(月)、米国東部バージニア州マーティンズビルのマーティンズビル・スピードウェイでモンスターエナジー・NASCARカップ・シリーズ第6戦「STP 500」が開催されました。カップ・シリーズが行われるオーバルでは最短の1周0.526マ…

3月26日(月)、米国東部バージニア州マーティンズビルのマーティンズビル・スピードウェイでモンスターエナジー・NASCARカップ・シリーズ第6戦「STP 500」が開催されました。
カップ・シリーズが行われるオーバルでは最短の1周0.526マイル(約850m)のマーティンズビルは、その形状から「ペーパークリップ」の愛称で呼ばれています。バンク角も浅く、ロードコースのヘアピンとストレートが1周あたり2回ずつ繰り返されるような、タフなコースです。
1949年に初めてのNASCAR線が行われた、歴史の長いこのコース、トヨタは過去に7勝。中でもショートオーバルを得意とするデニー・ハムリンが5勝、カイル・ブッシュも2勝を挙げています。 

24日(土)、午前中に練習走行を行い、併催のトラック・シリーズ戦を経て予選が行われる予定でしたが、トラック・シリーズ戦の最中に雪が降り始め、予選はキャンセルに。その後も季節外れの雪は降り続き、コースや周辺地域は真っ白な雪に覆われてしまいました。このため、日曜日に予定されていた決勝レースも月曜日に順延。中断となったトラック・シリーズ戦のあと、ダブルヘッダーでの開催となりました。
トラック・シリーズ戦が終わって僅か1時間20分ほどの午後2時6分、0.526マイルショートオーバルを130周、130周、240周の3ステージ合計500周(263マイル:約420km)して競われる決勝レースがスタートしました。
予選がキャンセルとなったため、規定によりスターティンググリッドは前戦までのオーナーポイント(ドライバーにかかわらず車両ゼッケンにかけられる選手権)で決定され、マーティン・トゥルーエクス・Jr.とカイル・ブッシュが最前列に並んでスタート。当初はポールポジションのトゥルーエクス・Jr.がリードしましたが、4周目にカイル・ブッシュが首位奪取。ここに6番手スタートから順位を上げたハムリンも加わり、26周目にはハムリンが首位浮上と、“トヨタ カムリ”勢による首位争いが繰り広げられました。
序盤のコンペティション・コーション(タイヤ摩耗チェックなどのために主催者によって予定されて出されるコーション)のあとはイエローコーションが出ない展開となり、そのままハムリンがステージ1を制覇。今季初のステージウィンを果たしました。カイル・ブッシュが4位で、ステージトップ10フィニッシュで与えられるポイントを獲得しました。
ステージ2もイエローコーションが出ないままの展開となりました。ハムリンはややハンドリングに不調をきたすもトップ5を維持。カイル・ブッシュが3位、ハムリンが5位でステージ2を終えました。
ステージ3もロングランが続く展開となる中、前半ハンドリング不調でトップ10圏外に落ちていたトゥルーエクス・Jr.が、調整が効を奏しポジションアップ。カイル・ブッシュ、ハムリンと共に上位争いに加わりました。
しかし、ハムリンはショートトラックならではの激しいバトルの中で、前走車との接触で車体前部にダメージ。オーバーヒート症状に見舞われ、修復のためポジションダウン。
終盤、長いグリーンフラッグランで周回遅れが多発する中、カイル・ブッシュは首位を1秒ほどの差で追走。しかし、イエローコーションは出ないままチェッカーとなり、カイル・ブッシュは2位でフィニッシュ。今季6戦目にして3度目の2位フィニッシュとなりました。
トゥルーエクス・Jr.は終盤順位を上げ4位でフィニッシュ。ドライバーズランキングでは4戦連続トップ3のカイル・ブッシュが首位に浮上し、トゥルーエクス・Jr.との1,2位は守りました。 

次戦第7戦は4月8日(日)、米国南部テキサス州フォートワースのテキサス・モーター・スピードウェイで行われます。 

ドライバー カイル・ブッシュ:
「今日の“トヨタ カムリ”は、土曜日の練習走行時よりも間違いなく好調でした。周回遅れをかいくぐりながらの走行で、終盤にはチャンスがくるはずだと考え、それを待ちましたが、惜しくも叶いませんでした。我々は彼(クリント・ボウヤー:フォード)を追い詰めましたし、毎週良いレースを戦っています。クルーも、私自身もそれはよく分かっています。ただ、まだ勝利には足りないということです。我々はチャンピオンを争えるチームであり、必ずそれが勝ち取れると知っています」