女子のプロツアーのランキングは、出場した大会の内ポイントの高かった17大会の合計ポイントで決まる。各ポイントは52週経つと自動的に消滅して、各選手のランキングはポイントの合計から毎週発表される。以前男子プロツアーの仕組みを紹介したが、今回は…

女子のプロツアーのランキングは、出場した大会の内ポイントの高かった17大会の合計ポイントで決まる。各ポイントは52週経つと自動的に消滅して、各選手のランキングはポイントの合計から毎週発表される。以前男子プロツアーの仕組みを紹介したが、今回は女子プロツアーのWTAランキングを中心に、その仕組みを簡単に説明する。

■女子テニス協会(WTA)の成り立ち

1968年頃からグランドスラムのオープン化が始まり、それまでアマチュアであった多くの選手がプロテニスプレーヤーになった。同じ頃にグランドスラム4大会で賞金制度が導入されたが、1970年になっても女子選手の賞金額は男子の1/8くらいにすぎなかった。当時女子チャンピオンだったビリー ジーン・キング(アメリカ)が「女性によるテニスツアー」を提唱し、1973年に組織を作った。この組織が、その後「女子テニス協会」となり、WTAポイントによるランキング制度が整った。

■WTAポイントの仕組み

女子シングルスの順位は、WTAポイントで決まる。グランドスラムの優勝者には2,000ポイントが与えられ、準優勝者はその65%となる1,300ポイントを得る。

男子のATP1000に相当する大会を、賞金とポイントの違いからWTAでは2種類に分けている。それが、プレミア・マンダトリーとプレミア5である。プレミア・マンダトリーの優勝者には1,000ポイントが、プレミア5の優勝者には900ポイントが与えられる。

一方、男子のATP500に相当する大会がプレミアで、優勝者には470ポイントが与えられる。その他、優勝者に280ポイントが与えられるインターナショナルなどもある。女子のプロテニス選手はこれらの大会に出場し、ポイント獲得を争うわけだ。

■BNP パリバ WTAファイナルズ・シンガポール

男子の「Nitto ATPファイナルズ」と同じように女子には「BNP パリバ WTAファイナルズ・シンガポール」があり、1年の終わりに年間獲得ポイントの高い上位8名が争う。4人ずつのグループに分かれリーグ戦を行い、上位2名が決勝トーナメントに進むという仕組みだ。

男子と異なるのは、年間獲得ポイントの9~20位の選手が出場できる「WTAエリート・トロフィー珠海」があることだ。この大会では3人ずつ4グループに分かれて戦い、各グループの上位1名が決勝トーナメントに進む。

ランキングの推移に注目しながら試合を観戦するのも、プロテニスの醍醐味だ。今行われているのがどのレベルの大会で、上位の選手がどのくらい出場しているのかを確認しながら観戦すると、より楽しみ方の幅も広がるだろう。(テニスデイリー編集部)※写真は2017年の「BNP パリバ WTAファイナルズ・シンガポール」で優勝したウォズニアッキ

(Photo by Matthew Stockman/Getty Images)