ロジャー・フェデラー(スイス)の6度目の優勝で幕を閉じた「全豪オープン」。ほかにも、マリン・チリッチ(クロアチア)や昨年の「Next Gen ATP ファイナルズ」で優勝した期待の若手チョン・ヒョン(韓国)ら、トップ層に食い込んできた強豪や…

ロジャー・フェデラー(スイス)の6度目の優勝で幕を閉じた「全豪オープン」。ほかにも、マリン・チリッチ(クロアチア)や昨年の「Next Gen ATP ファイナルズ」で優勝した期待の若手チョン・ヒョン(韓国)ら、トップ層に食い込んできた強豪や次世代のエース候補と注目されている選手がトーナメントを勝ち上がった。

他方で、2018年最初のグランドスラムでは、オーストラリアを舞台に普段は表に現れない選手も脚光を浴びるなど存在感を示した。今回はそんな選手らを振り返る。

■ランキング3位のディミトロフを下したカイル・エドマンド(イギリス)

昨年の「Nitto ATPファイナルズ」で優勝し、「全豪オープン」にはランキング3位で出場したグリゴール・ディミトロフ(ブルガリア)。そのディミトロフを準々決勝で破ったのがノーシードから勝ち上がってきたエドマンドだ。

同選手は総合的に完成度の高いプレーをするハードコート向きのオールラウンダーで、現在23歳。「全豪オープン」に出場した時点では49位だったが、トップ3と頂点に上りつめつつあるディミトロフを6-4、3-6、6-3、6-4で見事に撃破した。

ベスト4に進出したことで、「全豪オープン」後の1月29日付けのランキングでは自己最高を更新する26位に上昇。まだまだこれから伸びていく余地のある年齢なだけに、今後ATPツアーで大きな存在感を示すことも期待できそうだ。

■準々決勝でフェデラーと対戦し、再び脚光を浴びたトマーシュ・ベルディヒ(チェコ)

ラファエル・ナダル(スペイン)、フェデラー、ノバク・ジョコビッチ(セルビア)、アンディ・マレー(イギリス)とBIG4も30代に入る中で、かつてならベテランと呼ばれたかもしれない32歳のベルディヒもベスト8入りし注目を集めた。

ベルディヒは派手さはないものの、あらゆるショットを高精度で安定して打てる特長がある。最高ランキングでは4位に入ったこともあるなど、すでに実績のある選手だ。昨年は10位から20位の間で順位が推移していたものの、2010年7月から2016年10月ごろまでトップ10に入り続けるなど安定した強さを見せてきた。

今回の「全豪オープン」でベルディヒは準々決勝まで進出し、フェデラーと対戦。6(1)-7、3-6、4-6と結果は負けたものの、フェデラーを相手に第1セットはタイブレークにもつれ込むなど善戦。実力を再び観衆に印象付けた。

■ダークホースでトーナメントを駆け上がったテニス・サングレン(アメリカ)の躍進

ノーシードから準々決勝まで勝ち上がった選手がサングレンだ。「全豪オープン」に出場した時点では97位とぎりぎり100位圏内に入っていたところだったが、上位に進出して驚かせた。

「全豪オープン」でサングレンは臆すことなく果敢なプレーを展開。その結果、怪我からの復帰を図っていたスタン・ワウリンカ(スイス)を6-2、6-1、6-4で下したほか、当時ランキング5位だったドミニク・ティーム(オーストリア)を6-2、4-6、7-6(4)、6(7)-7、6-3で撃破するなど、実力と知名度のある選手に勝利。ビッグネームが並ぶベスト8入りを果たした。

「全豪オープン」後の1月29日付けのランキングでは55位まで上昇。ATP(男子プロテニス協会)公式サイトによれば、サングレン自身もランキングの移動について「ランキングでの順位についてはすべて新しい場所です。とても興奮していますし、いいプレーを続けたいです」と話すなど、新たなステージに進む心境を語っていた。

サングレンも今後さらに自身キャリアでの最高順位を伸ばせるか注目の一人だ。(テニスデイリー編集部)

※写真は左からエドマンド(Photo by Michael Dodge/Getty Images)、ベルディヒ(Photo by Quinn Rooney/Getty Images)、サングレン(Photo by Jason Heidrich/Icon Sportswire via Getty Images)