「BNPパリバ ワールドチームカップ 車いすテニス世界国別選手権」(東京都・有明コロシアム・有明テニスの森公園コート/5月23~28日/ハードコート)の大会初日は、男子1部・2部、女子、クアード、ジュニアのリーグ戦・第1戦が行…

 「BNPパリバ ワールドチームカップ 車いすテニス世界国別選手権」(東京都・有明コロシアム・有明テニスの森公園コート/5月23~28日/ハードコート)の大会初日は、男子1部・2部、女子、クアード、ジュニアのリーグ戦・第1戦が行われ、日本代表は女子とクアード、ジュニアの試合に出場。女子とクアードが勝ち星を挙げて好スタートを切った。

 車いすテニス世界国別選手権は、各カテゴリーで予選リーグを戦い、その後、順位決定トーナメントを実施して順位を確定する。シングルス2本、ダブルス1本を行い、2勝以上したチームに1ポイントが与えられ、獲得ポイント数の多さで順位を決定する。

 試合方式は、シングルス2→シングルス1→ダブルスの順に行う。また、男子(1、2部)と女子のリーグ戦は、それぞれ3ヵ国ずつの4リーグ。クアード、ジュニアは4ヵ国ずつの2リーグに分かれて試合を行う。

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 日本女子は初戦でタイとの対戦となった。シングルス2に堂森佳南子(ケイアイスター不動産)が登場し、ワニタ・インタニンから第1セットを6-1と奪う。続く第2セットは5-3とリードしたところからインタニンに2ゲームを連取されるも踏みとどまり、そこから7-5で奪ってストレートで勝利した。

 堂森は、「1セット目は思っていたとおりにプレーできたけれど、2セット目の5ゲーム目を取ったところで力が入ってしまった。相手もより攻撃してきたので焦ってしまったが、そのあと持ち直して、2セットで終われてよかった」と自身の試合を振り返った。

堂森佳南子

 エースの上地結衣(エイベックス)も、サコーン・カンサシートを6-2、6-1のストレートを収め、日本の勝利を確定させた。カンサシートとは、実は過去3回の対戦で全敗していた上地。今日の試合でようやく初勝利をもぎとった。

 上地は、5月2日に行われたワールドチームカップの会見でもタイをライバル国に挙げていたように、序盤は緊張感もあった。さらに、前日に福岡・ジャパンオープンの決勝を戦っていたこともあり、多少の疲労はあった。ただ、「疲れはありましたけど、集中力はありました。堂森選手が1試合目を勝ってくれたので、勝たなくちゃと思いました。カンサシート選手は動きの読みがよく、こちらが動いてから逆を突くプレーをしてくるので苦手意識もあった。今日は、試合中にコーチと話し合いながらプレーできた」ことが勝因と上地は語った。

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 予選グループリーグで強豪のアメリカとオーストラリアと同組となったクアード日本代表。決勝トーナメント進出への道のりは険しくなりそうだが、初戦となるイタリア戦で全勝したことで勢いに乗れそうだ。

 シングルス2に川野将太(シーズアスリート)が登場し、まずイタリアのアルフレド・ディコスモを6-4、6-4で下した。第1セットは3-1とリードするも3-4と一時は逆転されたが、そこから集中力を上げ、相手をストレートで退けた。

 シングルス1の諸石光照(フリー)は、アルベルト・コラッディーを6-4、6-3で下した。シングルスで初対戦の相手に最初の3ゲームは様子見でプレーした諸石。「相手はフォアよりもバックのほうが得意だった。最初、バックを狙ってしまって流れがつかめなかったが、なんとかストレートで勝利できた」と勝因を振り返った。

 シングルス2試合で、日本の勝利が決まったあとに行われたダブルスでも、川野/諸石組がイタリア組をストレートで退け全勝した。この勢いで、明日のオーストラリア戦に臨み、勝利を手にしてもらいたい。

川野将太(右)と諸石光照

 今大会、ワイルドカードでの初出場となったジュニアは、初戦にオランダとの対戦となった。シングルス2の清水克起(愛媛県立しげのぶ特別支援学校)は、ジュニア世界ランク8位のサム・シュローダーに2-6、1-6の完敗。

 シングルス1の細井誠二郎(東京都立桐ヶ丘高校)は、ルーベン・スパールガレンに1-6、2-6で敗れた。続くダブルスで両者はペアを組むもシュローダー/スパールガレンに3-6、6-7(5)とストレート負けを喫した。国際大会自体が初めてとなる日本ジュニア。今大会でどれだけ成長を見せるかが見どころだろう。

細井誠二郎(左)と、ルーベン・スパールガレン

(テニスマガジン/ライター◎酒井朋子)