アレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)は将来グランドスラムで優勝する選手として長らく誉めそやされてきた。問題なのは、メジャー大会の第2週あたりでだれかと対戦するどころか、姿を消してしまう傾向があることだ。第4シードのズベレフは、20日におこなわ…

アレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)は将来グランドスラムで優勝する選手として長らく誉めそやされてきた。問題なのは、メジャー大会の第2週あたりでだれかと対戦するどころか、姿を消してしまう傾向があることだ。

第4シードのズベレフは、20日におこなわれた全豪オープンの3回戦で、同じく新星のチョン・ヒョン(韓国)を相手に7-5、6(3)-7、6-2、3-6、0-6で敗れた。最後の15ゲームのうち12ゲームを落とし、グランドスラムでまたも不可解な早期敗退となった。

20歳のズベレフは昨年、ATPトーナメントを5回制した。これはロジャー・フェデラー(スイス)とラファエル・ナダル(スペイン)に次ぐ数字だが、メジャーでは4回戦進出が昨年の「ウィンブルドン」のわずか1回にとどまり、それより先のラウンドへは進めていない。

ズベレフはフェデラーやノバク・ジョコビッチ(セルビア)、スタン・ワウリンカ(スイス)といったトップ10の選手には複数回勝利している。しかしメジャー大会ではトップ50の選手に勝利したことがないのが、深刻な問題である。

5セットマッチにおける自らの問題点がフィジカル面とメンタル面のどちらにあるのか問われると、傷心のズベレフは「フィジカルでないことは間違いありません」と答えた。

「グランドスラムの勝負どころで自分に起きていることを明らかにしなければなりません。『ウィンブルドン』でも同じことが起きました。ニューヨークでもそうです。ここでも起きました」とズベレフは語った。

ズベレフのグランドスラムでの成績は14勝11敗と振るわない。2017年の「全米オープン」2回戦ではボルナ・チョリッチ(クロアチア)に、2016年の「全米オープン」2回戦でダニエル・エバンズ(イギリス)に、そして2017年の「全仏オープン」1回戦でフェルナンド・ベルダスコ(スペイン)に敗退している。

グランドスラムでは良いプレーをしようと自分にプレッシャーをかけすぎていることが、問題の1つであることをズベレフは認めている。

「自分はまだ若いので、時間はあります。ここ数年の間、他の大会の3セットマッチの成績はとても良いんです」と彼は話している。

チョンとの試合でのズベレフは、第4セットでどういうわけか崩れたように見えた。ズベレフは、最初の3セットは19本のエースを含む48本のウィナーを決め、アンフォーストエラーの数も27個に抑え、高いレベルのプレーを展開していた。しかしその後は、ウィナーはわずか9本にとどまり、24個のアンフォーストエラーを犯した。

「試合としては、自分のレベルは良かったと思います。第4セットを取らなければならなかったと思います」とズベレフは振り返る。

だが、チョンが昨年劇的な進歩を遂げ、現在のランキングの58位以上のプレーをしていることもズベレフは理解している。

「第4セットは終始、トップ10のようなレベルの試合で、チョンはそれを最後まで続けました。彼があのようなプレーをするとき、彼を倒せる選手は極々、限られるでしょう」とズベレフは言う。

チョンは昨年11月、21歳以下のトップ選手8名が参加し、大きな話題を集めた「ネクストジェネレーション・ATPファイナルズ」で全勝してタイトルを獲得した。(ズベレフはロンドンで開催された「ATPファイナルズ」に出場したため、この大会には出場していない)

そして今回のメルボルンで、チョンは韓国人として初の「全豪オープン」の4回戦進出、ならびに、(男女通じて) 韓国人として3人目のグランドスラムの4回戦進出を果たした。

次の対戦相手はズベレフほどランキングは高くないが、チョンにとって非常に困難な壁になるであろう、6回の優勝を誇るノバク・ジョコビッチ (セルビア) である。チョンは、第14シードのジョコビッチに、2年前の1回戦でストレートで敗れている。

「世界でも偉大な選手と試合をする機会をまた得ることができました。ノバクと同じコートでプレーできるのは素直に嬉しいです」とチョンは抱負を語った。(C)AP(テニスデイリー編集部)

※写真はチョンに敗れて3回戦敗退となったズベレフ

(AP Photo/Vincent Thian)