シーズンの最初に訪れるグランドスラムである「全豪オープン」。テニスの年間スケジュールを見ても、最初の山場だと言って、差し支えないだろう。2018年は1月15日から1月28日にかけて行われる予定で、その開催まで1ヶ月を切っており、2017年の…

シーズンの最初に訪れるグランドスラムである「全豪オープン」。テニスの年間スケジュールを見ても、最初の山場だと言って、差し支えないだろう。

2018年は1月15日から1月28日にかけて行われる予定で、その開催まで1ヶ月を切っており、2017年の大会で優勝したセレナ・ウイリアムズ(アメリカ)がエントリーしているほか、12月18日付けのランキングで1位のシモナ・ハレプ(ルーマニア)らの活躍も期待される。

新たに力をつけた選手や、カムバックを果たしそうな選手らが顔を揃える見通しで、ますます白熱する大会になりそうだ。

■女王セレナは、復帰後初のグランドスラムで再び勝利するか?

2017年に優勝したセレナは現在、出産を理由にツアーを離脱して、ランキング自体は下げている。現在は22位となっているものの、実力と前回優勝者である実績を鑑みれば、その存在感は無視できないだろう。

実際、2017年のセレナの「全豪オープン」での試合結果を見ると、1セットも落とさずに優勝を決めており、組み合わせの妙もあるとはいえ、群を抜いている状態だ。準々決勝以降の試合結果を見ても、当時9位のジョハナ・コンタ(イギリス)に6-2、6-3と圧勝。準決勝のミルヤナ・ルチッチ バローニ戦は6-2、6-1と相手を寄せ付けなかった。

姉妹対決となった決勝戦でも、ビーナス・ウイリアムズ(アメリカ)に対して、6-4、6-4とあっさり優勝を決めており、セレナが再び優勝してもまったくおかしくはない。

更にもしセレナが優勝すれば、マーガレット・スミス コート(オーストラリア)の持つグランドスラムシングルス史上最多の24勝に並ぶことになる。

ただ、セレナは2017年の「全豪オープン」以降の大会ではプレーしておらず、身体面でも精神面でもグランドスラムを戦いきれる状態に仕上げられるかどうかが不確定要素だ。その答えはトーナメントの開催まで待つのが賢明だろう。

■ハレプ、ムグルッサ、ウォズニアッキらトップ3は挑戦者

前年女王のセレナに挑戦する格好になる有力選手らの筆頭はもちろん、現在ランキングでトップ3に入っている、シモナ・ハレプ(ルーマニア)、ガルビネ・ムグルッサ(スペイン)、カロライン・ウォズニアッキ(デンマーク)の3選手だ。

ハレプの昨年の「全豪オープン」での実績はぱっとしない。第4シードで出場したものの、1回戦でシェルビー・ロジャーズ(アメリカ)に6-3、6-1で敗れて、あっさりと姿を消した。

ムグルッサも準々決勝まで進出し、ベスト8入りは果たしたが、さらなる上位へは食い込めなかった。ココ・バンダウェイ(アメリカ)に対して、6-4、6-0と封じ込められている。

また、ウォズニアッキも、2017年の「全豪オープン」で爆発的に高いパフォーマンスを見せられたわけではない。上位に進出する前の3回戦で、後にセレナと対戦するコンタに対して、6-3、6-1と完敗。念願のグランドスラムのタイトル争いからは早々に離脱してしまっていた。

トップ3が雪辱を晴らすためにも、グランドスラムのタイトル獲得数23回という驚異的な実績を持つセレナにどこまで対抗できるか、見守るのがよさそうだ。

■オスタペンコ、スティーブンスら若手が猛追

グラウンドスラムの女子タイトル争いを語る上では、新勢力からも目が離せない。特に、昨年に「全仏オープン」を制覇した、エレナ・オスタペンコ(ラトビア)はその存在感を示してきた。

同選手は現在、20歳ながら、ランキング順位は7位。2017年のシーズンは、「WTAファイナルズ」への出場権も獲得し、フォアとバックの両方から繰り出される強烈なストロークで、強豪選手を苦しめた。2つ目のグランドスラムのタイトルに手をかけるべく、迫ってくるかもしれない。

また、もう一人、新たな有力選手として名乗りを上げたのが、スローン・スティーブンス(アメリカ)で、2017年には「全米オープン」での優勝も果たした。

同選手のランキングは現在、13位とトップ10入りを狙う位置だが、トップ10への定着や、ナンバーワンも期待されている選手だけに、セレナやトップ3の強力なライバルになってきそうだ。(テニスデイリー編集部)※写真は2017年の「全豪オープン」で優勝したセレナ

(Photo by Scott Barbour/Getty Images)