2018年の「全豪オープン」が1ヶ月後には早くも開幕を迎える一方で、多くのファンに待たれている錦織圭(日本/日清食品)の復帰も同大会に間に合うかはまだ未知数だ。実際、錦織自身も「怪我がいつ治るかわからないので、ブリスベンを目指すが、(復帰は…

2018年の「全豪オープン」が1ヶ月後には早くも開幕を迎える一方で、多くのファンに待たれている錦織圭(日本/日清食品)の復帰も同大会に間に合うかはまだ未知数だ。

実際、錦織自身も「怪我がいつ治るかわからないので、ブリスベンを目指すが、(復帰は)2月、3月になるかもしれない」と話す通り、まだまだ楽観視はできない。

ただ、日本人として大きな成果を残してきた錦織のグランドスラムでの活躍は否が応でも待ち遠しくなるところだろう。そこで過去の「全豪オープン」での実績を振り返り、復帰した場合のどんな活躍を想像できるかみてみよう。

■2017年の「全豪オープン」はフェデラー相手に惜敗

今年の「全豪オープン」では、錦織は4回戦にまで進出した。不運にもベスト8入りを前に、ツアーに復帰したロジャー・フェデラー(スイス)と対戦。試合途中でトレーナーを呼ぶなど苦しい場面も見せ、7-6(4)、4-6、1-6、6-4、3-6とフルセットの末敗れたが、最新の12月18日時点のランキングで2位のフェデラーを十分に苦しめた。

他方で、1回戦のアンドレイ・クズネツォフ(ロシア)を相手に5-7、6-1、6-4、6(6)-7、6-2とフルセットを戦った後の、2、3回戦はそれぞれ、ジェレミー・シャルディ(フランス)、ルーカス・ラッコ(スロバキア)をそれぞれストレートで下すなど、錦織は実力を見せ付けてきた。

手首の怪我でツアーを離脱する前の実績とはいえ、錦織が本来持つ実力を出し切れば、同程度の活躍を期待できるといえるだろう。

■2015、2016年の「全豪オープン」ではベスト8に進出

一方で、2016年以前はというと、4回戦を突破し準々決勝への進出を錦織は続けていた。シード順位通りの選手らが順当に勝ちあがれば、ほぼ確実に上位シード同士がぶつかり始める準々決勝での好カードは大会でも見所だろう。

錦織はその準々決勝に、2015年、2016年と2年連続で進出してきており、上位に食い込んできた経緯がある。昨年は、当時世界ランキングで1位のノバク・ジョコビッチ(セルビア)に対して、3-6、2-6、4-6のストレートで敗れた。

また2015年には、世界ランキング4位のスタン・ワウリンカ(スイス)と準々決勝で激突。スコアは3-6、4-6、6(6)-7とこちらもストレートで負けてしまったものの、ベスト8に食い込む十分な活躍を見せたといえ、今後、上位のシードの壁を打ち破れるかどうかも焦点の一つだ。

■活躍は手首の怪我からの回復状況次第

ただ、錦織の活躍を占う上で見逃せないのがやはり、ツアー復帰の時期で、錦織本人もあくまで慎重な姿勢を堅持している。

錦織はその点について、「自分の中で『治った』と思えば出るだけ。僕自身が手首に100%、テニスしていて痛みがなければ出られる。それがいつ来るかわらないので、まだ復帰のメドは立たない」としており、復帰時期に明確な見通しはない。

一方で、明るい兆しも見えてきている。その後、錦織はアメリカのカリフォルニアで、コート上で打球して練習する様子を公開しており、復帰へ向けた準備は進んでいる様子だ。

さらに、来シーズン最初のトーナメントとなる予定の「ブリスベン国際」にもエントリーしており、怪我の回復が十分なら、コート上を駆け回り、鋭い打球を放つ錦織の姿を目にできる可能性もまだ残されている。

ツアーからの離脱について前向きに捉えなおし、錦織自身も「よりタフになっているのは感じているので、ある意味、楽しみな部分もある」と話しており、選手自身も納得して復帰し、活躍できるようファンはゆっくりと待つのがよさそうだ。(テニスデイリー編集部)

※写真は2017年の「全豪オープン」で激突した錦織(左)とフェデラー(右)

(Photo by Michael Dodge/Getty Images)