元祖入れ墨ボクサーとして注目を集め、日本タイトルにも挑戦した元日本ライト級1位の大嶋宏成さん(51)が、3月9日に東京…

 元祖入れ墨ボクサーとして注目を集め、日本タイトルにも挑戦した元日本ライト級1位の大嶋宏成さん(51)が、3月9日に東京・板橋区の大山に「大嶋拳闘倶楽部」をオープンすることが18日、分かった。長年の夢だった後進の指導が、リングを離れ20年以上の年月を費やし、ようやく実現する。

 東武東上線・大山駅から徒歩1分のジムは、現在急ピッチで内装工事が進められている。

 「チャンピオンを作ることが大きな目標ですが、もうひとつやりたいことがある。以前、プロのジムを作ろうとしたが、新型コロナウイルスですべての計画がストップした。6年待って、ようやく夢がかないます」

 2005年8月がラストマッチの大嶋さんは、引退後の12年に都内で居酒屋を開店。その2年後にはフィットネスジムもスタートした。20年には東日本ボクシング協会への加盟を考え、プロボクサー育成のために新たなジムのオープンを計画していたところ、新型コロナウイルスの感染拡大により、すべてが頓挫した。

 それでもボクシング界に復帰したいという情熱は冷めず、昨年5月に後援者の後押しもあり、ジムオープンへ動き出した。大嶋さんが口にした「もうひとつ…」には、自らの経験を少年、少女たちに繰り返して欲しくないという思いがある。「世界チャンピオンを作るのは究極の目標です。もうひとつというのは、何をしていいか分からない、希望のない子供たちに楽しく過ごせる場所を提供したい。居場所を作ってあげたい」という。

 大嶋さんは15歳の時、何もすることがなく駅前で1人ふらふらしているところに声をかけられ、何も分からずについていった先が組の事務所だった。孤独で夢も希望もなかった自分に声をかけてもらい、人生が楽しくなったと勘違いした。16歳の時、1年2か月間を小田原少年院で過ごした。そんな子供たちを1人でも減らしたいと「体を鍛えながら楽しく過ごせる空間、居場所を作る。プロの練習時間とは別に、しっかり分けて時間を設けたい」と熱い思いを吐露した。

 プロデビューするにあたり、両胸の金魚の入れ墨を消すために、200万円をかけて太ももとでん部の皮膚を移植した。デビューから異色のキャラクターとしてテレビで特番が組まれるほどの注目を集めた。リングでは全日本新人王を獲得し、2000年2月には11連勝の勢いで、当時の日本ライト級王者・リック吉村(石川)に挑戦したが判定負け。プロ初黒星となったが、大嶋さんの知名度やリック吉村(現リングサイドフィットネスジム会長)の当時日本記録となる21連続防衛のかかった試合は、後楽園ホールの入場者記録(2500人)として今でも残っている。

 私生活では一昨年3月に女優の吉田美佳子と結婚し、昨年12月には第一子となる男児が誕生。居酒屋の他に立ち食いそば店も経営する多忙な身だが「これからはジムに集中します」と、東日本ボクシング協会への加盟も早急に進め、元日本スーパーフェザー級王者の有沢幸司さん(リングネーム・コウジ有沢)のトレーナー就任も決定。オープン前日の8日には、オープニングセレモニーを予定されている。

 ◇大嶋 宏成(おおしま・ひろなり) 1975年1月7日、茨城・結城市生まれ。51歳。22歳の時に輪島功一スポーツジムからプロデビュー。98年全日本新人王獲得。2000年2月に日本ライト級王座に挑戦したが失敗。その後、階級を上げ東洋太平洋スーパーライト級、日本同級王座に挑むが、いずれも王座獲得ならず。引退後の12年7月に東京・杉並区の上井草に居酒屋「いきや」をオープン。身長180センチ、ボクシングスタイルは右ボクサーファイター。プロ戦績は21勝(13KO)5敗1分け。家族は妻と一男。

 ◇大嶋拳闘倶楽部 東京都板橋区大山東町58―8 大山新世ビル2F