◆ミラノ・コルティナ五輪 ▽スピードスケート(17日、ミラノ・スピードスケート競技場) 女子団体追い抜きは17日、日本時…

◆ミラノ・コルティナ五輪 ▽スピードスケート(17日、ミラノ・スピードスケート競技場)

 女子団体追い抜きは17日、日本時間午後10時52分から準決勝が行われる。2大会ぶりの金メダルを目指す日本(高木美帆、佐藤綾乃、堀川桃香、野明花菜)は同10時58分からの準決勝2組でスケート大国・オランダと激突。日本時間18日午前0時47分からの決勝進出を目指す。

 一糸乱れぬ隊列とスムーズな先頭交代で18年平昌で金、22年北京で銀メダルに輝いている日本だが、今大会は先頭交代を行わない戦術で臨んでいる。14日に行われた1回戦も高木、佐藤、堀川で隊列を変えず、2分55秒52の2位だった。

 過去2大会は各国で先頭交代の回数に差はあったものの、男女とも順番を入れ替える形が主流だった。世界の潮流に変化の兆しが見え始めたのは、北京五輪プレシーズンだった2021―22年季頃からだった。欧州などで先頭交代を行わない戦術が広がり始め、日本も国内競技会などでテストを始めた。北京五輪では男子のノルウェーが先頭交代なしで頂点に立ち、その流れは加速。現在ではほとんどのチームが先頭を固定した戦術を取っている。

 スピードスケートでは先頭を滑る選手は空気抵抗をまともに受けるため、体力の消耗が大きい。先頭を入れ替えながら負担を分散してきたが、交代に伴う減速は生じる。逆に交代をしなければタイムロスは避けられるものの、先頭で引っ張る選手のスタミナの問題が生まれる。これを補うのが後方の選手が前方の選手のお尻のあたりを押しながら滑る「プッシュ」作戦だ。

 プッシュするには前後の選手が近い距離で滑ることが必要なため、接触や転倒のリスクは高まるものの、先頭の選手を後方の2人の選手が押して支えることで減速幅を抑え、タイムの向上につながる。日本もミラノ五輪に向け、男女ともにこの作戦を採用してきた。

 団体追い抜きはチームパシュートとも呼ばれ、英語のpursuitは「追いかける」の意味がある。2チーム(1チーム3人)がリンクの対角から同時にスタートし、追いかけるように滑ることが由来となっているが、チーム単位で見れば“追い抜かない”戦術が金メダル奪還の鍵を握る。