◆報知新聞社主催 第58回青梅マラソン(15日、東京・青梅市 日本陸連公認コース) 男子30キロは、荒生実慧(あらお・…
◆報知新聞社主催 第58回青梅マラソン(15日、東京・青梅市 日本陸連公認コース)
男子30キロは、荒生実慧(あらお・まさと、25)=NDソフト=が1時間30分54秒で連覇した。第102回箱根駅伝(1月2、3日)の9区で区間賞を獲得して青学大の3年連続9度目の優勝に貢献した佐藤有一(4年)は、1時間33分56秒で7位だった。
原晋監督(58)に「優勝を目指せ」とゲキを飛ばされていた佐藤は「折り返して15キロくらいから、きつくなってしまいました。それから30キロまで長かったですね」とレースを振り返った。悔しい言葉を明かすと同時に「沿道の方々や、折り返した後にすれ違うランナーの皆さんに力をもらい、走り切ることができました」と周囲の応援に感謝した。
青梅マラソンは思い入れの強い大会だ。青梅市に隣接する八王子市出身。市民ランナーの祖父・勝之さん、父・貢一さんは青梅マラソン出場の常連だったため、小学生の頃から会場まで応援に来ていた。「数え切れないほど多くの人が走っていて、お祭りみたいですよね。楽しい思い出です。僕も大きくなったら青梅マラソンを走ろう、と思いました」と振り返る。
拓大一高1年時には青梅マラソン高校男子10キロに出場。同種目の歴代優勝者には、箱根駅伝区間賞2回の嶋津雄大(東京・若葉総合高―創価大―GMOインターネットグループ)らが名を連ね「箱根駅伝の登竜門」と呼ばれている。1年時はまだ力不足で練習の一環として出場し、127位に終わった。「2、3年の時は優勝を狙うつもりでした」と話すが、その2年間はコロナ禍のため中止に。今年は6年ぶりの青梅マラソン参戦だった。
この日は家族が現地で応援。ただ子供の頃、家の近所を一緒に走ってくれた祖父の勝之さんは2年前に81歳で亡くなった。「青梅マラソンが大好きだった祖父のためにも、いい走りをしたい」と強い意欲でレースに臨んだ。
結果は満足できるものではなかったが「レース中、何度も『青山学院!』『佐藤有一!』と名前を呼んで応援してもらえました。苦しかったけど、うれしく、楽しくもありました」と笑顔も見せた。
箱根路の王者、青学大の強さを象徴する選手だ。青学大では、3年時まで箱根駅伝に一度も出場できなくても泥臭く走り込みを重ねて、4年目に大輪を花を咲かせる選手が多い。佐藤有一も、最初の最後の箱根駅伝で9区区間賞。原監督が「輝け大作戦」を発令した第102回箱根駅伝で、まさに輝きを放った。
青学大を卒業後は、実業団のサンベルクスで競技を続ける。青梅から箱根へ羽ばたいた自信を胸に、今度は青梅から世界を目指す。
◆佐藤 有一(さとう・ゆういち)2003年4月26日、東京・八王子市生まれ。22歳。拓大一高3年時に全国高校総体5000メートルで決勝に進出し、12位。22年に青学大文学部に入学。学生3大駅伝は4年時の全日本大学駅伝でデビューし、5区4位。箱根駅伝は9区区間賞。自己ベスト記録は5000メートル13分53秒61、1万メートル28分7秒75、ハーフマラソン1時間3分53秒。183センチ、63キロ。