◆サウジカップ・G1(2月14日、キングアブドゥルアジーズ競馬場・ダート1800メートル) JRA海外馬券発売対象の第7…
◆サウジカップ・G1(2月14日、キングアブドゥルアジーズ競馬場・ダート1800メートル)
JRA海外馬券発売対象の第7回サウジC・G1は日本時間15日(現地時間14日)にサウジアラビア・キングアブドゥルアジーズ競馬場で行われ、坂井瑠星騎手(28)=栗東・矢作厩舎=騎乗の日本調教馬フォーエバーヤングが史上初の連覇を飾った。今年も世界最高の1着賞金1000万米ドル(15億6732万9650円)を獲得した一戦を現地取材のヤマタケ(山本武志)記者が「見た」。次走は昨年3着に敗れたドバイ・ワールドC(3月28日、メイダン競馬場)で雪辱を期す。
とてつもなく重い空気が充満していた。フォーエバーヤングのサウジCまで日本調教馬は5レースで17頭が出走したが、連対馬すら不在。ことごとく中東の分厚い壁にはね返され、肩を落とす関係者ばかりを取材していた。
しかし、役者が違った。フォーエバーヤングは強かった。発馬で流れに乗れず、好位にはつけたものの、フォーエバー包囲網のように馬群の中に押し込められる形。ただ、坂井は冷静だった。「囲まれないポジションをと思っていたが、皆が押してきたのでああいうポジションになりました。ただ、前が開けば脚はあるので信じていました」。想定外の競馬でもインを選択した直線での伸び脚はいつも通り。外から伸びるナイソスの追い上げを受け止め、そして突き放す。1馬身という着差以上の強さだった。
今年のサウジのダート戦。レース後に敗因として多く聞いたのが重くてタフな馬場だ。記者も実際に手で触ってみたが、湿気があり、まとわりつくようなダートだった。明らかに日本とは違う。その時に思い出したのが、矢作調教師への出発前の取材。「この馬は若い頃から門別や大井の白い砂に、川崎の普通の地方の深い砂に、JRAのダートまでサーフェス(表面)の相当に違うはずのダートを全く気にしないんだよ。普通は気にする。そこは常識的な部分を超越していると思うな」。他の日本馬が推進力を奪われた馬場でもフォームは乱れず、本場アメリカの強豪相手に横綱相撲。日本馬の枠をはるかに飛び越えた存在であることを中東で再認識した。
次戦は「56億円ホース」の実現がかかるドバイ・ワールドCだ。昨年は抜き打ちの採尿検査などの影響で、イレ込んだ状態になったことが響いた3着。矢作師の“忘れもの”を取りにいく気持ちは誰よりも強い。今回、昨年のBCクラシックから直行を選択したのも中東G1の“両取り”を狙ってのローテだ。「この馬は行き脚が状態に比例するんだけど、今日は行き脚のつき方がもうひとつだった。ドバイではもっと上積みがあると思います」。果たして、どこまで強いのか。我々は今、歴史に残る名馬を目撃している。
◆フォーエバーヤング 父リアルスティール、母フォエヴァーダーリング(父コングラツ)。栗東・矢作芳人厩舎所属の牡5歳。北海道安平町・ノーザンファームの生産。通算14戦11勝(うち海外8戦5勝、地方5戦5勝)。総獲得賞金はおよそ45億6083万4550円(うち海外42億6683万4550円、地方2億8700万円)。重賞10勝目、G1級6勝目。馬主は藤田晋氏。