◆報知新聞社主催 第58回青梅マラソン(15日、東京・青梅市 日本陸連公認コース) 男子30キロは、荒生実慧(あらお・…

 ◆報知新聞社主催 第58回青梅マラソン(15日、東京・青梅市 日本陸連公認コース)

 男子30キロは、荒生実慧(あらお・まさと、25)=NDソフト=が1時間30分54秒で連覇。1985、86年大会を制した伊藤国光(鐘紡)以来、大会史上2人目の連覇を達成した。

 今大会が引退レースとなった口町亮(31)=SUBARU=は1時間36分12秒で8位。ゴール後、口町をねぎらう大声援が上がり、奥谷亘監督(50)から花束が贈られた。「幸せな競技人生でした」と感慨深い表情で話した。

 豪快なラストスパートを得意として「口町ロケット」の愛称を持つ男が、7回目の青梅路を力の限り駆け抜けた。「15キロ過ぎに先頭集団から引き離されてしまいましたが、沿道の方々や、すれ違う市民ランナーの皆さんから多くの声をかけてもらい、楽しく走ることができました。競技人生を思い出しながら走りました」とラストランを振り返った。

 埼玉・川口市出身で2013年に市立川口高(現川口市立高)から東洋大に入学。3年時に出雲駅伝4区で学生3大駅伝デビューを果たし、いきなり区間賞を獲得した。3年時の全日本大学駅伝3区では区間賞に輝き、東洋大は青学大に競り勝ち伊勢路を制覇。口町はMVPを獲得した。箱根駅伝は3年時に6区4位、4年時に3区3位と好走した。179センチの長身を生かしたダイナミックなフォームと爆発力のある走りが持ち味。青学大の原晋監督(58)は「口町の勢いはすごい。口町ロケットだ」と、人気ドラマ「下町ロケット」にちなんだ愛称をつけた。前日(14日)の開会式では、くしくも「名付け親」の原監督と再会。「とてもいい愛称をつけてもらいました。ありがとうございました」と原監督に感謝した。

 17年に東洋大を卒業し、SUBARUへ入社。ニューイヤー駅伝(全日本実業団駅伝)でも活躍し、22年大会では最終7区3位でチーム史上最高の2位に貢献した。

 「長い競技生活の中で、思い出に残るレースは、やはり、東洋大3年時の全日本大学駅伝3区とSUBARUでニューイヤー駅伝2位になった時ですね。自分の持てる力を出し切れたのは駅伝が多かったです」。

 現役ラストランでも多くの人を魅了した。同じレースで優勝した荒生は東洋大の6年後輩。「口町さんのラストレースを一緒に走れてよかったです。2015年の全日本大学駅伝3区で口町さんの激走はよく覚えています。当時、僕は中学3年生でした。東洋大と口町さんが強く印象に残りました。東洋大の一時代を築いた口町先輩に続けられるように僕も頑張ります」と敬意を込めて話した。

 ゴール後「東洋大の時からずっと応援していたよ!」「口町選手、今までありがとう!」と多くの声援が飛んだ。高校時代の恩師の樫木宏教諭も青梅まで駆けつけねぎらった。「多くの人に応援してもらい、幸せな競技人生でした」と実感を込めて話した。

 4月以降はSUBARUで社業に専念する。「今後、苦しんで、速く走ることはありません。まずは仕事を頑張って、楽しく走ります」と爽やかに話した。

 記録よりも記憶に残る「口町ロケット」。青梅で最後の発射をして、次のステージに向かった。(竹内 達朗)

 ◆口町 亮(くちまち・りょう)1994年7月11日、埼玉・川口市生まれ。31歳。川口西中1年から陸上を始める。市立川口高(現川口市立高)3年時に全国高校総体5000メートル、3000メートル障害に出場(いずれも予選敗退)。2013年に東洋大入学。学生3大駅伝は4回出場。3年時に出雲駅伝4区区間賞、全日本大学駅伝3区区間賞(優勝に貢献し、MVP獲得)、箱根駅伝6区4位。4年時に箱根駅伝3区3位。17年に卒業し、スバル入社。22年ニューイヤー駅伝(全日本実業団駅伝)では最終7区3位でチーム史上最高の2位に貢献。自己ベスト記録は5000メートル13分53秒51、1万メートル28分22秒89、ハーフマラソン1時間1分46秒、マラソン2時間12分54秒。179センチ、62キロ。