◆スポーツ報知・記者コラム「両国発」 競馬界において、この時期は長年にわたって活躍した調教師との別れの季節。今年は3月3…
◆スポーツ報知・記者コラム「両国発」
競馬界において、この時期は長年にわたって活躍した調教師との別れの季節。今年は3月3日をもって東西で7人が定年を迎える。
そのうちの1人が西園正都調教師(70)=栗東=。1971年にこの世界に入り、74年に騎手デビュー。98年に厩(きゅう)舎を開業し、合わせて1000以上の勝ち星を積み重ねてきた名伯楽だ。「生まれ変わってもまた騎手をやりたいし、調教師をやりたい。本当にそれぐらい、やりがいのある仕事」と充実感をにじませながら語る。
師の祖父、おじ、息子と4世代にわたり調教師という仕事に生きてきたホースマン一家。長男の翔太調教師(35)は平成生まれ初のトレーナーとして、23年に開業した。次男も兄の厩舎で調教助手として働いている。「うまく誘導したんだけどね」と笑うが、同じ世界に飛び込んできてくれた当時のことを話す姿は本当に幸せそうだ。
息子も自然と背中を追っていた。翔太調教師は「物心ついた時から、父が競馬の仕事をしていたというのは、自分の職業選択において影響が大きかった」と振り返る。同じ道を歩んできた父の引退を前に「そういう存在がいなくなるというのは寂しい気持ちもあります。恥じないようにやっていきたいですね」と決意を新たにする。
正都師は「翔太が調教師になってくれたから、『西園』という名前がこれからも残る。歴代続いていってくれたらいいな」と願った。夢の続きを息子に託す父親の姿に、胸が熱くなった。(中央競馬担当・山本 理貴)
◆山本 理貴(やまもと・りき)2024年入社。同年6月から現職。